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女装と復讐 -街華編-
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そして我慢して1時間後。
僕と樋口は映画館に…つか、アンプリエのビル内に、その《シアターフロア》はあるんだけど…無事に到着。
樋口は絡ませていた腕を解き、駆け足で自動発券機へと急いで…2人分の座席指定券を発行して、樋口は戻ってきた。そしてまた両腕を僕の腕に絡ませた。
『…やっぱり、シアターデートっていったら…あれ買わなきゃ♪』
今度は僕もぐいぐいと引っ張られ、でっかいキャラメルポップコーンを1個買い込み…赤い絨毯の敷かれた通路の一番奥の上映室へと向かう…。
あー!もう疲れたー…。
…映画の内容は、田舎者で地味な主人公の女学生が、たまたま友だちと観た映画の中のイケカワ女優に恋をし、歌唱力や演技力、美容…色々な努力を重ね、遂に本物の若手女優となり、恋をしていた女優と共演した際に愛の告白をして、ライバルだった他の俳優や男性らを出し抜き、最後は彼女とハッピーエンド…って、何この《プチ変態チックな同性恋愛サクセス洋画》は…。
そして、この変愛映画を観終わった…。
一旦、映画上映中に記憶と時間を戻して…。
隣同士に座った僕と樋口…左が僕で右に樋口。その真ん中に置いたキャラメルポップコーンも、いつの間にか無くなり…。
上映中…ポップコーンが無くなってからずっと僕の右手と樋口の左手が指を絡ませ繋がれていて、樋口の左手はぽっかぽか…っていうか、僕の右手はそれで少し汗をかくぐらい熱かったんですけど…。
『ひ…姫さま、ほら…あの主人公の女の子と綺麗な女優さん、今にもKissしそうな雰囲…あ…きゃっ♪やっぱり…しちゃ……った…♪』
うわぁぁ…。
そのまどろっこしい言い回し…ほんとに気持ち悪いんですけど…。
しかも恥ずかしそうに、ちょっと頬が紅くなって、何かを期待するような…キラキラぱっちりした目で僕を見ながら、それを言うとか…。
しないよ。僕らは。そんなの期待されても。しないしない。しないから。
シアターフロアから1階のエントランスまでエレベーターで降り、アンプリエを出た。
『なんか、軽くお腹空いちゃったなーぁ。次はマック行きましょ。姫さまぁ』
満面なニコニコ笑顔の樋口。
…えぇ?まだ樋口に振り回されるの?僕…。
もうそろそろ勘弁してよ…助けて。
『あれ…姫さまぁ。電話鳴ってないですか…?』
…えっ?
樋口は白い紙袋の中の、僕が穿いてたショートパンツのお尻のポケットから僕のスマホを取り出し、僕に手渡してくれた。
ほんとだ。確かに電話着信…アンナさんからだ。
僕は慌てて電話に出る。
『…もしもし。すみません。電話に出るのが遅くなりました』
「もしもし。金魚?大丈夫?」
全っ然大丈夫じゃないです!
こいつのせいです!
「もう午後4時を過ぎてるのに、まだ帰ってこないから…」
『?』
電話している僕を、不思議な表情でじっと見ている樋口。
『はい…はい…分かりました…』
アンナさんとの電話が終わって、ふと樋口を見ると…複雑な表情に一変した樋口が一言。
『…もう、帰らなきゃいけない時間なんですか…?』
僕は一瞬、返答に困ったけど…黙ったまま頷いた。
『じゃあ…約束だったから《カラフル》のサイト管理者のこと、教えますね…』
…やっときた!
樋口は少し俯く…。
僕と樋口は映画館に…つか、アンプリエのビル内に、その《シアターフロア》はあるんだけど…無事に到着。
樋口は絡ませていた腕を解き、駆け足で自動発券機へと急いで…2人分の座席指定券を発行して、樋口は戻ってきた。そしてまた両腕を僕の腕に絡ませた。
『…やっぱり、シアターデートっていったら…あれ買わなきゃ♪』
今度は僕もぐいぐいと引っ張られ、でっかいキャラメルポップコーンを1個買い込み…赤い絨毯の敷かれた通路の一番奥の上映室へと向かう…。
あー!もう疲れたー…。
…映画の内容は、田舎者で地味な主人公の女学生が、たまたま友だちと観た映画の中のイケカワ女優に恋をし、歌唱力や演技力、美容…色々な努力を重ね、遂に本物の若手女優となり、恋をしていた女優と共演した際に愛の告白をして、ライバルだった他の俳優や男性らを出し抜き、最後は彼女とハッピーエンド…って、何この《プチ変態チックな同性恋愛サクセス洋画》は…。
そして、この変愛映画を観終わった…。
一旦、映画上映中に記憶と時間を戻して…。
隣同士に座った僕と樋口…左が僕で右に樋口。その真ん中に置いたキャラメルポップコーンも、いつの間にか無くなり…。
上映中…ポップコーンが無くなってからずっと僕の右手と樋口の左手が指を絡ませ繋がれていて、樋口の左手はぽっかぽか…っていうか、僕の右手はそれで少し汗をかくぐらい熱かったんですけど…。
『ひ…姫さま、ほら…あの主人公の女の子と綺麗な女優さん、今にもKissしそうな雰囲…あ…きゃっ♪やっぱり…しちゃ……った…♪』
うわぁぁ…。
そのまどろっこしい言い回し…ほんとに気持ち悪いんですけど…。
しかも恥ずかしそうに、ちょっと頬が紅くなって、何かを期待するような…キラキラぱっちりした目で僕を見ながら、それを言うとか…。
しないよ。僕らは。そんなの期待されても。しないしない。しないから。
シアターフロアから1階のエントランスまでエレベーターで降り、アンプリエを出た。
『なんか、軽くお腹空いちゃったなーぁ。次はマック行きましょ。姫さまぁ』
満面なニコニコ笑顔の樋口。
…えぇ?まだ樋口に振り回されるの?僕…。
もうそろそろ勘弁してよ…助けて。
『あれ…姫さまぁ。電話鳴ってないですか…?』
…えっ?
樋口は白い紙袋の中の、僕が穿いてたショートパンツのお尻のポケットから僕のスマホを取り出し、僕に手渡してくれた。
ほんとだ。確かに電話着信…アンナさんからだ。
僕は慌てて電話に出る。
『…もしもし。すみません。電話に出るのが遅くなりました』
「もしもし。金魚?大丈夫?」
全っ然大丈夫じゃないです!
こいつのせいです!
「もう午後4時を過ぎてるのに、まだ帰ってこないから…」
『?』
電話している僕を、不思議な表情でじっと見ている樋口。
『はい…はい…分かりました…』
アンナさんとの電話が終わって、ふと樋口を見ると…複雑な表情に一変した樋口が一言。
『…もう、帰らなきゃいけない時間なんですか…?』
僕は一瞬、返答に困ったけど…黙ったまま頷いた。
『じゃあ…約束だったから《カラフル》のサイト管理者のこと、教えますね…』
…やっときた!
樋口は少し俯く…。
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