78 / 166
獣国編
4 登録と昇級試験
しおりを挟む灰色の髪に翠の瞳を持った2㍍ちょっとはある綺麗な女性が大剣を背中に背負ってギルドの入り口から入ってきた。
魔力を練っていたリオンに風の刃?を放ち猫受付嬢を救いリオンと親しそうに話すこの女性は誰だろう?
でも2人が話している姿を見てもこれっぽっちも嫌とか嫉妬が湧かない。なぜだろう?
「それにしてもほんと久しぶりー」
「ああ」
「さてー、それじゃあ試験しようかー」
「リア」
「え?あ、よろしくお願いします」
「よろしくねー」
そういって試験準備をし始めたヴェルレーヌさん?はゴーレムの元に行くと何か魔法陣を付与し始めた。そして完成したのか淡くゴーレムが一瞬光った後元のゴーレムになったようだけど…なんか先程の奴より強そうに感じる。
「よしー、じゃー、始めようかー」
「は、はい」
「ゴーレムゴー」
「え!?それ合図なんですか!?」
なんか力が抜けるようなスタートのかけ声でつい突っ込んでしまった。動き出したゴーレムはイメージしていたよりも早めでズシンズシンでは無くズンズンといった進み方で、小説とかにある文字を消せば止まるとかそういうのが在るか探してみたけれどそういうのは特にないようで云うなればド⚫クエに出てくるゴーレムみたいな感じのやつだった。なので、まず足元を凍らせてそこから火の玉か氷系等を当てて倒せばいいかなと思い魔力を練りそれを行う。
「凍止」
「炎矢」
無事に足元を凍らせ動けなく出来たので10本の炎の矢を造り連続で当てていく。これで終わりかな?そんな風に思った私は本当の冒険者という者を舐めていたのかもしれない、リオン達と共に旅に出て倒してきた魔物は弱いウルフもいたが時には巨大なサーベルタイガーみたいなのや巨大熊みたいなのと遭遇しリオンと共にだけれども意外と簡単に倒してこれた。
だから私は自分の魔術は強いと思い過信していたのかもしれない。
10本あったはずの炎の矢を腕だけで全て薙ぎ払い消したり殴り消したりしていた。次第に凍らせていた足元の氷も砕いていきこちらに向かってこようとする
「確か3分以内とか言っていたよね?あの受付嬢」
あの綺麗な女性が何かを付与する前に猫の受付嬢が3分以内に倒せと言っていたことを思いだし、戦い方を変えることにする
「出し惜しみしておく暇は無いよね。【凍止】、【拘束】!!」
氷で足をもう一度凍らせその上から蔦の鎖が拘束する、完全に動けなくなったのを視線に捕らえてから高密度の魔力を練り空間を圧縮していき重力にしていく、そして私はその圧縮した重力をゴーレムに向かって落とした。
「重力!!」
氷と蔦で動けなかったゴーレムはよけることなど出来るはずも無く、圧縮された重力が全体に当たり地面へと倒れ押しつぶされていく。ミシミシという軋む音とボコッと言う何かが砕けた音が響き始め氷は砕け散り、蔦は千切れ押し花のように押しつぶされた頃ゴーレムの気配が消え始めた。
グラビティに込める魔力を止めしばらくそのまま様子を見ているとヴェルレーヌさんがゴーレムへと近づいていった。そして蹴ったと思ったらゴーレムは粉々になっていく…その様子を私は唖然とみてしまった、あんな固そうなゴーレムが粉々になるとかどんな脚力してるの!?とか思ったのは仕方ないと思うの
「うんー、すごい威力だねえー軽く蹴っただけで粉々とかー」
「魔術に関してはリアの方が上だからな」
「おー、それなら納得だー、よしー決めたよー」
「ならさっさとやれ」
「相変わらずだなーリオンはー」
「黙れ」
「じゃー上来てー」
そういうとさっさと出ていってしまったヴェルレーヌさんを呆けたかおで見送っていた私は、後ろからリオンに腰を捕まれ誘導されるように前に進み始めた。
「リオン、彼女は?」
「ああ、あいつはヴェルレーヌでこの国のギルマスだ」
「え!?ギルマスなの彼女!!」
「そうだ」
「お2人ともギルマスの部屋にいきましょう」
私はリオンとセバスさんに守られるように左右に挟まれギルマスのいる部屋へと上っていった。その時受け付け前を通ったけれどそこにいた多くの女性冒険者からの嫉妬と憎悪の視線をビシビシ感じて怯んでしまったり、ゲームの獣国編でヴェルレーヌさんのようなキャラが出てくるのかを思い出すのに必死になっていた私は、この後、女性冒険者にあとで絡まれることも異世界あるあるで起こることもこのとき怯えていたり獣国編を思い出していた私は知らない
「あけるぞ」
リオンの声ではっと意識を取り戻した私はそのまま開いた扉の向こうへと案内された。そこにいたのはさっきまで一緒だったヴェルレーヌさんと白い鬣の大きな獅子がいた…
「…お前までここにいたのか」
「ガウ」
「やぁ、リオン。だそうですよ坊っちゃん」
「ガウウ?」
「ええ、先程手紙を王宮へ送っておりました」
「ガウー」
「その事も含めて話しますね」
「ガウーガウガ」
「はは、三枚に下ろすぞ小僧………マリアン様失礼しました」
入って早々何かに気付いたリオンと獅子と話し出したセバスさん、猫か同士だから通じるのかな??とそんな風に思っていたら最後、言葉が崩れて鋭く目の瞳孔を縦に細くして睨み話した後、私がいたことを思い出したのかにこやかに執事モードになったセバスさん。ちょっぴり怖かった…
「ダメだろー、リョダリー」
「リョダ…リ…?」
「リアよく分かったな、大抵の奴はリョダリーと勘違いする」
「そうー、私の番のリョダリだよー」
その言葉に衝撃を受けた、リョダリ…
リョダリ・ジル・ラフティング
この獣国ラフティング獣王国の王太子であり第2弾のメイン攻略対象だったからだ
応援ありがとうございます!
10
お気に入りに追加
4,111
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる