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76 皇女は呼ぶ

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 ミシェルの言葉に、セレスティアは麗しい笑みを浮かべた。

「………ミシェルはいつでも頼り甲斐があってかっこいいよ」
「!?」

 顔を少しだけ赤く染めて横を向きながら言ったセレスティアの言葉に、ミシェルは耳まで赤く染めて口をぱくぱくした。

ーーばこ!!ーーがこ!!

「ふぎゃ!?」「びゃ!?」
「部屋でやれってわたくし何度も言っているわよね?あなた達のその頭の中はお花畑なのかしら、それとも空っぽ?あぁ、お飾りの可能性もあるわよね!」
((お、怒っている!!))

 満面の笑みで辛辣なことを言うアリスティアに、セレスティアとミシェルは本能的に命の危機を覚えた。

「み、ミシェル、時間が厳しくなるからそろそろ行くとしよう」
「そ、そうだね」
「へぇー、逃げるんだー」
「せ、説教の続きは、あ、後で頼む」
「分かったわ。内容をしっかりとまとめておいてあげるから楽しみにしておいて」

 笑みをなおのこと深めたアリスティアに、ミシェルはひゅっと息を呑んだが、セレスティアに腕を引かれて踵を返した。

「お手をどうぞ、我が騎士様」
「あぁ、ありがとう」

▫︎◇▫︎

「『黒曜』」
「ここに」

 セレスティアは人目のない一室にミシェルと一緒に佇んでいた。その仄暗い部屋には、1本の心もとない蝋燭の灯りと、どこかでも朗らかで微笑んでいるかのような月明かりのみが輝いていた。

「書類は?」
「作成いたしました」
「ありがとう、助かった」
「いいえ、全ては我が気のお望みのままに」

 黒い衣に包まれた性別不詳の人間はセレスティアに片膝をつき、深々と頭を垂れた。

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読んでいただきありがとうございます😊😊😊

 
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