女装と復讐は街の華

木乃伊(元 ISAM-t)

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女装と復讐 -躍動編-

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この地域では超有名な《九尾稲荷大社》という大きな神社があるんだけど…そこは、あまりにも人気で人混みが尋常じゃない…ってことで、初詣は僕が提案した《岸鉾神社》に急きょ決定となった。



岸鉾神社は、僕の高校の母校である《美波県立緑川北高校》の割と近くにあって、小高い松林の山の上に建つ由緒ある神社。

…そこへ向かうアンナさんの車の中で、僕は独り考えていた…。






秋良さんは《金魚が瀬ヶ池で1番に成れるか成れないか…それはお前の悩むところじゃない。俺たちが対象しなけりゃならない問題なんだから》と言ってくれた。
詩織だって《僕らが心配しなければならないのは…金魚が実は男であることがバレないよう、気を付けることだけ》と言ってくれたけど…本当にそれでいいんだろうか…。

確かに…みんな凄く頼りになる。けど、それに甘え続けてていい?…なんてわけないよ。絶対に。

もとは僕の《女の子たちへの復讐》が発端で始まったことだ。僕だって何かを考え、もっと何か努力しないと…。
そして…最後は僕が僕自身の手で、全てを終わらせる…復讐を成し遂げたい…。





僕はちらりと、車の後部座席で僕の隣に座る詩織を見た…寝てるー。
アンナさんはアンナさんで、カーナビを頼りに黙々と運転している。





…今の僕が抱えている、解決させなきゃならない問題って…。

ひとつは万事に対する《対応力》。特にナンパ男の子たち。僕らに声を掛けて来たときの対処能力。
いつも対応上手な詩織に、結局頼り切りになってる。僕も詩織のように《カッコよく》ナンパ男たちに対処できるようになりたい…。

もうひとつは…アンナさんの言ってた《可愛さや綺麗さで勝ち負けの全てを決定付けられるわけじゃない》って言葉の意味。
僕は今だって、丹波彩乃を《脅威の対象》として忘れられないでいる。彩乃の見た目は本当に可愛い…だから《可愛いさだけ》では絶対に敵わない。

だけど、次にアンナさんが僕に提案してくれた《棄てるや意向転換するのではなくて、ほかの魅力要素を増やす…身につけること》ってアドバイス。
可愛さだけじゃなく、それに何か加味できる《魅力要素》さえ身に付けられれば…もしかしたら…丹波彩乃に勝てる…可能性…も………。






《…おーい、金魚ー…早く起きねーと唇奪っちまうぞー》

《…嫌だぁ…秋良くん》
《…秋良くん元旦から超エッチすぎー。きゃははは》

《…ばっ、春華!冗談に決まってんだろ!!そう金魚に言えば慌てて飛び起きるかと思ったんだよ!おい詩織…》

《…私の金魚ちゃんなんだから!私だけの金魚ちゃんのこの可愛い唇を!気任せに私から奪わないで!!》

《…春華…お前、問題そっちかよ…》





…………んぁ?




















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