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第4章 冒険 -王都編-
豹変
しおりを挟む「勝手な行動してごめんなさい」
「「…」」
俺とセレナの前で、返り血をたっぷり浴びたシェリルが頭を下げて謝っている。
そう言えば、今まで獣類と戦ったことなかったっけ? 強いて言えばホーンラビットくらいか。
それにしても、シェリルがあんな風に豹変するとは思ってもみなかったなー。まさしく獣ハンターだったな笑
「クリーン」
「えっ?」
セレナが何も言わずに血の着いた服をキレイした。
「人にはいろんな顔があってもいいじゃない。さっきのシェリルはとても楽しそうだったよ笑」
「確かに楽しそうだっただな笑。俺にとっては笑いながら狩りをする嫁が、もう1人増えてしまっただけのことだ。気にすることはないよ」
「ちょっとシーマ、もう1人って何よ?」
「えっ? セレナ気付いてないのか? セレナが弓を撃つ時、すごく楽しそう顔してるんだぞ?」
「そんなこと…ないもん」
ハハハ。
ちょっとセレナがむくれてるが、
この場の空気が少し和んだ。
「ちょっとビックリしたけど、シェリルもやりたいようにやればいいよ。俺もセレナもフォローするからさ」
「そうだよ、シェリル」
「うん…。セレナもシーマもありがとう。前からウルフとかの獣類と戦う時だけ、何故か興奮しちゃうんだよねー。ボクにも獣の血が混じってるんじゃないかなって思うくらいだよ。獣人でもないのにね」
「シェリルが獣になるのはベッドの上だけだと思ったけどな笑」
「あぁー!! シーマが酷いこと言ってるー。セレナ、今日の夜もシーマからガンガン搾り取るよ!!」
「そうね。私も獣になっちゃおうかしら笑」
やべぇー。
失言だったかな。
今夜は覚悟しておくか。
まぁ楽しいし、幸せだからいいんだけど苦笑
この辺は、フォレストウルフが多い地域なのか、その後も何回か出くわすことになった。
その度に、シェリルが爛々として突撃するもんだから、俺たちとしては楽なんだけども、いろんな意味でシェリルが心配になる。
大丈夫なのかな?
そして、いくつかの戦いを終えて、ある程度深く山に入った頃、ようやく目的のものが見つかった。
キノコだ。
あっ、この世界ではマッシュルームか笑
この辺にいたフォレストウルフは肉食だからか、結構な数が生い茂っている。
やっぱりというか、食用ではない毒キノコもあるようだが、そこは鑑定さんがちゃんと仕事をしてくれてる。
とにかく3人で鑑定を駆使して取りまくる。もっともセレナは言付けを守って薬草も取っていたが…。
でも、ココでキノコを大量に取っておくことは料理の面でもかなりプラスだ。正直、お盛んなギルド長に渡すのがもったいない。
でも理由はどうであれ、これは正式な依頼だからな、受けてしまった以上は余程のことがない限りは遂行しないといけないのだ。
ふぅー。
「「「!!」」」
いかん。
キノコ採取に夢中になり過ぎて警戒を怠ってたな。
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