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第三章

132ー龍皇の盟友

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「全く、お前達と話していると全然話が進まないじゃないか」
「お父様、すみません」
「義父上、すみません」
『レオン様、暫く黙っていましょう』
『ああ、ルル。そうしよう。大人しくしておこう』

 ※『』は念話です。

「ラウ、先行させたセイバーはどうなっている?」
「はい父上、もう最北の町まで解呪完了して此方に向かっています」
「そうか、食料は足りたのか?」
「はい、マジックバッグに大量に持たせましたから大丈夫です。しかし、父上」
「ラウ、どうした?」
「これで王国全土にティシュトリアの名が広まってしまいました。それも、王家は助けてくれなかったのにティシュトリア公爵は態々助けに来てくれたと」
「まあ、良いんじゃないかしら?」
「母上」
「これで王家は滅多な事では、我が家に手出しを出来なくなったでしょうから」
「母上、実は北で第1王子殿下が派遣された兵達と、セイバー達が鉢合わせたのです」
「ラウそれで何かあったの?」
「兵達の食料が不足していた様で……」
「まあ、そうなの」
「はい、それで見かねたセイバー達が食料を分けたらしく。それを町の民達が見ていた様で、余計に噂が広まってしまいました」

 何それ? 馬鹿らしいわ。て、言うか、カッコ悪いわね。兵達かわいそう。

「ハハハ! 傑作だな! その兵達も可哀想にな!」
「あなた、笑ってはいけませんわ。食料を補充する街がないのですから、仕方ない事ですわね」
「王国の兵は1部隊に幾つかマジックバッグを持っていないのですか?」
「レオン、持っていないのよ。一つもね」
「義母上……それは不憫ですね」
「これから第1王子殿下は大変だな」
「あなた、お義父様がまた巻き込まれなければ良いのですが」
「そうだな、本当に。ラウ、それでセイバーはいつ頃戻る?」
「明日、明後日には2組共戻る筈です」
「じゃあ父上!――それまで狩りましょう!」
「ジュード、お前は……」
「父上、ルルの装備に良い魔物がいるそうですよ」
「ラウ、お前まで」
「お父様、私も討伐したいです!」
「義父上、俺もです!」
「レオン! 私は何度もお願いした筈ですよ!」
「あッ! しまった……!」
「しまったじゃありません!」
「まあ、良いではないか。討伐に行くか?」
「父上、行きましょう!」


「ジュード兄様、そっちに逃げました!」
「おうッ! 任せとけ!」

 ……て、事で北の山へ討伐に入ってます。私も馬で参加です。

「ルル、行くぞ!」
「はい! ラウ兄様! レオン様、索敵出来てませんよ!」
「ルルが早すぎるんだよ!」
「わふっ!」
「モモ、俺、頑張ってるよ!」
「わふっ、わふん!」
「いや、喋ろうよ!」
「モモー! 行くわよー!」
「わおんッ!」
「あ、モモ! 待ってくれ!」
「レオン殿下、カッコ悪いですねー!」
「ケイ、煩い!」
「モモちゃんにまで見放されましたねー!」
「あー、クソッ! ケイ、行くぞ!」
「はい、殿下!」

 ドドンッ!! と、討伐した魔物の山です。皆んながマジックバッグに入れていたのを、纏めて出してくれてます。私がすべて無限収納で預かります。
 其れにしても、凄い数だわ。だってシャーロットが呼び出した魔物もあったのよ。これはルフタがまたビックリするわね。

「ルル、スゲー数だな。どーすんだコレ?」

 レオン様です。

「帰ったらルフタの作業所に持って行くけど、直ぐには解体出来ないでしょうね。暫く私が無限収納で預かる事になるかなぁ」
「そうだな。時間経過がないからな」
「レオン様も持ってるじゃない」
「ああ、あのさルル。ルルの無限収納てさ」
「はい、何ですか?」
「いつ頃からあるんだ?」
「そうですね、レオン様が来られる前日? 位かしら?」
「マジ? そうなのか?」
「前世の記憶が戻ってからですから」
「あ、そっか」
「どうしました?」
「そのさ、無限収納に入れるだろ? そしたらさ、どうなる?」
「どうなるとは?」

 え? 何が聞きたいのか、わかんないわ。

「リスト出るだろ?」
「はい」
「入れた順?」
「いいえ、種類毎」
「やっぱそうだよなー」

 ん? 全然わかんない。

「俺、まだ入れた順にバラバラなんだよ」
「え? そうなんですか? 不便」
「そーなんだよ! 超不便!」
「モモちゃん何でなの?」
「わふ、レベルね。全体のレベルがルルより低いのよ」
「……仕方ないわね」
「ルルー!」
「だってそれは私にはどうしようもないですよ。仕方ないわ」
「わふん」
「ん? モモちゃんなあに?」
「ルル、レベル確認した?」
「あ、忘れてたわ」

 ステータス……と……!?

「ルル、どんな感じ?」

 レオン様待って……

「えっと……モモちゃん」
「カンストしてるでしょ?」
「ええ。全部」
「わふっ」
「え? えっ!? ルル全部カンストしてんの? スキルもか?」

 レオン様ビックリしてる?

「そうみたい」
「何だよそれ! 俺まだまだだぞ!」
「わふ、ルルは元々レベルが高かったから」
「モモ、なんでだよっ!?」
「レオン様、環境の違いかしら? ルルは小さい頃からコッコちゃん討伐したりしてたものね」
「モモちゃん、そうなの?」
「ルル、気付いてなかったの? だから、ルルだけじゃなくて、ティシュトリア家の人達は皆レベルが高いわ」

 知らなかったわ。全く、全然知らなかったわ。強い筈ね。

「ルル、レオン様、称号が増えてるでしょう?」
「称号……? えっ!? これは私いらない!」
「ルルー、そんな事言わないでぇ」
「だってモモ、あのイケショタよ! あり得ないわ」
「あー俺もいらねー」
「レオン様まで。神が可哀想になってきたわ。今頃ベソかいてるんじゃないかしら?」
「もう、仕方ないわねー。【神の使徒】貰ってあげるわ」
「そうだな、仕方ないな。イケショタ、頑張れよ」
「もう一つは嬉しいわ」
「そうだな」
「【龍皇の盟友】オヴィオさんくれたのね。嬉しい!」
「なんか、誇らしいよな!」
「本当に神が不憫だわ。わふ」
「ルル様! レオン殿下! お食事ですよ!」

 リアンカが呼んでるわ。

「レオン様、モモ、行きましょう」
「ああ」
「わふん」
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