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女装と復讐 -躍動編-
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僕はもう我慢できなくなって、遂に正直に訊いてしまった。
『僕…色々見たけど、ほんと何も解らないんだ…ごめん。説明してくれないかな…』
忠彦くんは笑って頷いた。
『俺は、女装家じゃなくて…本物の女性になりたいって、本気で思ってる男の一人なんだ…』
『…えっ!?』
彼は三面鏡の前の小さな椅子に座った。
『…つい去年まで、都内の《男の娘》のお店でバイトしてた。今は…こっちに引っ越してきて、本物の女の子たちに混ざって週に3日、夜働いてる』
《夜の接客業》以外にもお昼は普通に男性として週に2日、ここから少し離れた街にあるコンビニで、お昼にバイトしてるんだとか。
夜のほうのお店では…忠彦くんは《18歳以上です》と、年齢を誤魔化して働いてるという。
『…けど、お店に側も本当は18歳未満だって、感づいてるだろうと思うんだ…』
『…。』
彼は本物の男だけど、普通に女の子の姿となって働いてる。
僕だって女装はしてるけど…彼とは目的も、たぶんきっかけも…何もかも全てが違う…。
『俺には夢があるんだ。お金をいっぱい貯めて、タイで本物の、綺麗な女の子になりたい…!』
『!!』
僕は忠彦くんが、僕より歳下だとは信じられなくなってきた…。
だってさ、もう働いてるし…普通《女性に性転換したい》なんてことをさぁ、17歳の男子がだよ?さらりと言っ…こんなもんなの?近頃の17歳って…?
『もしかして忠彦くん…あの《男子として生まれてきたけど、実は男子が好き》とかって言…』
『はぁ?何言ってんの?信吾くん。全然違うよ』
えっ?違う?って…じゃあどういうこと!?…また即答で返ってきたけど…。
『俺は…《俺の女の顔》…緋子が大好きなんだ』
『んー……ん?』
僕のはっきりしない反応に、少しがっかり顔を見せる忠彦くん。
『じゃあ…分かった。俺の女顔見せるよ。そのほうが話が早いから』
『で…できるの!?忠彦くん…メイク!?』
忠彦くんは僕を見た…更に冷めた目で…。
手作り三面鏡…メイク解説書…たくさんの化粧道具…これだけ揃ってんのに、忠彦くんがメイクできないわけ…なのに、僕ときたら…。
『信吾くんだって女装してんのに…まさかね…自分ではメイクできないとか…言わないよねぇ…?』
『ぇ…えぇぇ…!』
ガーン。
…彼は三面鏡の台の上に必要な化粧品道具を並べ、丁寧に丁寧にメイクをしながら、僕に語り掛けてきた。
『俺が…《緋子》が好きだと目覚めたのは小6の夏。11歳歳上の従姉弟の姉ちゃんと、家ん中で走り回って、ふざけて追いかけっこしてて…油断した俺が捕まって…姉ちゃんが罰ゲームだよって、俺に女のメイクしてきたのがきっかけで…』
…そうなんだ。
『…初めて鏡で自分の女顔を見たとき…俺は全身が震えたよ。スゲー綺麗ぇ!!…って』
…んー…んん?
ちょっ、今の話…僕が初めてアンナさんにメイクして貰って、僕がその女装メイクした顔を見た、あのときのエピソードに似てない…?
『僕…色々見たけど、ほんと何も解らないんだ…ごめん。説明してくれないかな…』
忠彦くんは笑って頷いた。
『俺は、女装家じゃなくて…本物の女性になりたいって、本気で思ってる男の一人なんだ…』
『…えっ!?』
彼は三面鏡の前の小さな椅子に座った。
『…つい去年まで、都内の《男の娘》のお店でバイトしてた。今は…こっちに引っ越してきて、本物の女の子たちに混ざって週に3日、夜働いてる』
《夜の接客業》以外にもお昼は普通に男性として週に2日、ここから少し離れた街にあるコンビニで、お昼にバイトしてるんだとか。
夜のほうのお店では…忠彦くんは《18歳以上です》と、年齢を誤魔化して働いてるという。
『…けど、お店に側も本当は18歳未満だって、感づいてるだろうと思うんだ…』
『…。』
彼は本物の男だけど、普通に女の子の姿となって働いてる。
僕だって女装はしてるけど…彼とは目的も、たぶんきっかけも…何もかも全てが違う…。
『俺には夢があるんだ。お金をいっぱい貯めて、タイで本物の、綺麗な女の子になりたい…!』
『!!』
僕は忠彦くんが、僕より歳下だとは信じられなくなってきた…。
だってさ、もう働いてるし…普通《女性に性転換したい》なんてことをさぁ、17歳の男子がだよ?さらりと言っ…こんなもんなの?近頃の17歳って…?
『もしかして忠彦くん…あの《男子として生まれてきたけど、実は男子が好き》とかって言…』
『はぁ?何言ってんの?信吾くん。全然違うよ』
えっ?違う?って…じゃあどういうこと!?…また即答で返ってきたけど…。
『俺は…《俺の女の顔》…緋子が大好きなんだ』
『んー……ん?』
僕のはっきりしない反応に、少しがっかり顔を見せる忠彦くん。
『じゃあ…分かった。俺の女顔見せるよ。そのほうが話が早いから』
『で…できるの!?忠彦くん…メイク!?』
忠彦くんは僕を見た…更に冷めた目で…。
手作り三面鏡…メイク解説書…たくさんの化粧道具…これだけ揃ってんのに、忠彦くんがメイクできないわけ…なのに、僕ときたら…。
『信吾くんだって女装してんのに…まさかね…自分ではメイクできないとか…言わないよねぇ…?』
『ぇ…えぇぇ…!』
ガーン。
…彼は三面鏡の台の上に必要な化粧品道具を並べ、丁寧に丁寧にメイクをしながら、僕に語り掛けてきた。
『俺が…《緋子》が好きだと目覚めたのは小6の夏。11歳歳上の従姉弟の姉ちゃんと、家ん中で走り回って、ふざけて追いかけっこしてて…油断した俺が捕まって…姉ちゃんが罰ゲームだよって、俺に女のメイクしてきたのがきっかけで…』
…そうなんだ。
『…初めて鏡で自分の女顔を見たとき…俺は全身が震えたよ。スゲー綺麗ぇ!!…って』
…んー…んん?
ちょっ、今の話…僕が初めてアンナさんにメイクして貰って、僕がその女装メイクした顔を見た、あのときのエピソードに似てない…?
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