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第一章

19.甘いからだ※

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「なあ、ジオルド殿下・・・・・・」
「スイ、この部屋には私と君しかいないのだから、殿下はよしてくれないか?」
「うん、わかった」
「で、何を言おうとしたんだ?」
ジオルドは羽織っていた上着とマントをソファーの背にかけた後、俺の服を脱がす。俺はされるがまま、ジオルドの好きにさせてやる。
「俺さ、アルバートたちに嘘ついちゃったわ」
「嘘?」
俺の上着はジオルドの物の上に落とされた。
「実は、あの術に副作用はないんだよ」
「??ん、??んん?ということは?」
「ああ、欲情してないんだよ。いたって普通なんだ」
「っ!!??じゃ、私に今晩空けておいてくれとは・・・・・」
「はは、ま、俺の素直な気持ち?ああでも言わないと、ジオルドが俺を抱く口実なんてないだろう?」
「はっ?いや、あるだろう!私はいつだって君が欲しいと!」
「でも、何で欲しいか言わないだろう?態度だけで、言葉はくれてないだろう?」
「っ!!!そ、それは・・・・・」
「言いたくないの?それとも言えないわけ?」
狼狽えるジオルドをソファーに座らせる。
その狼狽ぶりは俺に対しての負の感情ではなくて、何と言っていいのか・・・・・・。
「君に伝えるタイミングを考えていたんだ、私は・・・・・・。本当は言いたくて仕方ないんだ!でも、・・・・・・今回のこの件が片付いたら君に絶対に伝える!言葉で!それまで、待っていてくれないか?」
決意が痛いほど俺の心の臓に突き刺さってくる。強烈な想いがっ!
「はは、言葉より身体の関係が先ってどうなの?ま、気持ちはわかってるから待つよ。俺の返事もその時でいいよな?」
「ああ、もちろんだ。それまでしっかりと考えてくれ」
「その言葉そっくりそのまま返すわ。俺を納得させる言葉用意しておけよ」
「任せておけと言いたいが、気の利いた言葉を用意できる自信は全くと言ってない!!」
エッヘンと胸を張って威張るのは、今日何回見たっけ?あれ、これデジャブ?
「ジオルドって初めて会った時は本当に格好良かったのに、数日間でそれがなくなったわ」
「えっ?!駄目な王子になってる?」
「はは、違う違う、可愛い王子に変わってる」
「嬉しくないな、スイ」
腕を引かれ俺はジオルドの胸に倒れ込むと、そっと顎を取られて優しいキスを繰り返される。段々と深まる口づけから、水音がするまでに時間はそうかからなかった。


「はぁ・・・ぁ・・・・・ん」
「スイの身体を余裕を持って見るのは初めてだな。出会った時は夜の森で君の綺麗な肌の色さえはっきりと見えなかった。次はジルの解呪を行った後だが、既にレイに愛撫を施され、余裕のない虚ろなスイを見て、私自身を見失ってまた君の身体をじっくりと見ることが叶わなかった。でも、今日は堪能するよ?君を・・・・・」
「ぁ・・・・・・ん・・・その、つも・・・り」
私はスイの首筋をねっとりと舐め、そして狭い耳の中を届く範囲まで犯していく。
手は胸の飾りを抓み、痛みを加えると途端にビクリと身体を振るわせ固まってしまった。
そこに「すまない」と囁きかけ吸い付くと
「ふぁぁあぁ」
と、何とも乱らで愛らしい欲声を聞くことができた。
「かわいい、私のスイ・・・・・」
「ぁ・・・・・ジオ・・・ぅぁ・・・」
赤く熟れた胸の蕾に戯れながら、私は口づけを段々と下に降ろしていくと、健気に勃ち上がっているスイの大事なモノに軽くキスをする。
「ひっ!そんぁぁっ!」
否定の言葉なんて聞きたくない。
やっとスイを独り占めできるのだ。
やっとスイの身体を私一人で堪能できるのだ。
視覚で、嗅覚で、触覚で、味覚で!
楽しい!!そして、美味い!!!
もっともっと私にスイの味を覚えさせてくれ!!
振るえて今後の期待に待つそれをパクリと咥え、唾液をたっぷり乗せて時間をかけて抜いていく。
先端から漏れる液は甘く感じ、「もっとくれ」ときつく吸い上げると、一際大きな嬌声を上げて私の口の中でイッてしまったのだ。
「美味しいな、スイ・・・・・もっともっとだっ!」
「ふぁぁ・・・・・のま・・・な・・・・ぃっ!ああっ!」
だから否定の言葉はいらない!私は濡れそぼる奥に秘められた小さな口に舌を這わせる。
「ひぅっ!そんなところっ!!!」
どこもかしこも甘いな、スイは。中も甘いのだろうな。
丹念に縁を舐め柔らかくし、指でクイッと穴を広げるとテラテラと光る赤い内部が私を誘うように踊っているのだ。
誰がこの誘いを拒否できようか?私は請われるまま、舌をそっと入れると
「ひぃぃっ!な、なんてことっ・・・も、いやぁぁ」
スイの悲鳴に反して、中はもっとと誘うように奥へ誘導する。
ああ、本当に美味いな。
ピチャピチャと水音がするのに耐えられないのだろう、ついにスイは枕に顔を押しつけ耳を塞いでしまった。それでもその仕草ですら可愛いのだから仕方ない。
充分に解れたころ私は、自分の勃起したモノをスイに見せて、
「これから挿れるから楽にしてて」
「ううう、バキバキじゃん・・・・・てか、デカすぎっ!」
「それは褒め言葉だね。スイを喜ばせるためにこんなに大きくなったこの子をもっと褒めてあげて?」
「王子が下品だったなんて・・・・・・」
「失礼だな。ま、ゆっくり挿れるからね」
解れきったそこに私のを充てると中が「ひと思いに入ってこい!」と命令してくるようで、つい
「うわぁぁぁぁああああああっ!」
と、スイに絶叫をあげさせてしまうほど強烈に挿れてしまったのだ。
その後は、ひっきりなしにスイの口からは強い快楽のための嬌声が漏れるだけだった。



バシン!
「こんのぉ、変態!!!」
ジオルドの顔面に枕を投げつけてやったら、見事にヒット!
「スイ、変態とは酷い、あ、うん、いや、変態かも?スイの身体味わってたら変態になれるのが私です。白状しますから、スイ、どうかその右手に持つもう一つの枕を置いてくれないか?」
変態プレイをされた俺は羞恥で居たたまれなくて、もう、もう!!!
「明日ジオルドは5キロ追加なっ!」
「え?ええええええええええええっ!私公務に間に合うのか?」
「知らんっ!」
と言う言葉と俺の腹の虫が鳴るのは同時だった。
「ははは。風呂入って、食堂に行くかい?騎士専用の食堂はいつでも開いているからね。夜番もあるからいつでも食べられるようにしているんだ」
「え、そうなの?じゃ、食べる。体力使ったから腹減った。その前にお前は歯を磨け!口の中黴菌だらけだからな!それまで口づけはしないからなっ!」
「ああ、わかったよ。次回からは洗浄魔法をかけてから舐めるよ」
「・・・・・・・誰がそれをしろと言った?」
そんな魔法があってもあんな所舐められるのは絶対にい・や・だっ!
「はっはっは!とりあえず、スイはお風呂に入っておいで?私は歯を磨くから」
「ああ、そうさせて貰いたいが、風呂まで連れてけ。足がたたん!」
「ご命令のままに、我が妃」
手の甲にキスを落とされる。今していた行為より可愛いはずなのに、心臓の音が五月蠅いくらいに鳴る。
「ううう、やっぱりジオルドは格好いい」
その言葉に、柔らかくて優しい顔を見せてくれた。
それは出会った中で一番綺麗な姿だった。
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