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女装と復讐 -街華編-
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やっと長い横断歩道を渡り切り、アンプリエに到着。
『絵里佳ちゃん、これからどこ行くの?』
『16階にある美味っしいカフェ・スィーツ店ですよぉ。行きましょ。姫さま』
あー。あそこか。
女の子たちが一番に向かう定番のお店《フィユタージュ》だ。
GWのおかげで、エレベーター前は並ぶ女の子たちでいっぱい。
そしてやっと降りてきたエレベーターに、ぎゅうぎゅう押されながら乗り込み、16階を目指す。
『えぇと…じゃあ私、なに頼もっかなー♪』
樋口が本当のデートのように、楽しそうにメニューを見てる。
『…。』
『あっ、これこれ!…ちょっと姫さま!このイチゴのタルト、めっちゃくちゃ美味しいんですよ!…食べます?』
ここのイチゴのタルトが美味しいのは知ってるよ。前に食べたことあるから。
一人だけハイテンションでニコニコきゃっきゃ…そんな樋口を、テーブルに頬杖をついてぼーっと眺めてる僕…金魚。
…はーぁ。あのさぁ…。
てゆうか、人前で『姫さまぁ!』って呼ぶのは止めてくれないかな…。
周りの女の子たちのチラチラ視線も気になるし。
さっきまでお店の前で25分待ち、やっと店内に入れて今ようやく、ケーキと飲み物の注文を選び中…。
『あっ、店員さーん』
樋口は、やってきたイケメン店員に…。
『あのー。イチゴのタルトを2個、モンブランケーキを2個、えっと…ブルーベリーのチーズケーキを2個。あー、あと飲み物は…冷たいミルクココアを2個でお願いしまーす!』
『はい。ではご注文を繰り返させて頂きます…』
結局…注文までも僕には何も一言も訊かず、最後まで勝手に仕切る樋口…。
ま、そろそろ諦め慣れてきたからいいけど…。
…約40分後。
僕と樋口はカフェ・スィーツ店を出た。
今度はなんだ?
まるで当然のように、自分のiPhoneをバッグから取り出し触ってる樋口絵里…?
『なっ、何してるの?絵里佳ちゃん…LINE?』
『あ、いえいえ。違います。ネットで私の見たい映画の座席、今予約入れてるんです』
…は?
今予約入れてる!?見たい映画!?
何なんだよ!この好き勝手極まりない樋口って!!
僕に何も言わず訊かず、またまた勝手に次の行動を決めてる…!
『…でも、予約を取るのが遅かったんで、上映時間に合わせて1時間くらい、暇潰ししなきゃならなくなっちゃいましたけど』
そしてまた、今でさえも『じゃあ、アンプリエの中を1時間、ぶらぶらして暇潰ししますよ。姫さまぁ』って調子…。
樋口、ほんとに《カラフル》の本物の管理人、教えてくれるんだろうか…。
このまま自分だけ楽しむだけ楽しんで、結局教えてくれないまま夕方になって『はい。ではサヨナラです♪』ってことにならないだろうか…心配。
こっちは既にリスクを負ってるんだ…っていうか、樋口と腕を絡め、寄り添い歩いているところを、たくさんの女の子たちに目撃されてる。
なんとしても、絶対に教えてもらわないと…僕がただ馬鹿を見ただけになってしまう…。
『絵里佳ちゃん、これからどこ行くの?』
『16階にある美味っしいカフェ・スィーツ店ですよぉ。行きましょ。姫さま』
あー。あそこか。
女の子たちが一番に向かう定番のお店《フィユタージュ》だ。
GWのおかげで、エレベーター前は並ぶ女の子たちでいっぱい。
そしてやっと降りてきたエレベーターに、ぎゅうぎゅう押されながら乗り込み、16階を目指す。
『えぇと…じゃあ私、なに頼もっかなー♪』
樋口が本当のデートのように、楽しそうにメニューを見てる。
『…。』
『あっ、これこれ!…ちょっと姫さま!このイチゴのタルト、めっちゃくちゃ美味しいんですよ!…食べます?』
ここのイチゴのタルトが美味しいのは知ってるよ。前に食べたことあるから。
一人だけハイテンションでニコニコきゃっきゃ…そんな樋口を、テーブルに頬杖をついてぼーっと眺めてる僕…金魚。
…はーぁ。あのさぁ…。
てゆうか、人前で『姫さまぁ!』って呼ぶのは止めてくれないかな…。
周りの女の子たちのチラチラ視線も気になるし。
さっきまでお店の前で25分待ち、やっと店内に入れて今ようやく、ケーキと飲み物の注文を選び中…。
『あっ、店員さーん』
樋口は、やってきたイケメン店員に…。
『あのー。イチゴのタルトを2個、モンブランケーキを2個、えっと…ブルーベリーのチーズケーキを2個。あー、あと飲み物は…冷たいミルクココアを2個でお願いしまーす!』
『はい。ではご注文を繰り返させて頂きます…』
結局…注文までも僕には何も一言も訊かず、最後まで勝手に仕切る樋口…。
ま、そろそろ諦め慣れてきたからいいけど…。
…約40分後。
僕と樋口はカフェ・スィーツ店を出た。
今度はなんだ?
まるで当然のように、自分のiPhoneをバッグから取り出し触ってる樋口絵里…?
『なっ、何してるの?絵里佳ちゃん…LINE?』
『あ、いえいえ。違います。ネットで私の見たい映画の座席、今予約入れてるんです』
…は?
今予約入れてる!?見たい映画!?
何なんだよ!この好き勝手極まりない樋口って!!
僕に何も言わず訊かず、またまた勝手に次の行動を決めてる…!
『…でも、予約を取るのが遅かったんで、上映時間に合わせて1時間くらい、暇潰ししなきゃならなくなっちゃいましたけど』
そしてまた、今でさえも『じゃあ、アンプリエの中を1時間、ぶらぶらして暇潰ししますよ。姫さまぁ』って調子…。
樋口、ほんとに《カラフル》の本物の管理人、教えてくれるんだろうか…。
このまま自分だけ楽しむだけ楽しんで、結局教えてくれないまま夕方になって『はい。ではサヨナラです♪』ってことにならないだろうか…心配。
こっちは既にリスクを負ってるんだ…っていうか、樋口と腕を絡め、寄り添い歩いているところを、たくさんの女の子たちに目撃されてる。
なんとしても、絶対に教えてもらわないと…僕がただ馬鹿を見ただけになってしまう…。
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