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女装と復讐 -発起編-
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赤いレンガで頑丈に造られ《嘉久見緑地公園》と記された大きな門を潜って緑地公園へと入る。レンガの門から少し進むと、すぐ両脇に建物…公園管理事務所と車両通行許可事務所が見えた。公園に立ち入ってすぐ解ったこと…それはとにかく広いこと。
緑地公園のずっと向こうには、広々とした駐車場、それに球技場やテニスコートらしき施設も見える。
歩き進むたびにすれ違う女の子たち…緑地公園内はもうお洒落な女の子でいっぱいだ。
のんびりぶらぶらと公園を歩き、《パススク81》の入館口の前へ。
『公演施設《パステル・スクェア81》への入館は本日、女性のみとなっておりまーす。男性の方の入館はご遠慮いただきますよう、ご協力をお願いしまーす!』
緑の蛍光色のウィンドブレーカーを着た、施設のスタイルらしきお姉さんが数人、入館口のガラス扉の前で、声を大きくして説明案内している。
…男性の方?
どういうことだろう?…そう思ってふと周りを見渡してようやく、その異様な光景に気付いた。高校生…大学生…一般社会人の男性らが、女の子たちに混ざってあちらこちらに居る。
1人や2人じゃない。何十人という単位でたくさん居る。まるで集団化してナンパしてるみたいに見…。
『ねぇ、君たち。2人だけで《パステル》に入るの?』
『えっ?』
その声に振り返ると…いかにも女の子にモテそうな、背の高いイケメン2人組が、僕らにも声を掛けてきていた。
『俺たちも見たいなぁ。《G.F.アワード》』
『君らとカップルだってことでさぁ、俺らも入館させてよ。いい?』
…なるほど。《男性のみの入館はダメ》だけど《カップルならOK》ってことなんだろう。たぶん。
詩織が彼らに愛想良く微笑んで、『ここは私に任せて!』と言わんばかりに僕の前に一歩出た。
『ごめんなさい。私たち…そういう、あとでトラブルになりそうな事には協力しないことに決めてるの。女の子だったら、周りにもいっぱい居るんだし…』
いつものことながら…こういう状況には落ち着いて対応できる詩織。もう慣れてるって感じ。
『なぁ、トラブルなんて絶対ならないから。頼むよ』
『2人とも可愛い顔して、そんなケチ臭いこと言わないでさぁ…』
詩織に詰め寄るイケメンコンビ。
『ダメダメダメダメ!!…私たち、ちゃんと付き合ってる彼氏いるし…ね。お願ーい。見逃してー』
『こんなこと彼氏が知ったら、私たち怒られちゃう…』って、小さく手を合わせ、可愛くお願いして見せる詩織。できるだけ好印象を損なわず、温和に解決させようと頑張ってる。
…その詩織の後ろでただ棒立ちでしかない僕…詩織に頼ってばかりで、情けない…。
それにしても…やっぱり詩織は上手いや…。
『ん?なぁ…英治、あの子…どっかで見たことないか?似てるっつーか…』
『似てる?…誰に?』
『?』
『?』
はっ!!…ま、まさか…!?
緑地公園のずっと向こうには、広々とした駐車場、それに球技場やテニスコートらしき施設も見える。
歩き進むたびにすれ違う女の子たち…緑地公園内はもうお洒落な女の子でいっぱいだ。
のんびりぶらぶらと公園を歩き、《パススク81》の入館口の前へ。
『公演施設《パステル・スクェア81》への入館は本日、女性のみとなっておりまーす。男性の方の入館はご遠慮いただきますよう、ご協力をお願いしまーす!』
緑の蛍光色のウィンドブレーカーを着た、施設のスタイルらしきお姉さんが数人、入館口のガラス扉の前で、声を大きくして説明案内している。
…男性の方?
どういうことだろう?…そう思ってふと周りを見渡してようやく、その異様な光景に気付いた。高校生…大学生…一般社会人の男性らが、女の子たちに混ざってあちらこちらに居る。
1人や2人じゃない。何十人という単位でたくさん居る。まるで集団化してナンパしてるみたいに見…。
『ねぇ、君たち。2人だけで《パステル》に入るの?』
『えっ?』
その声に振り返ると…いかにも女の子にモテそうな、背の高いイケメン2人組が、僕らにも声を掛けてきていた。
『俺たちも見たいなぁ。《G.F.アワード》』
『君らとカップルだってことでさぁ、俺らも入館させてよ。いい?』
…なるほど。《男性のみの入館はダメ》だけど《カップルならOK》ってことなんだろう。たぶん。
詩織が彼らに愛想良く微笑んで、『ここは私に任せて!』と言わんばかりに僕の前に一歩出た。
『ごめんなさい。私たち…そういう、あとでトラブルになりそうな事には協力しないことに決めてるの。女の子だったら、周りにもいっぱい居るんだし…』
いつものことながら…こういう状況には落ち着いて対応できる詩織。もう慣れてるって感じ。
『なぁ、トラブルなんて絶対ならないから。頼むよ』
『2人とも可愛い顔して、そんなケチ臭いこと言わないでさぁ…』
詩織に詰め寄るイケメンコンビ。
『ダメダメダメダメ!!…私たち、ちゃんと付き合ってる彼氏いるし…ね。お願ーい。見逃してー』
『こんなこと彼氏が知ったら、私たち怒られちゃう…』って、小さく手を合わせ、可愛くお願いして見せる詩織。できるだけ好印象を損なわず、温和に解決させようと頑張ってる。
…その詩織の後ろでただ棒立ちでしかない僕…詩織に頼ってばかりで、情けない…。
それにしても…やっぱり詩織は上手いや…。
『ん?なぁ…英治、あの子…どっかで見たことないか?似てるっつーか…』
『似てる?…誰に?』
『?』
『?』
はっ!!…ま、まさか…!?
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