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女装と復讐 -完結編-
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スタバから出てきた僕ら。
可愛らしく手を振り、視界から消えてゆく緋子ちゃんを見ながら、春華さんが僕に囁いた。
『スタイルも顔も、凄く綺麗な子だったね。華丘緋子ちゃん』
『はい…僕にメイクを覚えることを勧めてくれたの…実は緋子ちゃんなんです』
『あ、えっ!?そうなんだぁ!』
緋子ちゃんは《池川金魚は女装した信吾》だってことを知ってるって、春華さんに言ったけど…僕は《華丘緋子ちゃんだって、実は男性…桑野忠彦くん》ってことを…春華さんには話さなかった。
忠彦くんは緋子ちゃんのことを『女装だとは絶対言われたくない!』って言ってたから。
『どうする?…信吾くん。金魚ちゃんが女装だってバレちゃうのも、もう時間の問題…』
…そこなんだよな…あっ!
『春華さん、今ちょっと電話してもいいですか?』
『う、うん。いいよ』
僕はジーパンのポケットからスマホを取り出し、まずは…アンナさんに電話。
「もしもし。信吾くん?どうしたの?」
『あ、アンナさん!色々とマズいことに…!』
「信吾くん、まずは落ち着いて。そして順を追って一つずつ話して…」
『はい…あ、すみません…』
僕は緋子ちゃんから聞いた下村記者のこと、そして《金魚が女装だってことが、もうバレそう!》ってことと《アンナさんの美容院と金魚の関係のことまで、もう調べ始めてます!》ってことをアンナさんに話した。
「それは本当に、深刻な状況になってしまったわね…」
…やっぱり。
アンナさんは、美容院の前に怪しいレンタカーが停まっているのを、つい最近、目撃し確認していたらしい…ってことを僕に話してくれた…。
「じゃあ私のほうでも、何か良い案や対処を考えてみるわ」
『はい。お忙しいところ、すみません…』
「ううん。信吾くん謝らないで。話してくれてありがとう」
…では、次は鈴ちゃん。
鈴ちゃんはこの時間だったら…もうラジオの生放送の仕事は終わってるはずだけど…。
僕は鈴ちゃんのLINEに【金魚の《G.F.》アワードの出場は無理…秘密の全てが下村さんにバレてしまうのは、もう時間の問題です…】とだけ書き込んだ。
『…信吾くん』
不安そうに僕を見る春華さん。
『春華さん、まだ早いですが…僕、もうアパートに帰って待機してます』
『うん。じゃあまたアパートに送ってくね』
『はい。今日はご同行ありがとうございました』
…そして、色々とすみません。春華さん。
アパートに戻ってきたのは…午後1時の10分前。
春華さんは『私も帰って、ゆっくり休むね』って…。
少し疲れた様子で、春華さんは運転し帰っていった…。
簡単に昼食を済ませて、午後1時22分。
詩織にもLINEして、今日聞いて知ったことを教えてあげないと…。
…と思っていたら、先に鈴ちゃんから電話着信。
『もしもし…』
「もしもし。信吾くん…」
ほんの少しの沈黙…。
「…信吾くん、こんなこと…私、本当に私の口からは言いたくはなかったんだけど…下村さんの魔の手から逃げ続けるのも…もう限界ね…」
可愛らしく手を振り、視界から消えてゆく緋子ちゃんを見ながら、春華さんが僕に囁いた。
『スタイルも顔も、凄く綺麗な子だったね。華丘緋子ちゃん』
『はい…僕にメイクを覚えることを勧めてくれたの…実は緋子ちゃんなんです』
『あ、えっ!?そうなんだぁ!』
緋子ちゃんは《池川金魚は女装した信吾》だってことを知ってるって、春華さんに言ったけど…僕は《華丘緋子ちゃんだって、実は男性…桑野忠彦くん》ってことを…春華さんには話さなかった。
忠彦くんは緋子ちゃんのことを『女装だとは絶対言われたくない!』って言ってたから。
『どうする?…信吾くん。金魚ちゃんが女装だってバレちゃうのも、もう時間の問題…』
…そこなんだよな…あっ!
『春華さん、今ちょっと電話してもいいですか?』
『う、うん。いいよ』
僕はジーパンのポケットからスマホを取り出し、まずは…アンナさんに電話。
「もしもし。信吾くん?どうしたの?」
『あ、アンナさん!色々とマズいことに…!』
「信吾くん、まずは落ち着いて。そして順を追って一つずつ話して…」
『はい…あ、すみません…』
僕は緋子ちゃんから聞いた下村記者のこと、そして《金魚が女装だってことが、もうバレそう!》ってことと《アンナさんの美容院と金魚の関係のことまで、もう調べ始めてます!》ってことをアンナさんに話した。
「それは本当に、深刻な状況になってしまったわね…」
…やっぱり。
アンナさんは、美容院の前に怪しいレンタカーが停まっているのを、つい最近、目撃し確認していたらしい…ってことを僕に話してくれた…。
「じゃあ私のほうでも、何か良い案や対処を考えてみるわ」
『はい。お忙しいところ、すみません…』
「ううん。信吾くん謝らないで。話してくれてありがとう」
…では、次は鈴ちゃん。
鈴ちゃんはこの時間だったら…もうラジオの生放送の仕事は終わってるはずだけど…。
僕は鈴ちゃんのLINEに【金魚の《G.F.》アワードの出場は無理…秘密の全てが下村さんにバレてしまうのは、もう時間の問題です…】とだけ書き込んだ。
『…信吾くん』
不安そうに僕を見る春華さん。
『春華さん、まだ早いですが…僕、もうアパートに帰って待機してます』
『うん。じゃあまたアパートに送ってくね』
『はい。今日はご同行ありがとうございました』
…そして、色々とすみません。春華さん。
アパートに戻ってきたのは…午後1時の10分前。
春華さんは『私も帰って、ゆっくり休むね』って…。
少し疲れた様子で、春華さんは運転し帰っていった…。
簡単に昼食を済ませて、午後1時22分。
詩織にもLINEして、今日聞いて知ったことを教えてあげないと…。
…と思っていたら、先に鈴ちゃんから電話着信。
『もしもし…』
「もしもし。信吾くん…」
ほんの少しの沈黙…。
「…信吾くん、こんなこと…私、本当に私の口からは言いたくはなかったんだけど…下村さんの魔の手から逃げ続けるのも…もう限界ね…」
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