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エピローグ

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ロレッタ視点

「はぁ~ 疲れた~」
 
 私はベットにダイブをすると、大きく伸びをした。建国祭も終わり、久しぶりにバイトを再開したため、毎日が忙しくてあっという間に過ぎていく。

 ただ、以前とは違って仕事場に子供を連れていく事にした。空いた時間に様子を見に行けるし、この子たちも色んな人と関われるからいい刺激になる。一石二鳥ね。
 
 あと、予想外だったけれど、最近働く女性が増えてきた。というのも『ロレッタ妃は育児と仕事を両立していて凄い!』『私たちのお手本です!』などと言われ、彼女たちに知らぬうちに勇気を与えていたらしい。

 そのため、仕事場で女性が働きやすい様にして欲しい! とクリフトにお願いしてみたら、即答で承諾してくれた。

 バイト先で出会った女性の話や、前世の知恵を頼りに、もうすぐベビーシッターや育休が導入できそうだ。これでますます彼女達も働きやすくなる。

「さてと……次はどのバイトに行こうかしら?」

 私は机の上に溜まっている書類(求人表)を眺めながら次の仕事探しを始めた。バイトは本当に始めて良かったと思う。一緒に働く事で要望が分かるし、皆んなのモチベーションも凄く上がる。

 たまにブラック企業の様な所に当たるけど、そういう時は王妃の名前を使って改善するよう命令している。それでもダメなら強制的に辞めさせる事も出来る。こういう時に王妃って便利ね。

「そうね~ ここにしようかな?」

 興味の湧いた仕事を選んで注意事項を読んでいると、誰かが扉をノックした。

「は~い、どうぞ」

「失礼します」

 書類から顔をあげると、ユーゴが部屋に入ってきた。どことなく緊張した表情をしている。一体何かしら?

「どうしたの?」

「えっと……実は報告がありまして……」

「えっ、何? もしかしてまた命が狙われているの?」

 ユーゴが報告をしに来る時は、よくない事が起きる前兆だ。懲りもしないで私の命を狙う人がいるから、それを嗅ぎつけて報告してくれる。

「いいぞ、入って来て」
 
 ユーゴが振り返って声をかけると、カトリーヌが現れた。そして隣に来て照れくさそうに微笑む。

「ねぇ、どうしてカトリーヌがいるの?」

 ユーゴは真剣な表情で私を見つめる。張り詰めた緊張感の中、2人は手を取り合って体を寄せた。











「実は……結婚の報告がありまして……」
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