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第三章
131ー真相
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「あー、ごめん」
「フフフ…… 」
「何だよ?」
「喋らなくても良いなんて便利ね」
「ハハハ、ルルは可愛いな!」
レオン様が肩を抱いてきます。
「レオン、昨日も言ったがルルはまだ私の可愛い娘だ」
ビックリしたなー! お父様、いつの間に後ろにいたの?
「お父様、何言ってるんですか? 私はずっとお父様の娘ですよ」
ガシッとお父様に抱き締められました。
「ルル! 可愛いなー! レオンはまだこうは出来ないだろぅ」
「しても構わないなら、いつでもしますよ」
「ダメだダメだ! まだダメだ!」
もう、いいから。コントじゃないんだから。
「お父様、苦しいです」
「お、すまん」
フゥ、やっと離してもらえた。
「ルル、おはよう」
「ラウ兄様、おはようございます」
「ルル、おはよう。何してんだ? 食べるぞ」
「はい、ジュード兄様!」
皆が集まっている火のそばに行きます。あー、平和ていいなー。
「わふん」
「お腹すいたのー」
「ピピー」
「………………」
レオン様と昨日の事を話した後のお父様の反応です。全部話しましたよ。ええ、全部です。
シャーロットが人間じゃない姿になった事も。
私の前世に関わっていた事も。
レオン様の前世にも関わっていた事も。
ピアがオヴィオさんを呼んでくれた事で助かった事も。
創造神がシャーロット、もとい邪神を回収して行った事も。
そして……陛下の事もです。
「じゃあ何か、邪神を呼ぶきっかけが陛下か?」
「お父様、そうらしいです」
「わふぅ、私からもお話しが」
「モモ、何だ?」
「アーデス様、皆様。邪神がカモフラージュしていたとは言え神達が見過ごしてしまっていた事、そしてその後も後手後手になってしまって皆様を危険な目に合わせてしまった事、神々は申し訳なく思っておられます。私も、力が及ばずルルやレオン様を邪神に連れ去られる様な事になってしまい、申し訳ありません」
「モモちゃん、何を言ってるの!? モモちゃんはルルの恩人よ? 私達にとっても恩人よ! いえ、モモちゃんは家族だわ! モモちゃんがいてくれて、感謝してるのよ。そんな、謝ったりしないでちょうだい」
「お母様の言う通りよ。モモは私の家族でしょ?」
「ルル、お母上有難うございます。今回ルルを守れず、私はもうルルのそばにいる資格がないと思ってました」
「モモ! 何言ってるの!? ずっと一緒って約束でしょう?」
「ルル、有難う。私もずっとルルのそばにいたいわ。いいかしら?」
「当たり前じゃない! 私の前からいなくなるなんて、許さないんだから!」
パフンとモモに抱きつきます。
「ルビもなのー」
「ピー」
「レオン殿下…… 」
場違いなケイの冷たい声が……
「……なんだよ、ケイ」
「泣いたら恥ずかしいですよ」
「泣いてねーよ!」
「ハハハ、そうだ。レオンはこの手の話に弱いんだったな」
「ジュード、うるせー」
え、レオン様そうなの? じーっと見てみる。
「だから、泣いてねーよ!」
「レオン殿下…… 」
「だからなんだよ、ケイ」
「私は殿下の前世の話など、全く存じませんが?」
「……あ」
「殿下?」
「ケイ、また後で話すよ」
「分かりました」
「まあ、兎に角話を続けていいか?」
「わふ、アーデス様。それで王国の王様の事ですが」
「ああ、モモそうだった。神は何と仰っているんだ?」
「アーデス様とお母上の婚姻の時の嫉妬と執着が度を越された様です。その心に付け込まれたのです。王様だけが悪い訳ではありません。偶々、邪神が紛れ込んでいたというタイミングも悪かったのです。普通はいくら度を越しても、そんな事で邪神に取り込まれる等ありえません。今回の事は悪い事が重なっているのです。しかし、既に邪神に魂を半分喰われてしまわれた様です。このままこの世界に存在する事は出来ません。神が早々に回収なさる事になりました。近々、ご病気が見つかり他界される事になるでしょう。神はそれを待たずに第1王子殿下に譲位させるようにと仰っていました。しかし必ずしもそれを守る必要はありません」
「モモ、守る必要がないのか?」
「はい、アーデス様。人間界の事ですから。人間が選択して決めて良いのです」
「しかし、その事が無くても早々に譲位させる必要があると、父上は仰っておられた。モモ、どうだろう?」
「わふ? 何でしょう?」
「その、陛下が魂を邪神に喰われていると言う事実は関係者のごく少数に、例えば父上と第1王子殿下にだけお話して、後は公表しないでおいてはダメなのだろうか?」
「アーデス様、勿論です。この様な事を公表する必要はありません。ただ、後世に教訓としては残される方が宜しいかと思います」
「そうだな。モモの言う通りだな」
「この場をお借りして、神に変わって謝罪致します。ご迷惑をお掛け致しました。申し訳ございません」
モモちゃん……
「モモ、神にお伝えしてくれ。我々はこれからも強く生きて行くとな。謝罪の必要はないぞ」
「アーデス様、有難う御座います」
「何より、なかなか楽しかったぞ」
「あなた、楽しかった等人聞きの悪い」
「あー、そうだな」
「アハハハ、父上」
「兄貴、流石父上だな」
「流石と言うか……な」
「まあ、ラウ兄様これがお父様ですね」
「ルル、そうだな」
「皆様、有難うございます」
モモちゃん! パフンとまたモモに抱きつきます。
「しかし、オヴィオさんはそんなに凄いのか」
「だからお父様、私がオヴィオさんを呼びましょうと最初から言っていたじゃないですか!?」
「いや、ルルそれは……ルルがオヴィオさんに乗りたかっただけだろう? どうせ、北までひとっ飛びとか思っていたんだろう?」
レオン様! また心を読んだわね!
「ルル様、読まなくても皆分かってますよ」
え? ユリウス、そうなの?
「はい、ルル様」
ユリウスの微笑みが嫌だわ。
「しかし、初めてオヴィオさんを間近で見たが……迫力が違うな」
「お父様、そうでしょう! とにかくカッコ良くて、頼りになるんです! あんな創造神よりも!」
「……ルル、それは皆の前では言ってはダメだ」
「レオン様だって、滅殺とか言ってたじゃないですか」
「いやいや、ルルだって飛び蹴りしたいとか思ってただろ?」
「私は思っていただけで、口にはしてません」
「ちょっと、レオン、ルル」
「はい、お母様」
「貴方達、創造神様にそんな事を言ったのかしら?」
「……え、あれ?」
『レオン様、不味いわ』
『ああ、かなり不味いな』
「わふぅ」
「……貴方達は二人揃って! 何で不敬な事を!」
「お母様……すみません」
「義母上、すみません!」
でも、お母様だって絶対に怒ると思うわ。
「ルル……!」
「はいッ! お母様! すみません」
怖いわ! 大人しく謝っておこう。
「フフフ…… 」
「何だよ?」
「喋らなくても良いなんて便利ね」
「ハハハ、ルルは可愛いな!」
レオン様が肩を抱いてきます。
「レオン、昨日も言ったがルルはまだ私の可愛い娘だ」
ビックリしたなー! お父様、いつの間に後ろにいたの?
「お父様、何言ってるんですか? 私はずっとお父様の娘ですよ」
ガシッとお父様に抱き締められました。
「ルル! 可愛いなー! レオンはまだこうは出来ないだろぅ」
「しても構わないなら、いつでもしますよ」
「ダメだダメだ! まだダメだ!」
もう、いいから。コントじゃないんだから。
「お父様、苦しいです」
「お、すまん」
フゥ、やっと離してもらえた。
「ルル、おはよう」
「ラウ兄様、おはようございます」
「ルル、おはよう。何してんだ? 食べるぞ」
「はい、ジュード兄様!」
皆が集まっている火のそばに行きます。あー、平和ていいなー。
「わふん」
「お腹すいたのー」
「ピピー」
「………………」
レオン様と昨日の事を話した後のお父様の反応です。全部話しましたよ。ええ、全部です。
シャーロットが人間じゃない姿になった事も。
私の前世に関わっていた事も。
レオン様の前世にも関わっていた事も。
ピアがオヴィオさんを呼んでくれた事で助かった事も。
創造神がシャーロット、もとい邪神を回収して行った事も。
そして……陛下の事もです。
「じゃあ何か、邪神を呼ぶきっかけが陛下か?」
「お父様、そうらしいです」
「わふぅ、私からもお話しが」
「モモ、何だ?」
「アーデス様、皆様。邪神がカモフラージュしていたとは言え神達が見過ごしてしまっていた事、そしてその後も後手後手になってしまって皆様を危険な目に合わせてしまった事、神々は申し訳なく思っておられます。私も、力が及ばずルルやレオン様を邪神に連れ去られる様な事になってしまい、申し訳ありません」
「モモちゃん、何を言ってるの!? モモちゃんはルルの恩人よ? 私達にとっても恩人よ! いえ、モモちゃんは家族だわ! モモちゃんがいてくれて、感謝してるのよ。そんな、謝ったりしないでちょうだい」
「お母様の言う通りよ。モモは私の家族でしょ?」
「ルル、お母上有難うございます。今回ルルを守れず、私はもうルルのそばにいる資格がないと思ってました」
「モモ! 何言ってるの!? ずっと一緒って約束でしょう?」
「ルル、有難う。私もずっとルルのそばにいたいわ。いいかしら?」
「当たり前じゃない! 私の前からいなくなるなんて、許さないんだから!」
パフンとモモに抱きつきます。
「ルビもなのー」
「ピー」
「レオン殿下…… 」
場違いなケイの冷たい声が……
「……なんだよ、ケイ」
「泣いたら恥ずかしいですよ」
「泣いてねーよ!」
「ハハハ、そうだ。レオンはこの手の話に弱いんだったな」
「ジュード、うるせー」
え、レオン様そうなの? じーっと見てみる。
「だから、泣いてねーよ!」
「レオン殿下…… 」
「だからなんだよ、ケイ」
「私は殿下の前世の話など、全く存じませんが?」
「……あ」
「殿下?」
「ケイ、また後で話すよ」
「分かりました」
「まあ、兎に角話を続けていいか?」
「わふ、アーデス様。それで王国の王様の事ですが」
「ああ、モモそうだった。神は何と仰っているんだ?」
「アーデス様とお母上の婚姻の時の嫉妬と執着が度を越された様です。その心に付け込まれたのです。王様だけが悪い訳ではありません。偶々、邪神が紛れ込んでいたというタイミングも悪かったのです。普通はいくら度を越しても、そんな事で邪神に取り込まれる等ありえません。今回の事は悪い事が重なっているのです。しかし、既に邪神に魂を半分喰われてしまわれた様です。このままこの世界に存在する事は出来ません。神が早々に回収なさる事になりました。近々、ご病気が見つかり他界される事になるでしょう。神はそれを待たずに第1王子殿下に譲位させるようにと仰っていました。しかし必ずしもそれを守る必要はありません」
「モモ、守る必要がないのか?」
「はい、アーデス様。人間界の事ですから。人間が選択して決めて良いのです」
「しかし、その事が無くても早々に譲位させる必要があると、父上は仰っておられた。モモ、どうだろう?」
「わふ? 何でしょう?」
「その、陛下が魂を邪神に喰われていると言う事実は関係者のごく少数に、例えば父上と第1王子殿下にだけお話して、後は公表しないでおいてはダメなのだろうか?」
「アーデス様、勿論です。この様な事を公表する必要はありません。ただ、後世に教訓としては残される方が宜しいかと思います」
「そうだな。モモの言う通りだな」
「この場をお借りして、神に変わって謝罪致します。ご迷惑をお掛け致しました。申し訳ございません」
モモちゃん……
「モモ、神にお伝えしてくれ。我々はこれからも強く生きて行くとな。謝罪の必要はないぞ」
「アーデス様、有難う御座います」
「何より、なかなか楽しかったぞ」
「あなた、楽しかった等人聞きの悪い」
「あー、そうだな」
「アハハハ、父上」
「兄貴、流石父上だな」
「流石と言うか……な」
「まあ、ラウ兄様これがお父様ですね」
「ルル、そうだな」
「皆様、有難うございます」
モモちゃん! パフンとまたモモに抱きつきます。
「しかし、オヴィオさんはそんなに凄いのか」
「だからお父様、私がオヴィオさんを呼びましょうと最初から言っていたじゃないですか!?」
「いや、ルルそれは……ルルがオヴィオさんに乗りたかっただけだろう? どうせ、北までひとっ飛びとか思っていたんだろう?」
レオン様! また心を読んだわね!
「ルル様、読まなくても皆分かってますよ」
え? ユリウス、そうなの?
「はい、ルル様」
ユリウスの微笑みが嫌だわ。
「しかし、初めてオヴィオさんを間近で見たが……迫力が違うな」
「お父様、そうでしょう! とにかくカッコ良くて、頼りになるんです! あんな創造神よりも!」
「……ルル、それは皆の前では言ってはダメだ」
「レオン様だって、滅殺とか言ってたじゃないですか」
「いやいや、ルルだって飛び蹴りしたいとか思ってただろ?」
「私は思っていただけで、口にはしてません」
「ちょっと、レオン、ルル」
「はい、お母様」
「貴方達、創造神様にそんな事を言ったのかしら?」
「……え、あれ?」
『レオン様、不味いわ』
『ああ、かなり不味いな』
「わふぅ」
「……貴方達は二人揃って! 何で不敬な事を!」
「お母様……すみません」
「義母上、すみません!」
でも、お母様だって絶対に怒ると思うわ。
「ルル……!」
「はいッ! お母様! すみません」
怖いわ! 大人しく謝っておこう。
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