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第14章 明日を迎えるために
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緊急手術だった。
サンタの云う通り急所は外れていたとは云うものの、騎士の持つ大剣の一撃を受ければ大量の出血と内臓の損傷は避けられなかった。
皮膚、筋肉、内臓などの損傷した部分を生体交換化し大量の輸血を行う。
その手術の間中、大公たちが別室で休むように、と云うのも聞かず、羽衣とセロリは手術室の前のソファでサンタの手術が終わるのを、ずっと待っていたのだった。
やがて手術が終わり、医師が、大丈夫、命には別条がない、と告げるのを聞くと、ふたりはほっとして何度も医師に頭を下げた。
医師は、羽衣はまだしも、公女セルリアのそんな様子に、逆に面食らっておろおろとしながら、頭を上げてください、と、必死に訴えた。
その横を麻酔で眠っているサンタが運ばれ、その寝顔に浮かぶ穏やかな表情を見ると、ふたりは抱き合って今度は喜びの涙を流したのだった。
サンタが病室に運び込まれると、羽衣とセロリも一緒に病室に入りベッドの横に並んで座った。そしてふたりは飽きることなく麻酔が効いて眠っているサンタの顔を眺め続けた。
いつの間にか陽は傾き、窓の外には母星太陽の光が美しい夕焼けとなってリステリアス宮を染めていた。
「あの、羽衣?」と、セロリ。
ふと何かを思いついたように。
「何、セロリ?」
「あの、ですね。訊いてもいいですか?」
「うん。どうしたの?」
「ええと、ちょっと、訊きにくいんですけれど……」
セロリは、いつものずけずけとした彼女に似合わない歯切れの悪さで、少しだけ考え込むような仕種をしたが、心を決めたように羽衣のルビー色の瞳を見つめた。
「あのとき、サンタが倒れたときに、羽衣、云ってましたよね?」
「ん? 何を云ったっけ?」
「『もっと、キスして』って……」
「え?」
羽衣が頬を染めた。
「そんなこと、云った?」
「ええ。はっきりと。……それで、羽衣、あの、サンタと、キ、キスしたんですか?」
「えっと、うん。一回だけど」
それを聞くとセロリは、両手の拳を口許に持って行き、わなわな、と慄える。
「そ、そうだったんですか? しまった。先を越されました」
「あは」と、笑う羽衣。
セロリは真剣な表情である。
「そうですか。羽衣に先を越されましたか。そうなるとこれから逆転するにはやはり真剣に夜這いしないとなりませんね。ただ、まさか病室に夜這いする訳にも行かないですし、それはサンタがもう少し元気になってから、と、云うことになりますが。むむむ、もどかしいです」
「ええと、それは……、あたしとしては遠慮してもらいたいけどなあ」
「大丈夫です。羽衣には気づかれないようにしますから」
「でも、あたし、いつもサンタと一緒だもん」
「そうなんです。そこが一番の問題です」
セロリは真顔で腕を組み、首を左右に傾けながら、必死に作戦を考え始めた。
羽衣は笑顔を浮かべながら、そんなセロリを優しい目でじっと見つめているのだった。
それから数時間後。陽もとっぷりと暮れた頃。
ようやく麻酔から醒め、そこに座って自分を覗き込んでいる羽衣とセロリに気づくと、サンタは照れたような笑顔を見せた。
「おはよう、羽衣、セロリ。おまえたち、そこで何をしてるんだ?」
「それはずいぶんとご挨拶ですね」と、セロリ。
「だよね。せっかく心配してずっとついていたのに」と、羽衣。
そう云いながらもふたりは嬉しそうな表情でサンタを見ていた。
「ありがとう。心配かけたな……」
サンタが云いかけたとき。
「まったくやで、このボケ!」
辛辣な一言。
ユズナであった。
後ろではフタバとマミがくすくすと笑っている。
ユズナはメガネの奥から剣呑な眼差しをサンタに向けて、病室の入り口に仁王立ちしていた。
サンタがベッドの中で緊張する。彼女の剣幕に身の危険を感じつつも、今の状態では逃げるに逃げられない。
「や、やあ、ユズナ」
愛想笑いをしてみるがそんなものがユズナに通じるはずもなかった。
彼女は大股でベッド脇までくると、恐ろしい形相でサンタを見下ろす。
「このボケ!」
繰り返した。
「カス、どアホ!」
さらに被せて来る。
「心配させるな、云うたやろが。羽衣を泣かせよるわ、姫さんを泣かせよるわ、いったいどないつもりや?」
ユズナの手がサンタの額を、がしっ、とつかんだ。
「あっ!」
羽衣とセロリが、小声で叫んだ。
あの、サンタは病人なんですけど、と、ふたりの目は訴えていたが、ユズナはそんなことはお構いなしだった。
指に力を込める。
「ぐ、あ……、ユ、ユズナ、いたたたたた!」
「痛いようにやってんねん」
ぎしぎしとサンタの頭蓋骨が音を立てているようにさえ見える。
さながら20世紀の名レスラー、フリッツ・フォン・エリック直伝かと思われるようなユズナの必殺アイアンクローであった。
「おい、あんさん、このふたりにちゃんとワビ入れたんか? え? どんだけ、あんさんのこと心配しとったと思うねん? ふたりが心配してじっと手術室の前であんさんのことを待っていた間、あんさん、手術室で麻酔打ってぐうたら眠りこんどったんやろ?」
「い、いや、それは手術だから仕方ないだろ? あ、ち、力込めるな! 痛いって」
「アホ! このふたりの心の痛みは、こんなん、較べもんにならへんぞ!」
半分怒鳴り声で滅茶苦茶な台詞を云うユズナを、しかしフタバとマミはにやにや笑いながら眺めている。
「ユズナちゃんも、サンタちゃんが手術の時は心ここにあらずだったけどにゃ」
「ああ? 何や? マミ、なんか云ったか?」
「おっと、失言」
マミは笑いながらフタバと目を合わせて舌を出した。
「おい、あんさん、わかっとるのか?」
ユズナは、再びサンタに攻撃を加える。
「あんさんの云う『こだわり』とかはそんな程度のもんやったんかい?」
(『こだわり』?)
セロリは首を傾げた。
「ええか、あんさん? よく思い出しいや? ウチと別れたんもその『こだわり』のせいやなかったんか?」
(ユズナさんと別れたのも、その『こだわり』のせい?)
そこでユズナはサンタの額から手を離す。
それからかれの顔に自分の顔を近づけて睨みつけた。
「あ、ああ。その……」
サンタがしどろもどろになると、ふん、と鼻を鳴らした。
そして、あろうことか。
「あ、ユズナ!」
さすがの羽衣が声を上げた。
ユズナはジャンプ一番、手術を終えたばかりのサンタに馬乗りになった。
「わ、ユ、ユズナ、よせ。傷口が開く……」
「あほんだら!」
ベッドの上のサンタにマウントポジションになったまま、襟元をつかんで揺さぶる。
「お、おれは怪我人……」
「関係あらへんわい」
サンタの頬に往復ビンタ。それも病室中に音が響くような、強烈な奴であった。
「ううう」
サンタの呻き声。
見る見るサンタの両頬が赤みを帯びて来る。
口の端から血が流れた。口の中を切ったらしい。
「わかっとんのか? ええ?」
さらに往復ビンタ。
「ユ、ユズナ!」
「ユズナさん!」
羽衣とセロリが同時に叫ぶ。が、あまりの迫力に手が出せない。
どうしよう、とふたりが蒼白になる。
そのとき、ゆっくりとフタバがベッドの横にやってくると、相変わらずの微笑みを浮かべたままユズナの手首を握った。
「そのへんでやめないと、サンタさん、死んじゃいますよ?」
フタバの台詞にユズナの動きが止まった。
それからサンタを見下ろしてため息をつく。
「そやな。こんな奴でも、一応、客やし」
(いや、そこ?)
そこにいる全員が内心で突っ込んだ。
「まあ、いずれにしても、や」と、ユズナ。
「今度、こないなことしたら……、羽衣や姫さんを泣かすようなことがあった時は、この程度じゃ済まさへんで。よう憶えとき!」
捨て台詞のように云うと、身軽にベッドから跳び下りる。
「行くで、フタバ、マミ。長居すると病人の身体に障る」
そして、後も見ずに、大股でさっさと病室を出て行く。
「ありゃりゃ、どの口が云うんだろうにゃ」
マミが笑った。
全員が頷いた。
「サンタちゃん、じゃ、そう云う訳でにゃ。羽衣ちゃんもセロリちゃんも、サンタちゃんをよろしくにゃ」
バイバイ、と手を振り、ユズナの後を追う。
フタバは三人に向かってにこにこしながら頭を下げた。
「すみません。ユズナさんったら愛情が歪んでいて」
それからフタバも病室を出て行った。
それを茫然と見守る三人。
今のが、愛情が歪んでいて、の一言で済ませられるような場面だったのだろうか、と三人は思うのだった。
「台風みたいな奴らだな」と、サンタ。
その言葉に、羽衣が、ぷっ、と吹き出した。
「サンタ、それよりも、顔が腫れ上がって、お多福だよ」
「あ、本当です。かなり面白い顔ですね」
「いや、おまえらは、何かで冷やしてあげよう、くらいのことは思いつかないのか?」
それもそうですね、と、セロリが病室の洗面台に行き、そこにあったタオルを水に浸した。
(確かに、嵐のような方たちです。けど……)
(『こだわり』?)
(ユズナさんが云っていたサンタの『こだわり』っていったい何なんでしょうか?)
彼女はタオルを濡らしながらちらりとサンタの方を見る。
それから、その「意味のわからない」台詞の「意味」を必死に考えていた。
サンタの云う通り急所は外れていたとは云うものの、騎士の持つ大剣の一撃を受ければ大量の出血と内臓の損傷は避けられなかった。
皮膚、筋肉、内臓などの損傷した部分を生体交換化し大量の輸血を行う。
その手術の間中、大公たちが別室で休むように、と云うのも聞かず、羽衣とセロリは手術室の前のソファでサンタの手術が終わるのを、ずっと待っていたのだった。
やがて手術が終わり、医師が、大丈夫、命には別条がない、と告げるのを聞くと、ふたりはほっとして何度も医師に頭を下げた。
医師は、羽衣はまだしも、公女セルリアのそんな様子に、逆に面食らっておろおろとしながら、頭を上げてください、と、必死に訴えた。
その横を麻酔で眠っているサンタが運ばれ、その寝顔に浮かぶ穏やかな表情を見ると、ふたりは抱き合って今度は喜びの涙を流したのだった。
サンタが病室に運び込まれると、羽衣とセロリも一緒に病室に入りベッドの横に並んで座った。そしてふたりは飽きることなく麻酔が効いて眠っているサンタの顔を眺め続けた。
いつの間にか陽は傾き、窓の外には母星太陽の光が美しい夕焼けとなってリステリアス宮を染めていた。
「あの、羽衣?」と、セロリ。
ふと何かを思いついたように。
「何、セロリ?」
「あの、ですね。訊いてもいいですか?」
「うん。どうしたの?」
「ええと、ちょっと、訊きにくいんですけれど……」
セロリは、いつものずけずけとした彼女に似合わない歯切れの悪さで、少しだけ考え込むような仕種をしたが、心を決めたように羽衣のルビー色の瞳を見つめた。
「あのとき、サンタが倒れたときに、羽衣、云ってましたよね?」
「ん? 何を云ったっけ?」
「『もっと、キスして』って……」
「え?」
羽衣が頬を染めた。
「そんなこと、云った?」
「ええ。はっきりと。……それで、羽衣、あの、サンタと、キ、キスしたんですか?」
「えっと、うん。一回だけど」
それを聞くとセロリは、両手の拳を口許に持って行き、わなわな、と慄える。
「そ、そうだったんですか? しまった。先を越されました」
「あは」と、笑う羽衣。
セロリは真剣な表情である。
「そうですか。羽衣に先を越されましたか。そうなるとこれから逆転するにはやはり真剣に夜這いしないとなりませんね。ただ、まさか病室に夜這いする訳にも行かないですし、それはサンタがもう少し元気になってから、と、云うことになりますが。むむむ、もどかしいです」
「ええと、それは……、あたしとしては遠慮してもらいたいけどなあ」
「大丈夫です。羽衣には気づかれないようにしますから」
「でも、あたし、いつもサンタと一緒だもん」
「そうなんです。そこが一番の問題です」
セロリは真顔で腕を組み、首を左右に傾けながら、必死に作戦を考え始めた。
羽衣は笑顔を浮かべながら、そんなセロリを優しい目でじっと見つめているのだった。
それから数時間後。陽もとっぷりと暮れた頃。
ようやく麻酔から醒め、そこに座って自分を覗き込んでいる羽衣とセロリに気づくと、サンタは照れたような笑顔を見せた。
「おはよう、羽衣、セロリ。おまえたち、そこで何をしてるんだ?」
「それはずいぶんとご挨拶ですね」と、セロリ。
「だよね。せっかく心配してずっとついていたのに」と、羽衣。
そう云いながらもふたりは嬉しそうな表情でサンタを見ていた。
「ありがとう。心配かけたな……」
サンタが云いかけたとき。
「まったくやで、このボケ!」
辛辣な一言。
ユズナであった。
後ろではフタバとマミがくすくすと笑っている。
ユズナはメガネの奥から剣呑な眼差しをサンタに向けて、病室の入り口に仁王立ちしていた。
サンタがベッドの中で緊張する。彼女の剣幕に身の危険を感じつつも、今の状態では逃げるに逃げられない。
「や、やあ、ユズナ」
愛想笑いをしてみるがそんなものがユズナに通じるはずもなかった。
彼女は大股でベッド脇までくると、恐ろしい形相でサンタを見下ろす。
「このボケ!」
繰り返した。
「カス、どアホ!」
さらに被せて来る。
「心配させるな、云うたやろが。羽衣を泣かせよるわ、姫さんを泣かせよるわ、いったいどないつもりや?」
ユズナの手がサンタの額を、がしっ、とつかんだ。
「あっ!」
羽衣とセロリが、小声で叫んだ。
あの、サンタは病人なんですけど、と、ふたりの目は訴えていたが、ユズナはそんなことはお構いなしだった。
指に力を込める。
「ぐ、あ……、ユ、ユズナ、いたたたたた!」
「痛いようにやってんねん」
ぎしぎしとサンタの頭蓋骨が音を立てているようにさえ見える。
さながら20世紀の名レスラー、フリッツ・フォン・エリック直伝かと思われるようなユズナの必殺アイアンクローであった。
「おい、あんさん、このふたりにちゃんとワビ入れたんか? え? どんだけ、あんさんのこと心配しとったと思うねん? ふたりが心配してじっと手術室の前であんさんのことを待っていた間、あんさん、手術室で麻酔打ってぐうたら眠りこんどったんやろ?」
「い、いや、それは手術だから仕方ないだろ? あ、ち、力込めるな! 痛いって」
「アホ! このふたりの心の痛みは、こんなん、較べもんにならへんぞ!」
半分怒鳴り声で滅茶苦茶な台詞を云うユズナを、しかしフタバとマミはにやにや笑いながら眺めている。
「ユズナちゃんも、サンタちゃんが手術の時は心ここにあらずだったけどにゃ」
「ああ? 何や? マミ、なんか云ったか?」
「おっと、失言」
マミは笑いながらフタバと目を合わせて舌を出した。
「おい、あんさん、わかっとるのか?」
ユズナは、再びサンタに攻撃を加える。
「あんさんの云う『こだわり』とかはそんな程度のもんやったんかい?」
(『こだわり』?)
セロリは首を傾げた。
「ええか、あんさん? よく思い出しいや? ウチと別れたんもその『こだわり』のせいやなかったんか?」
(ユズナさんと別れたのも、その『こだわり』のせい?)
そこでユズナはサンタの額から手を離す。
それからかれの顔に自分の顔を近づけて睨みつけた。
「あ、ああ。その……」
サンタがしどろもどろになると、ふん、と鼻を鳴らした。
そして、あろうことか。
「あ、ユズナ!」
さすがの羽衣が声を上げた。
ユズナはジャンプ一番、手術を終えたばかりのサンタに馬乗りになった。
「わ、ユ、ユズナ、よせ。傷口が開く……」
「あほんだら!」
ベッドの上のサンタにマウントポジションになったまま、襟元をつかんで揺さぶる。
「お、おれは怪我人……」
「関係あらへんわい」
サンタの頬に往復ビンタ。それも病室中に音が響くような、強烈な奴であった。
「ううう」
サンタの呻き声。
見る見るサンタの両頬が赤みを帯びて来る。
口の端から血が流れた。口の中を切ったらしい。
「わかっとんのか? ええ?」
さらに往復ビンタ。
「ユ、ユズナ!」
「ユズナさん!」
羽衣とセロリが同時に叫ぶ。が、あまりの迫力に手が出せない。
どうしよう、とふたりが蒼白になる。
そのとき、ゆっくりとフタバがベッドの横にやってくると、相変わらずの微笑みを浮かべたままユズナの手首を握った。
「そのへんでやめないと、サンタさん、死んじゃいますよ?」
フタバの台詞にユズナの動きが止まった。
それからサンタを見下ろしてため息をつく。
「そやな。こんな奴でも、一応、客やし」
(いや、そこ?)
そこにいる全員が内心で突っ込んだ。
「まあ、いずれにしても、や」と、ユズナ。
「今度、こないなことしたら……、羽衣や姫さんを泣かすようなことがあった時は、この程度じゃ済まさへんで。よう憶えとき!」
捨て台詞のように云うと、身軽にベッドから跳び下りる。
「行くで、フタバ、マミ。長居すると病人の身体に障る」
そして、後も見ずに、大股でさっさと病室を出て行く。
「ありゃりゃ、どの口が云うんだろうにゃ」
マミが笑った。
全員が頷いた。
「サンタちゃん、じゃ、そう云う訳でにゃ。羽衣ちゃんもセロリちゃんも、サンタちゃんをよろしくにゃ」
バイバイ、と手を振り、ユズナの後を追う。
フタバは三人に向かってにこにこしながら頭を下げた。
「すみません。ユズナさんったら愛情が歪んでいて」
それからフタバも病室を出て行った。
それを茫然と見守る三人。
今のが、愛情が歪んでいて、の一言で済ませられるような場面だったのだろうか、と三人は思うのだった。
「台風みたいな奴らだな」と、サンタ。
その言葉に、羽衣が、ぷっ、と吹き出した。
「サンタ、それよりも、顔が腫れ上がって、お多福だよ」
「あ、本当です。かなり面白い顔ですね」
「いや、おまえらは、何かで冷やしてあげよう、くらいのことは思いつかないのか?」
それもそうですね、と、セロリが病室の洗面台に行き、そこにあったタオルを水に浸した。
(確かに、嵐のような方たちです。けど……)
(『こだわり』?)
(ユズナさんが云っていたサンタの『こだわり』っていったい何なんでしょうか?)
彼女はタオルを濡らしながらちらりとサンタの方を見る。
それから、その「意味のわからない」台詞の「意味」を必死に考えていた。
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