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第4章 冒険 -王都編-
難しい判断
しおりを挟むサーチに何かが引っかかった。
またフォレストウルフかと思ったけど、どうも様子がおかしい。
いくつかの反応が集中してる。
しかも、1つだけ反応が濃い。
それだけ大きな魔力ということだ。
誰かがフォレストウルフと戦っているのか?
だとしたら、助けに行かないとマズいのか?
とにかくわからないことが多すぎる。
「セレナ、シェリル。サーチの反応には気付いているな? どう思う?」
俺は小声で嫁ズに声をかけた。
2人の意見を聞きたかったからだ。
「大きな魔力は人間じゃないかな? その他はわからない」
「隠密で気配を消して近づいてみようか?」
シェリルの言うように気配を消して近づくのもいいが、また豹変して飛びかかっていくかもしれないよなー。
仮に大きな反応が人間だとしても、山賊の可能性もある。山賊とフォレストウルフが戦ってるのかもしれないんだ。
いっそのこと放っておくか?
「2人はこの状況をどうしたい?」
「私は出来るだけ近づいてから判断したほうがいいと思う」
「ボクも同じだね。もし誰かが困っていたら助けたいもん」
「そっか、わかったよ。とりあえず近づいてみよう。無闇に動くなよ?」
「「わかった」」
俺たちは隠密スキルを使いながら、次々と木に隠れるようにしてサーチの反応があるほうへゆっくりと向かっていく。
キン…キン!
ドン!
ん?
剣が交わるような音と、魔法による破裂音のようなものが聞こえるな…。どうやら交戦中のようだ。
もう少し近づけば状況が分かりそうなので、ジリジリと音のするほうへと近づいていく。
「「「えっ?」」」
何と俺の目が捉えたのは人間の姿だけだった。
嫁ズも似たような反応をしてたので同じような事を思っているのだろう。
まさか、こんなところで人間同士の戦いかよ!!
でも、シェリルが飛びかかっていくような展開でないことがハッキリしたので、それだけは安心だな。
自分の心を落ち着かせてから戦況をよく見ると、人間同士で2人対7人の戦闘のようだ。
服装から察するには冒険者対山賊といった感じで、冒険者が2人で山賊が7人なのかな?
戦闘自体は少し前から始まっていたのか、山賊側らしき人間が既に何人か倒されて地べたに転がっている。
山賊の方が数的有利を保ってはいるが、冒険者が善戦しているのだろう。
ただ、鑑定したら山賊のボスはCランクのようなので、こいつらは十中八九、冒険者ギルドの不倫受付嬢クレアさんが言ってた『ソンブル』なんだと思う。
俺らが加担したところで勝てるのかな?
「あれって、もしかしてノエルさん?」
「はぁ?」
突然の思いもよらないセレナの言葉に、俺は思わず少し大きめの声をあげてしまった。
でも、確かにそう言われたら、ノエルさんのようにも見える。
っということは、剣を振っているのはクリスさんっていうことになる。
「えっ、誰それ?」
あー、シェリルは知らないんだった。
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