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試作セクサロイド※

【2】

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 父親の会社で作っていたのはラブドールだというのを由記は知っていた。それは友人に言えない事だった。とてもじゃないけど自慢する事でもないし、恥ずかしいとしかいえなかった。なぜ、それを作るようになったかといえば、出資者に唆されたと知っていた。そして莫大な借金を作ってから・・・今度は自分が改造されるというの?

 由記は全て脱ぐしかなかった。一応お風呂に入ってからバスローブ姿で措置室に来たけど、そこにいたのはロボットのような者が三人いた。

 「この人たちって・・・」

 絶句しているとスピーカーから声が聞こえてきた。父と債権者の声だった。

 「由記、その機械たちが全てを取り仕切るそうだ。お前は大人しく従えばいい」

 「そうだ、怖がらなくてもいい。一通りの実証実験が終了すれば元に戻してあげる。それは約束する。そうすれば君の父さんの借金は棒引きになるから」

 由記はしたかなく椅子に座るとバスローブを脱がされ生まれたままの姿にされた。そして三人が近寄ってきた。その三人は機械だといったが、中身は人間だとわかった。呼吸するのが分かったからだ。三人は樹脂脂のようなものを由記の全身に塗りだした。手足はもちろん、髪の毛まで摺り込んで胸や腰、そして秘部にまで指を入れていた。それには甘い声を出してしまった。その時、恋人との睦事を思い出していた。

 「あ、あーん」

 由記は切ない気持ちになっていた。全身をさすられエッチな気持ちになっていた。これから何をするんだろうと思っていると目の前にカートが運び込まれた。それはロボットの外骨格のようだった。

 「それを着せることになる。それを着たら君は実証用ラブドール三号と呼ばせてもらう」

 「三号って、まさか前にも?」

 「そう、試験用が二体いるんだ。その二体で問題点が分かったので今度は気味で実証するわけさ」

 「実証って・・・なんですか?」

 「まあ、本物の人間の男の性的欲求を満たせるかという事だ。大丈夫だろ、君は経験済みだから」

 「そうですが・・・」

 由記の心は黒い闇に覆われていくのが分かった。わたしはラブドールそのものにされると思い知らされた。
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