2 / 147
第2話
しおりを挟む
鳥の鳴き声が聞こえる。ゆっくり目を開くとそこは木々が生い茂っている、まさに密林という感じの場所だ。
「えっと確か……」
混濁した意識がゆっくりと覚醒していく。確か神様にいろいろお願いして、異世界に転生した。早い話が異世界テンプレの結果今ここに居ると理解した。
「能力チェック!」
まず目を閉じて頭の中で動画配信サイトHeyTubeをイメージする。スマホやパソコンにも初期からアプリとして入っている世界最高のサイトである、それが脳内に表示され見てみたい動画を検索し選択。すると脳内でその動画が再生された、これでまず一つ、知識の活用法は理解できた。
「次!」
体を見てみると地球とほぼ同じ感じだ、ちょっと若い気がする二十歳前後かな? サービスで貰った服はこっちの一般人の衣服なのだろうか? 黒いコートに皮のベスト、白いシャツ、長ズボンに靴という感じで出し入れ自由みたいだ。あと色も変えれるみたいなのでコートを白にしてしまっておく、色を変えたのは黒だと量産型主人公みたいで嫌だったからだ、これはせめてもの抵抗で中身はラノベお約束のチート主人公そのものだが。
「次、変身!」
体が光り、一気に視界が広く高くなった。体を見ると黒く煌めく体に赤い炎のような腹、そして鋭い爪のある五本指、筋肉質のパワーを感じる屈強な脚、そしてすべてを薙ぎ払える太く長い尻尾に巨大な赤い翼膜の翼、後頭部と鼻先には鋭い角! これぞまさにザ・ドラゴン!!
「羽の動かし方はっと……」
翼を広げると翼膜に何かが集まってくるのを感じ次第に体が浮いていく。本能的にわかる、これがマナ、風の魔法で体を浮かしているみたいだ。
「いいね!」
空を飛び、見渡す感じ大きな森の中という感じでその先は巨大な山脈となっているようだ。
「マジで辺境じゃん」
でもドラゴンになれた、これは最高過ぎる!
「……疲れた」
空を飛ぶのは結構疲労するみたいで、しばらく空を満喫していたらドッと疲れが来てしまった。飛んでいる時に川が見えたのでその近くに着陸し、そのまま川の水を飲んでみる。普通に冷たくて美味しかった。
「これからどうしようかな……」
夢の異世界転生を実現した、しかしノープランだし魔王を倒すとか目的も一切ない。どうしようかな……
「きゃーーーーー!」
イベントが来た! 悲鳴だ、とりあえずその方向に向かってみよう。
「誰かっ」
声の主は人の女性だ、どうやら熊に襲われているようだ。なんでこんなとこに居るんだろうと思ったけどピンチのようなので助けよう。
「グオォォォ!!」
咆哮を上げてみると熊は驚いたようにこっちを向いた。だがもう手遅れですよと右手で思いっきり殴りつけた。熊は勢いのまま吹き飛び、木にめり込んで動かなくなった。たぶん即死だと思う。てか爪で切り裂けばよかったんじゃないかと殴ってから思った。
「平気?」
「……」
あれ? 言葉が通じないのかな? テンプレで言語は用意されてると思ったんだけどダメだった? てかめっちゃ怯えてる?
「あっ……」
俺今ドラゴンじゃん! しかも十メートルを超える結構デカいと思う。そりゃビビるか……
「ごめん、驚かせたね。怪我はない? 大丈夫?」
人の姿に戻り、女性に手を差し伸べてみる。
「え? あ、はい……ありがとう、ございます」
手を取った女性を立たせてあげると身長は百五十ちょいかな? 水色の髪に赤い瞳が綺麗なかわいい感じの女性だった。
「どうしてこんな場所に居るの? 一人?」
「はい、今は、この森で……一人で暮らしています」
どうやら一人らしい。
「俺は、タカト。気づいたらここに居た、一応人間だと思う」
ということにしておこう! 絶対魔竜だ黒竜だとか言ったらビビられる。
「ドラゴンだと思いました……あ、私はアズハと言います。助けてくれてありがとうございました」
そういうとアズハはペコリとお辞儀してみせた。
「気づいたらドラゴンになれるようになってたんだ。何かの呪いか魔法かわからないんだ……」
ちょっと無理があるかもだけどそういうことにしておく!!
「そうなんですね……あの、よかったら一緒に来ます?」
「いいんですか?」
「はい、助けてもらったお礼もしたいですし」
生まれて初めて女性とまともに話せた! てかナンパされた! めっちゃ嬉しい!!
「あ、あの、申し訳ないんですけどちょっとお願いしてもいいですか?」
「なんでもいいですよ! 任せてください!」
今なら何でも叶えてあげたいくらい嬉しい! こんなかわいい娘にお願いされたら断れる訳がない!!
「じゃあまたさっきのドラゴンになってもらってもいいですか?」
「え?」
「えっと確か……」
混濁した意識がゆっくりと覚醒していく。確か神様にいろいろお願いして、異世界に転生した。早い話が異世界テンプレの結果今ここに居ると理解した。
「能力チェック!」
まず目を閉じて頭の中で動画配信サイトHeyTubeをイメージする。スマホやパソコンにも初期からアプリとして入っている世界最高のサイトである、それが脳内に表示され見てみたい動画を検索し選択。すると脳内でその動画が再生された、これでまず一つ、知識の活用法は理解できた。
「次!」
体を見てみると地球とほぼ同じ感じだ、ちょっと若い気がする二十歳前後かな? サービスで貰った服はこっちの一般人の衣服なのだろうか? 黒いコートに皮のベスト、白いシャツ、長ズボンに靴という感じで出し入れ自由みたいだ。あと色も変えれるみたいなのでコートを白にしてしまっておく、色を変えたのは黒だと量産型主人公みたいで嫌だったからだ、これはせめてもの抵抗で中身はラノベお約束のチート主人公そのものだが。
「次、変身!」
体が光り、一気に視界が広く高くなった。体を見ると黒く煌めく体に赤い炎のような腹、そして鋭い爪のある五本指、筋肉質のパワーを感じる屈強な脚、そしてすべてを薙ぎ払える太く長い尻尾に巨大な赤い翼膜の翼、後頭部と鼻先には鋭い角! これぞまさにザ・ドラゴン!!
「羽の動かし方はっと……」
翼を広げると翼膜に何かが集まってくるのを感じ次第に体が浮いていく。本能的にわかる、これがマナ、風の魔法で体を浮かしているみたいだ。
「いいね!」
空を飛び、見渡す感じ大きな森の中という感じでその先は巨大な山脈となっているようだ。
「マジで辺境じゃん」
でもドラゴンになれた、これは最高過ぎる!
「……疲れた」
空を飛ぶのは結構疲労するみたいで、しばらく空を満喫していたらドッと疲れが来てしまった。飛んでいる時に川が見えたのでその近くに着陸し、そのまま川の水を飲んでみる。普通に冷たくて美味しかった。
「これからどうしようかな……」
夢の異世界転生を実現した、しかしノープランだし魔王を倒すとか目的も一切ない。どうしようかな……
「きゃーーーーー!」
イベントが来た! 悲鳴だ、とりあえずその方向に向かってみよう。
「誰かっ」
声の主は人の女性だ、どうやら熊に襲われているようだ。なんでこんなとこに居るんだろうと思ったけどピンチのようなので助けよう。
「グオォォォ!!」
咆哮を上げてみると熊は驚いたようにこっちを向いた。だがもう手遅れですよと右手で思いっきり殴りつけた。熊は勢いのまま吹き飛び、木にめり込んで動かなくなった。たぶん即死だと思う。てか爪で切り裂けばよかったんじゃないかと殴ってから思った。
「平気?」
「……」
あれ? 言葉が通じないのかな? テンプレで言語は用意されてると思ったんだけどダメだった? てかめっちゃ怯えてる?
「あっ……」
俺今ドラゴンじゃん! しかも十メートルを超える結構デカいと思う。そりゃビビるか……
「ごめん、驚かせたね。怪我はない? 大丈夫?」
人の姿に戻り、女性に手を差し伸べてみる。
「え? あ、はい……ありがとう、ございます」
手を取った女性を立たせてあげると身長は百五十ちょいかな? 水色の髪に赤い瞳が綺麗なかわいい感じの女性だった。
「どうしてこんな場所に居るの? 一人?」
「はい、今は、この森で……一人で暮らしています」
どうやら一人らしい。
「俺は、タカト。気づいたらここに居た、一応人間だと思う」
ということにしておこう! 絶対魔竜だ黒竜だとか言ったらビビられる。
「ドラゴンだと思いました……あ、私はアズハと言います。助けてくれてありがとうございました」
そういうとアズハはペコリとお辞儀してみせた。
「気づいたらドラゴンになれるようになってたんだ。何かの呪いか魔法かわからないんだ……」
ちょっと無理があるかもだけどそういうことにしておく!!
「そうなんですね……あの、よかったら一緒に来ます?」
「いいんですか?」
「はい、助けてもらったお礼もしたいですし」
生まれて初めて女性とまともに話せた! てかナンパされた! めっちゃ嬉しい!!
「あ、あの、申し訳ないんですけどちょっとお願いしてもいいですか?」
「なんでもいいですよ! 任せてください!」
今なら何でも叶えてあげたいくらい嬉しい! こんなかわいい娘にお願いされたら断れる訳がない!!
「じゃあまたさっきのドラゴンになってもらってもいいですか?」
「え?」
24
お気に入りに追加
924
あなたにおすすめの小説
異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが
倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、
どちらが良い?……ですか。」
「異世界転生で。」
即答。
転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。
なろうにも数話遅れてますが投稿しております。
誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。
自分でも見直しますが、ご協力お願いします。
感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
異世界でゆるゆるスローライフ!~小さな波乱とチートを添えて~
イノナかノかワズ
ファンタジー
助けて、刺されて、死亡した主人公。神様に会ったりなんやかんやあったけど、社畜だった前世から一転、ゆるいスローライフを送る……筈であるが、そこは知識チートと能力チートを持った主人公。波乱に巻き込まれたりしそうになるが、そこはのんびり暮らしたいと持っている主人公。波乱に逆らい、世界に名が知れ渡ることはなくなり、知る人ぞ知る感じに収まる。まぁ、それは置いといて、主人公の新たな人生は、温かな家族とのんびりした自然、そしてちょっとした研究生活が彩りを与え、幸せに溢れています。
*話はとてもゆっくりに進みます。また、序盤はややこしい設定が多々あるので、流しても構いません。
*他の小説や漫画、ゲームの影響が見え隠れします。作者の願望も見え隠れします。ご了承下さい。
*頑張って週一で投稿しますが、基本不定期です。
*無断転載、無断翻訳を禁止します。
小説家になろうにて先行公開中です。主にそっちを優先して投稿します。
カクヨムにても公開しています。
更新は不定期です。
せっかく異世界に転生できたんだから、急いで生きる必要なんてないよね?ー明日も俺はスローなライフを謳歌したいー
ジミー凌我
ファンタジー
日夜仕事に追われ続ける日常を毎日毎日繰り返していた。
仕事仕事の毎日、明日も明後日も仕事を積みたくないと生き急いでいた。
そんな俺はいつしか過労で倒れてしまった。
そのまま死んだ俺は、異世界に転生していた。
忙しすぎてうわさでしか聞いたことがないが、これが異世界転生というものなのだろう。
生き急いで死んでしまったんだ。俺はこの世界ではゆっくりと生きていきたいと思った。
ただ、この世界にはモンスターも魔王もいるみたい。
この世界で最初に出会ったクレハという女の子は、細かいことは気にしない自由奔放な可愛らしい子で、俺を助けてくれた。
冒険者としてゆったり生計を立てていこうと思ったら、以外と儲かる仕事だったからこれは楽な人生が始まると思った矢先。
なぜか2日目にして魔王軍の侵略に遭遇し…。
異世界に転生したのでとりあえず好き勝手生きる事にしました
おすし
ファンタジー
買い物の帰り道、神の争いに巻き込まれ命を落とした高校生・桐生 蓮。お詫びとして、神の加護を受け異世界の貴族の次男として転生するが、転生した身はとんでもない加護を受けていて?!転生前のアニメの知識を使い、2度目の人生を好きに生きる少年の王道物語。
※バトル・ほのぼの・街づくり・アホ・ハッピー・シリアス等色々ありです。頭空っぽにして読めるかもです。
※作者は初心者で初投稿なので、優しい目で見てやってください(´・ω・)
更新はめっちゃ不定期です。
※他の作品出すのいや!というかたは、回れ右の方がいいかもです。
クラス転移で裏切られた「無」職の俺は世界を変える
ジャック
ファンタジー
私立三界高校2年3組において司馬は孤立する。このクラスにおいて王角龍騎というリーダーシップのあるイケメンと学園2大美女と呼ばれる住野桜と清水桃花が居るクラスであった。司馬に唯一話しかけるのが桜であり、クラスはそれを疎ましく思っていた。そんなある日クラスが異世界のラクル帝国へ転生してしまう。勇者、賢者、聖女、剣聖、など強い職業がクラスで選ばれる中司馬は無であり、属性も無であった。1人弱い中帝国で過ごす。そんなある日、八大ダンジョンと呼ばれるラギルダンジョンに挑む。そこで、帝国となかまに裏切りを受け─
これは、全てに絶望したこの世界で唯一の「無」職の少年がどん底からはい上がり、世界を変えるまでの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
カクヨム様、小説家になろう様にも連載させてもらっています。
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる