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I'll make love to you
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しおりを挟むスクールは週二回、一回二時間。
午後からだから、俺が会社抜けて一緒に行く。
「偉いからって、んな事してたら社員の皆さまに示しが…」
とか、みのりさんが言うけど、俺がいない時に二人になにかあったらどうするんだ。
「ウチは参観日休暇とか、育児に関する休暇は奨励してるからね。上の人間がやってたら、みんな取りやすくなるでしょ」
それは、ホントの事。ウチの社員は女性メインだから、働きやすい環境のためにその辺りは充実させてる。
親子遊びして、子供たちだけで、仲良くしながら遊ぶみいくん。
「お絵かきしましょうねえ」
て、先生が言ったら。
「あーいっ」
元気に手上げる姿が頼もしく見える。お絵かきは家でもしてるけど、うわ、お友達にクレヨン取ってあげたりして、優しいなあ、みいくん。
取ってあげてるのが女の子だけなのは、偶然だ、偶然。
だいたい、俺は女は嫌いだ。みのりさんが好きなだけだ。
俺の血が、女好きとかあるワケねえ。
気分変えようとトイレ行った帰り。
「あの…みちるくんのパパ?」
とか、なんとかちゃんのママから声かけられた。なんとかちゃん、名前は覚えてねえ。
「お洋服屋さんなんですよねえ?良かったらお洋服の事教えて欲しいなあ、と思って」
なんかな。上目遣いされようが、俺はみのりさん以外に可愛さも色気も感じねえんだよ。
「連絡先とか、教えてもらえると嬉しいな」
不倫したいならやっすい出会い系でも入会しろ。
「ウチの会社の服は妻が着てますよ。ウチの妻の服は全部会社のですよ。ウチの妻は可愛いからガーリー系で統一しますけどね。ウチの妻の着る服は全部俺が選んでるんですよ。ウチの妻ホント可愛いんですよ。可愛いでしょ?ウチの妻」
くらい言ってやったら引くからな。名刺なんか渡すか、馬鹿馬鹿しい。店舗の連絡先の一覧が印刷されたショップカード渡して。
「お近くに来られたら寄って下さい」
で、後はシカト。
ま、こう言う事はたまにある。社外の取引先とかな。
ショップスタッフも、俺がみのりさんと結婚する前は変に色気出してきやがったのもいるけどな。社長の息子だしな。
みのりさん以外に触りたくもねえし、売上やら顧客確保やら俺が常に厳しい事しか言わねえから、今は怖がられてる。
色気出す女、気持ち悪い。みのりさんなら出してくれて構わねえけど、そう言うとこで恥らうのがみのりさんの可愛さだしな。
あ。今度セクシーランジェリーこっそり買おうかな。
「なに、にやにやしてるん」
「うん?なんでもないよ」
みのりさんにはバレねえ様にしとこう。
スクール終わって帰る時、みんなでさようなら、して。
みいくんは一番可愛い女の子のとこに歩いていって。
「あああ、もう、完璧にダメだ…」
みのりさんが頭抱える。みいくんは。
小さい手を女の子のほっぺたに当てて、唇くっつけた。
「いっきゅ、ゆーかあねー」
そう言って、女の子を抱き締めた。
行って来るからね、の真似。か!?
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