47 / 49
43話 建国祭⑨
しおりを挟む
ユーゴ視点
「建国祭に誘ってくれてありがとな」
俺は中央広場にあるベンチに腰を下ろすと、カトリーヌに感謝の言葉を伝えた。
1日目は火薬を回収するためにバタバタしていたが、その後は2人でデートを楽しむ事ができた。これほど充実した日々は初めてだった。
「私の方こそユーゴと一緒にお祭りに参加できて楽しかったわ」
カトリーヌも隣にちょこんと座って体を寄せる。2人の手が重なって心地よい時間が流れる。しばらくの間無言が続いたけど、気まずい感じはしなかった。
「ねぇ、ユーゴ、その……あれから大丈夫?」
「ん? 何のことだ?」
「その……劇薬を飲んでから何か異変はない?」
カトリーヌは俺の手をギュッと握ると、心配そうに尋ねてきた。
「あぁ、問題ない」
「ならいいけど……本当にごめんね……」
「もう過ぎたことだろ? それにカトリーヌは何も悪くない。そう気にするな」
俺ははっきりと断言した。カトリーヌも納得したのか、こっくりと頷く。
「でも、ありがとね。ユーゴがいなかったら……きっと私が罰を受けていたわ……」
「俺もカトリーヌが疑われなくてよかったよ」
周りに人がいないせいか2人の吐息がよく聞こえる。俺はそっとポケットに手を入れると、小さな箱を出した。
「なぁ、カトリーヌ、これを受け取ってくれないか?」
「えっ、私に⁉︎ 開けてみてもいい?」
「もちろん!」
小さな箱から出てきたのは、可愛らしい花のネックレスだった。
「絶対に似合うと思って……ちょっと目を閉じてくれないか?」
カトリーヌは言われた通りにすっと目を閉じる。これはすごい……想像以上に似合っている!
「ありがとう! 大切にするね」
カトリーヌはうっとりとした表情でネックレスを優しく撫でる。どうやら気に入ってくれたらしい。
「ねぇ……ユーゴ……私からもプレゼントがあるの。ちょっと目を閉じてもらえるかな?」
「あぁ、分かった」
俺も言われた通りに目を閉じた。まさかカトリーヌもこっそりプレゼントを用意していたとは……一体何をくれるんだ?
「えっと……それじゃあいくよ……」
なぜかカトリーヌの声がこわばっている。何に緊張しているのだろう? 不思議に思って目を開けると、目の前にカトリーヌの顔があった。そしてふっくらとした唇が俺の口に重なる。
「えっ、んん!!!!???!!」
一瞬何が起きたのか分からなくて頭の中が真っ白になる。じんわりと唇に熱を感じる。えっ、俺……キスをされたのか⁉︎
「………ねぇ、ユーゴ……」
「………好きだよ…………」
またしても頭の中が真っ白になる。えっ、俺……告白されたのか⁉︎
「私……ユーゴの事が好きなの……大好きなの!」
好き……大好き……その言葉が何度も再生されて思わず頬が緩んでしまう。なんだよそれ……反則だろ……
「俺もだ……俺もカトリーヌのことが好きだ!」
俺は力強くカトリーヌを抱きしめると、全力で愛を叫んだ。その度にカトリーヌの頬も緩んでいく。
「あれ? ユーゴ、泣いてるの?」
「そっそんなわけ……カトリーヌだって目元が赤くなってるだろ?」
嬉しさのあまりなぜか泣けてくる。それがなんだか可笑しくて……俺たちは顔を見合わせると、泣きながら笑い合った。2人の声が静かな街に響き渡る……
「建国祭に誘ってくれてありがとな」
俺は中央広場にあるベンチに腰を下ろすと、カトリーヌに感謝の言葉を伝えた。
1日目は火薬を回収するためにバタバタしていたが、その後は2人でデートを楽しむ事ができた。これほど充実した日々は初めてだった。
「私の方こそユーゴと一緒にお祭りに参加できて楽しかったわ」
カトリーヌも隣にちょこんと座って体を寄せる。2人の手が重なって心地よい時間が流れる。しばらくの間無言が続いたけど、気まずい感じはしなかった。
「ねぇ、ユーゴ、その……あれから大丈夫?」
「ん? 何のことだ?」
「その……劇薬を飲んでから何か異変はない?」
カトリーヌは俺の手をギュッと握ると、心配そうに尋ねてきた。
「あぁ、問題ない」
「ならいいけど……本当にごめんね……」
「もう過ぎたことだろ? それにカトリーヌは何も悪くない。そう気にするな」
俺ははっきりと断言した。カトリーヌも納得したのか、こっくりと頷く。
「でも、ありがとね。ユーゴがいなかったら……きっと私が罰を受けていたわ……」
「俺もカトリーヌが疑われなくてよかったよ」
周りに人がいないせいか2人の吐息がよく聞こえる。俺はそっとポケットに手を入れると、小さな箱を出した。
「なぁ、カトリーヌ、これを受け取ってくれないか?」
「えっ、私に⁉︎ 開けてみてもいい?」
「もちろん!」
小さな箱から出てきたのは、可愛らしい花のネックレスだった。
「絶対に似合うと思って……ちょっと目を閉じてくれないか?」
カトリーヌは言われた通りにすっと目を閉じる。これはすごい……想像以上に似合っている!
「ありがとう! 大切にするね」
カトリーヌはうっとりとした表情でネックレスを優しく撫でる。どうやら気に入ってくれたらしい。
「ねぇ……ユーゴ……私からもプレゼントがあるの。ちょっと目を閉じてもらえるかな?」
「あぁ、分かった」
俺も言われた通りに目を閉じた。まさかカトリーヌもこっそりプレゼントを用意していたとは……一体何をくれるんだ?
「えっと……それじゃあいくよ……」
なぜかカトリーヌの声がこわばっている。何に緊張しているのだろう? 不思議に思って目を開けると、目の前にカトリーヌの顔があった。そしてふっくらとした唇が俺の口に重なる。
「えっ、んん!!!!???!!」
一瞬何が起きたのか分からなくて頭の中が真っ白になる。じんわりと唇に熱を感じる。えっ、俺……キスをされたのか⁉︎
「………ねぇ、ユーゴ……」
「………好きだよ…………」
またしても頭の中が真っ白になる。えっ、俺……告白されたのか⁉︎
「私……ユーゴの事が好きなの……大好きなの!」
好き……大好き……その言葉が何度も再生されて思わず頬が緩んでしまう。なんだよそれ……反則だろ……
「俺もだ……俺もカトリーヌのことが好きだ!」
俺は力強くカトリーヌを抱きしめると、全力で愛を叫んだ。その度にカトリーヌの頬も緩んでいく。
「あれ? ユーゴ、泣いてるの?」
「そっそんなわけ……カトリーヌだって目元が赤くなってるだろ?」
嬉しさのあまりなぜか泣けてくる。それがなんだか可笑しくて……俺たちは顔を見合わせると、泣きながら笑い合った。2人の声が静かな街に響き渡る……
応援ありがとうございます!
12
お気に入りに追加
365
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる