121 / 490
女装と復讐 -発起編-
page.110
しおりを挟む
…み、見てる。間違いなく…このイケメン2人組は、詩織の後ろに立つ僕…金魚のことを見て言ってる!!
『あー!!マジで!?…あの子、めちゃくちゃ可愛いと思ったら…今《パレット》で話題んなってる…やっぱあの子か!?』
固まる詩織…その左手が、僕の右手を求めてふらふらと彷徨っている…。
僕は目の前のイケメンたちに気付かれないように右手を伸ばし…そっと優しく手を繋いだ…。
『…なぁ、後ろのお前…今噂の《瀬ヶ池の金魚》だろ…!』
『!!!!』
男の1人が詩織の肩を軽く突き飛ばし、僕の左腕を掴もうとした…!!
『金魚ッ!!』
『うん!!』
詩織と僕は一目散に《パススク81》館内に飛び込もうと駆け出し逃げた…!!
《助けて!スタッフのお姉さーん!超カッコいいイケメン2人組に僕ら、追われてまーす!!》…そう心の中で何度も叫んだ!
『ちょ…待てよお前らァァ!!』なんて叫ばれても、絶対待つもんか!!
『何してるんですか!!男性の入館は禁止です!!』
『駄目です!!入館しないでください!!』
スタッフのお姉さんたちに捕まり、必死に振り払おうと身を捩って抵抗するイケメン2人組。
『放せ!違うって!!あいつら俺らの彼女なんだよ!!なぁマジだって!!入れさせろよ!!』
『駄目です!』
『誰かー!警備員呼んでー!!』
スタッフのお姉さんたちと、あのイケメンコンビとのやり取りの声が、館内にまで届き響き渡る…。
『えっ?…なに!?』
『なになに?事件…?』
館内の女の子たちもざわざわ…と騒ぎはじめた。
僕らはサッと走るのを止め、とにかく人混みに紛れようと早足で館内を歩きに歩いた。
女の子たちで混雑する、長く延びる暗がりの通路を、2人黙って歩き進むと…《パステル・スクェア81》の中心部、だだっ広いイベント解除に出た…眩しい。
ドーム型のように中央部が緩やかに膨らんだ、強化ガラスだろう長方形の屋根を透過して、暖かい冬の日差しが会場内に注いでいる。
僕らは会場内を左斜めに向かって歩きながら、辿り着いた壁にもたれ掛かるようにして座り込んだ。
『えへへ。ほんとドキドキしたね』
『…あのイケメンたち、僕を見て…てゆうか…金魚のことを知ってた…』
『今噂の《瀬ヶ池の金魚》だって。いつの間にか、もう立派な有名人だね。きゃはははは』
…詩織は小さく手を叩きながら、1人で大爆笑してるけど、僕はさっきは《マジでヤバい!…捕まって、全てバレてしまうんじゃないか!?》と思って…血の気が引いた…。
『詩織…《G.F.アワード》の開始時刻って…午後1時だったよね?』
『うん。さっきので、なんかお腹空いちゃったね』
『あー!!マジで!?…あの子、めちゃくちゃ可愛いと思ったら…今《パレット》で話題んなってる…やっぱあの子か!?』
固まる詩織…その左手が、僕の右手を求めてふらふらと彷徨っている…。
僕は目の前のイケメンたちに気付かれないように右手を伸ばし…そっと優しく手を繋いだ…。
『…なぁ、後ろのお前…今噂の《瀬ヶ池の金魚》だろ…!』
『!!!!』
男の1人が詩織の肩を軽く突き飛ばし、僕の左腕を掴もうとした…!!
『金魚ッ!!』
『うん!!』
詩織と僕は一目散に《パススク81》館内に飛び込もうと駆け出し逃げた…!!
《助けて!スタッフのお姉さーん!超カッコいいイケメン2人組に僕ら、追われてまーす!!》…そう心の中で何度も叫んだ!
『ちょ…待てよお前らァァ!!』なんて叫ばれても、絶対待つもんか!!
『何してるんですか!!男性の入館は禁止です!!』
『駄目です!!入館しないでください!!』
スタッフのお姉さんたちに捕まり、必死に振り払おうと身を捩って抵抗するイケメン2人組。
『放せ!違うって!!あいつら俺らの彼女なんだよ!!なぁマジだって!!入れさせろよ!!』
『駄目です!』
『誰かー!警備員呼んでー!!』
スタッフのお姉さんたちと、あのイケメンコンビとのやり取りの声が、館内にまで届き響き渡る…。
『えっ?…なに!?』
『なになに?事件…?』
館内の女の子たちもざわざわ…と騒ぎはじめた。
僕らはサッと走るのを止め、とにかく人混みに紛れようと早足で館内を歩きに歩いた。
女の子たちで混雑する、長く延びる暗がりの通路を、2人黙って歩き進むと…《パステル・スクェア81》の中心部、だだっ広いイベント解除に出た…眩しい。
ドーム型のように中央部が緩やかに膨らんだ、強化ガラスだろう長方形の屋根を透過して、暖かい冬の日差しが会場内に注いでいる。
僕らは会場内を左斜めに向かって歩きながら、辿り着いた壁にもたれ掛かるようにして座り込んだ。
『えへへ。ほんとドキドキしたね』
『…あのイケメンたち、僕を見て…てゆうか…金魚のことを知ってた…』
『今噂の《瀬ヶ池の金魚》だって。いつの間にか、もう立派な有名人だね。きゃはははは』
…詩織は小さく手を叩きながら、1人で大爆笑してるけど、僕はさっきは《マジでヤバい!…捕まって、全てバレてしまうんじゃないか!?》と思って…血の気が引いた…。
『詩織…《G.F.アワード》の開始時刻って…午後1時だったよね?』
『うん。さっきので、なんかお腹空いちゃったね』
1
お気に入りに追加
23
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
女豹の恩讐『死闘!兄と妹。禁断のシュートマッチ』
コバひろ
大衆娯楽
前作 “雌蛇の罠『異性異種格闘技戦』男と女、宿命のシュートマッチ”
(全20話)の続編。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/329235482/129667563/episode/6150211
男子キックボクサーを倒したNOZOMIのその後は?
そんな女子格闘家NOZOMIに敗れ命まで落とした父の仇を討つべく、兄と娘の青春、家族愛。
格闘技を通して、ジェンダーフリー、ジェンダーレスとは?を描きたいと思います。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる