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Introduction

その3 今井さんと私の初キス、そして…

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今井さんの提案通り木陰に再び避難すると、
一緒に来た彼が私の頭の上から
タオルを掛けてくれました。

そして、まるで子供にするように、
彼よりも頭一つ背の小さい
私の頭をガシガシと拭き出したのです。

正に風呂上りの幼児の髪を拭くかのように。

(あっ、こういうのは久しぶりだな。
人に頭を拭いてもらうのって気持ちいいな)
と思いながら、そんな気分でうっとりしていました。




そしてタオルをどけた時に今井さんが
私を抱きしめてキスをし、
それは年下の男性でありながら、
ゆとりのある優しいキスで私は
何かが弾け飛んでしまったようでした。

私は興奮のあまり彼の首に腕を回して、
全身ずぶ濡れになった体を密着させました。

お互いの舌を口の奥深くまで差し込み、
追いかけっこをしているような余裕もありました。

時折まばらに落ちてくる大粒の雨の雫も気にせずに、
私たちはねっとりとしたキスを楽しんでいたのです。

クチュクチュという、厭らしいお互いの舌が絡まる音が
聞こえて、更に二人は興奮していました。

互いの唾液で濡らし合う舌と舌、そして歯の裏まで
追いかけっこは、本当に久し振りのキスでした。

徐々にと頭の中が痺れてくるような感覚に陥っていた私で、
お互いに貪り合い、ふと唇を離し見詰め合い、
もうお互いに我慢できる状態ではありませんでした。




辺りを見回しても、まばらにある民家以外は、
当然何もなく人通りも殆どありませんでした。

一番近くにあるのは、この畑を貸してくれている
農家の倉庫でした。

私たちは言葉もなく目配せして物置に近付いていったのです。

小さく扉を開くと案外広い内部でした。

農作業用の大きな機械の5台や、肥料、鍬、針金、ネット、
ビニール、何に使うのか分からないが、沢山の夥しい物が
置いてあり、その一番奥には大きな機械の後ろに
畳二畳分程のカーペットが敷かれた一画が見えました。
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