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女装と復讐 -街華編-
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今の詩織の一言が彩乃の感情を逆撫で、不愉快にさせるのに十分だったことを見て知って、詩織はとても気分良さそう。
僕にニコッと笑って見せた。
『…けどね、彩乃ちゃん。あなたが本気で怒るより先に…あなたの《皮肉った一言》が私たちを先に怒らせたんだってこと!理解しなさい!』
そして詩織は再び、彩乃を見据えてキツく睨み付ける。
『私の皮肉った一言?ふーん。そうなんだ…?』
彩乃は解ってないフリをしているのか、それとも本当に解ってないのか…。
『あなた、私たちのことを《害虫》って言ったでしょ?…まさか忘れたなんて言わないよね?』
『あー。それは《皮肉》じゃなくて《事実》ですから』
しばらく睨み合ってた詩織と彩乃。そして詩織が視線を外し、余裕あり気な笑みを彩乃に見せた。
『あーそう。でも鈴お姉さまの七光りとか優しさに《寄生虫》してるあなたに、《害虫》呼ばわりなんてされたくないわ!!』
『はーぁぁ!?お姉ちゃんに《寄生虫》してるってどういう意味よ!!』
『そのままの意味でしょ!何でも人に訊くんじゃなくて、その悪い頭も少しは使って自分で考えなさいよ!!』
『六条大学なんかに通ってる詩織ちゃんなんかより、もっと偏差値の高い良い大学に通ってる私のほうが、ずっと頭がいいわよ!それでも私の頭が悪いとか言えるの!』
…なんだか口喧嘩が、ただの《罵り合い》に発展しはじめた、詩織と彩乃…。
『まぁ…私があれこれ言ってたよって、また隠れてコソコソとお姉ちゃんに告げ口しようとか…《卑怯者》って噂も、まんざら嘘でもなさそうね…』
彩乃は、今まで冷静に黙ってその様子を見てた僕にふと気付き、今度は僕を冷たく睨んだ。
『ねーぇ。金魚ちゃんも、関係ない第三者みたいな顔して見てないで、何か言ったらどうなのよ!』
『…。』
彩乃は今度は、今まで黙ってた僕を挑発しだした。
『言うと彩乃ちゃんに言い返されて負けるから言いませーん…って、いつも詩織ちゃんと一緒に居るから《卑怯者》なところが伝染っちゃったのかな…あははは』
バカ笑いしてる彩乃。
『ねぇ、詩織って…どう卑怯なの?』
僕は堪らなく我慢ができなくなって、それを彩乃に訊いた。
『はぁ?知らないわよ。だって私は、詩織ちゃんって卑怯者だよねーって、ただそんな《ネット書き込みの噂》をちらっと見ただけだから』
嘘つけ!お前が《カラフル》を利用して、書き込みまくって言いふらしてたんだろが!
『なんだか聞いた噂では《G.F.》のスカウトデビューをとばして、楽してモデルデビューしたから卑怯者だとか…でも事実なんでしょ?違う?』
『!!』
僕は体中を小さな震えが走り、頭皮が逆立つ感覚と頭の中がカッと熱くなってくるを感じた…。
『彩乃ちゃん。それって…卑怯なの?』
『えっ?なに言ってんの?この金魚。この子も頭悪いの?楽してモデルデビューしたんだから、それは卑怯以外の何物でもないでしょ』
僕の問いにそう答えた彩乃。
『彩乃ちゃん…何も解ってない』
『解ってないのはあなたでしょ』
僕は呆れたような、残念そうな顔で彩乃を見た。
『なによ!私が何を解ってないって言うのよ!?』
僕を更にキツく睨み付ける彩乃。
『…。』
『なに黙ってんの!言いなさいよ!…私が何を解ってないのか説明しなさいよ!!金魚!!』
詩織も黙って僕を見てる…。
僕は初めて詩織と口喧嘩した日のことを思い出してた…。
もしかして…詩織もあの日のこと思い出してたり…しないか。たぶん。
僕はあの口喧嘩した日から、詩織を卑怯者だとか言う奴は、絶対に許さないって心に決めてたんだ…。
『…スカウトデビューを省かれてモデルデビューするのって…全然楽なんかじゃない。ほんとは凄く辛いことなのに…』
僕にニコッと笑って見せた。
『…けどね、彩乃ちゃん。あなたが本気で怒るより先に…あなたの《皮肉った一言》が私たちを先に怒らせたんだってこと!理解しなさい!』
そして詩織は再び、彩乃を見据えてキツく睨み付ける。
『私の皮肉った一言?ふーん。そうなんだ…?』
彩乃は解ってないフリをしているのか、それとも本当に解ってないのか…。
『あなた、私たちのことを《害虫》って言ったでしょ?…まさか忘れたなんて言わないよね?』
『あー。それは《皮肉》じゃなくて《事実》ですから』
しばらく睨み合ってた詩織と彩乃。そして詩織が視線を外し、余裕あり気な笑みを彩乃に見せた。
『あーそう。でも鈴お姉さまの七光りとか優しさに《寄生虫》してるあなたに、《害虫》呼ばわりなんてされたくないわ!!』
『はーぁぁ!?お姉ちゃんに《寄生虫》してるってどういう意味よ!!』
『そのままの意味でしょ!何でも人に訊くんじゃなくて、その悪い頭も少しは使って自分で考えなさいよ!!』
『六条大学なんかに通ってる詩織ちゃんなんかより、もっと偏差値の高い良い大学に通ってる私のほうが、ずっと頭がいいわよ!それでも私の頭が悪いとか言えるの!』
…なんだか口喧嘩が、ただの《罵り合い》に発展しはじめた、詩織と彩乃…。
『まぁ…私があれこれ言ってたよって、また隠れてコソコソとお姉ちゃんに告げ口しようとか…《卑怯者》って噂も、まんざら嘘でもなさそうね…』
彩乃は、今まで冷静に黙ってその様子を見てた僕にふと気付き、今度は僕を冷たく睨んだ。
『ねーぇ。金魚ちゃんも、関係ない第三者みたいな顔して見てないで、何か言ったらどうなのよ!』
『…。』
彩乃は今度は、今まで黙ってた僕を挑発しだした。
『言うと彩乃ちゃんに言い返されて負けるから言いませーん…って、いつも詩織ちゃんと一緒に居るから《卑怯者》なところが伝染っちゃったのかな…あははは』
バカ笑いしてる彩乃。
『ねぇ、詩織って…どう卑怯なの?』
僕は堪らなく我慢ができなくなって、それを彩乃に訊いた。
『はぁ?知らないわよ。だって私は、詩織ちゃんって卑怯者だよねーって、ただそんな《ネット書き込みの噂》をちらっと見ただけだから』
嘘つけ!お前が《カラフル》を利用して、書き込みまくって言いふらしてたんだろが!
『なんだか聞いた噂では《G.F.》のスカウトデビューをとばして、楽してモデルデビューしたから卑怯者だとか…でも事実なんでしょ?違う?』
『!!』
僕は体中を小さな震えが走り、頭皮が逆立つ感覚と頭の中がカッと熱くなってくるを感じた…。
『彩乃ちゃん。それって…卑怯なの?』
『えっ?なに言ってんの?この金魚。この子も頭悪いの?楽してモデルデビューしたんだから、それは卑怯以外の何物でもないでしょ』
僕の問いにそう答えた彩乃。
『彩乃ちゃん…何も解ってない』
『解ってないのはあなたでしょ』
僕は呆れたような、残念そうな顔で彩乃を見た。
『なによ!私が何を解ってないって言うのよ!?』
僕を更にキツく睨み付ける彩乃。
『…。』
『なに黙ってんの!言いなさいよ!…私が何を解ってないのか説明しなさいよ!!金魚!!』
詩織も黙って僕を見てる…。
僕は初めて詩織と口喧嘩した日のことを思い出してた…。
もしかして…詩織もあの日のこと思い出してたり…しないか。たぶん。
僕はあの口喧嘩した日から、詩織を卑怯者だとか言う奴は、絶対に許さないって心に決めてたんだ…。
『…スカウトデビューを省かれてモデルデビューするのって…全然楽なんかじゃない。ほんとは凄く辛いことなのに…』
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