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第三章
109ー新しい武装
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「へぇ……凄いな」
「ピー」
「レオン殿下、試着してみて下さい。あちらで……」
「おう」
「ピ?」
「ユリウス、付与はなぁに?」
「戦闘力と防御力アップと防汚に、温度調節。状態異常を70%の確率でレジストします」
「え、凄いじゃない」
「はい、ルル様とレオン殿下の無限収納と、マジックバッグのお陰で魔物の素材が豊富なんですよ。それで元々良質な素材を使っていますので付与もランクアップできました。マーリソン殿の精密な魔力操作は素晴らしいですね」
「いえいえ、ユリウス殿こそ。驚きましたよ」
「いえいえ、マーリソン殿こそ」
またやってるわ。
「どうだ? サイズはピッタリだぞ」
「うん、いいんじゃない?」
「ルル、そこは見惚れるとこだろ」
え? どこらへんが?
「もう、いいわ。可愛いから許すわ」
意味わかんない。
「動きにくい所とかはありませんか?」
「ああ、ユリウス。全くないな。こんな武装初めてだ」
「それは良かったです」
「レオン様、着替えて下さい」
「はーい。ルルってたんぱくだよね」
何がよ?
「ユリウスとマーリソン様はないの?」
「ルルーシュア様! 良くぞ聞いて下さいました!」
「マーリソン様、何かしら?」
「今回、私達にも新しい剣と武装が届いたのですよ」
「まぁ! 見せて!」
ユリウスとマーリソン様のは色はお父様達と同じ黒ですが、武装と言うよりも魔導師の衣装です。フード付きのマントもあります。
「あら、ユリウスはショートソードなの?」
「ええ。私はあまり剣は得意ではないので、護身用程度です」
「でも、ユリウスはディアナやリアンカより強かったわよね」
「まあ、妹達には負けませんよ」
「ユリウスも何でもできるんだなー。てか、リアンカも戦えるのか!?」
「あら、レオン様。うちのお邸に戦えない人なんていないわ」
「マジかー!」
「マーリソン様もショートソードなのね」
「双剣じゃないのか? あんなに強いのに」
「レオン殿下、ですから双剣は齧った程度なんですよ。ショートソードの方がまだマシです」
「げっ! あれ以上に強いのかよ! マジで俺ヤバイじゃん」
がんばれー。
「ルル、目が冷たい」
え? そんな事ないわよ。
「でも、ルル様には負けますね」
「そうですね、ルルーシュア様には勝てません」
「えっ!? でも、ルルは家族の誰にも勝てないんだろう?」
「そうよ、勝てないわ。全然、全く勝てないわ」
「………… 」
「レオン様?」
「ルル、俺頑張るよ(泣)」
「そうだ、ユリウス。セイバーの物はどうなってるの?」
「ああ、上位10名は剣も武装も新しくなっていますよ」
「それもバロールが作ってんのか?」
「いえ、そこまでは無理です。しかしバロール監修の元、指示通り作成ってとこですね。ミスリルの剣に興奮してましたよ」
「そうだろうなー。俺でもそうだったしな」
「あ、ルル様。モモちゃんとルビちゃんとピアちゃんの新しい装備です」
「わふっ?」
「ルビも?」
「ピー?」
「ええ、首輪も腕輪も戦闘を想定してませんからね。と、言ってもそれにプラスするだけなのですが」
と、言いながらユリウスが其々の首輪と腕輪に付けてくれます。
「ユリウス、付与してるんでしょ?」
「ええ、ルル様達の付与と同じですよ。ああ、状態異常は必要ないと思いまして省いています」
「わふっ、ユリウス有難う!」
「嬉しいのー!」
「ピピピュー!」
「これで出来る準備はしたか?」
「レオン様、ドラゴンがどんなものなのか全く分からないから何を準備すればいいのか分からないし、不安だわ」
「出来る事をするしかないな」
「レオン殿下の仰る通りですね。必ずしも戦闘になるとは限りませんし」
「ねえ、モモ、ユリウス。ドラゴンの好物て何かしら?」
「好物ですか? さあ? 何でしょう? モモちゃん分かりますか?」
「わふぅ」
モモは首を横に振ります。喋んないの?
「わふ」
あ、そう。
「ピアちゃんは何が好きですか?」
「ピーピピー!」
あーあれね。
「水だろ」
「わふん」
「ピ?」
聞くだけ無駄だったわ。
翌日、私はモモと一緒にイワカムに会いに厨房に来ています。
「嬢様、じゃあいつもの討伐の時みたいな感じで用意しとくッス」
「そうね。あ、後スィーツを沢山お願い。凝ったものじゃなくていいわ。うちの定番でいいからお願いできる?」
「大丈夫ッスよ。ノトスですか?」
「んー、そんな訳でもないんだけどね。なんとなくよ、なんとなく」
「そうッスか。じゃあ、明日出発前に取りにきてもらえますか?」
「ええ、分かったわ」
「モモちゃん、頼むッスよ」
「わふっ」
「イワカム?」
「聞きました。今回はドラゴンだと。嬢様、どうか無事でお帰り下さい」
「有難う。大丈夫よ。じゃあ、お願いね」
「了解ッス!」
「わふ。」
「モモちゃんなあに?」
「ルル、どうして心配してないの? 昨日は不安て言ってたわよね?」
「んー、なんでだろ? ピアかな?」
「ピア?」
「うん。ピアが全然心配してないから大丈夫かな? って」
「そうね。そうかもね」
「心配してもドラゴンには勝てないし」
「ルル」
「諦めてるのじゃないのよ。戦ったら本当に勝てないって話よ」
「そうね、人間はドラゴンには勝てないわ……普通はね」
「モモ?」
「なんでもないわ。お腹すいたわ」
「食堂に行きましょう」
「ルル、先に食べてるぞ」
「ピー」
「ええ、レオン様。構わないですよ」
「ルル、モモ食べてー」
「ピア有難う」
「ルル、新しい武装は素晴らしいな!」
「お父様、そうでしょう。ユリウスとマーリソン様も付与を頑張ってくれましたしね」
「ルル、今迄とは違うのか?」
「ラウ兄様、レベルアップしてますよ。聞いてビックリしました」
「そんなにか?」
「はい、お父様。無限収納とマジックバッグのお陰で良質な魔物素材が豊富なんだそうです」
「成る程な」
「ルル、具体的にどんな付与か教えてくれよ」
「ジュード兄様、ビックリしますよ。戦闘力と防御力アップと防汚に、温度調節。状態異常を70%の確率でレジストだそうです」
「それはまた…… 」
「ルル、お母様のも同じかしら?」
「はい、お母様。同じ付与をしてありますよ」
「やっぱりお母様も行きたいわ」
「「母上、ダメです」」
「ラウ、ジュード分かっているわよ」
「ユリウスがモモやルビとピアにも追加の魔道具を作ってくれてました」
ピアが自慢そうに腕輪を見せます。
「お、一つ増えてるな」
「カッコいいぞ」
「ピー!」
ラウ兄様とジュード兄様に褒められてピアはご機嫌です。
「ピー」
「レオン殿下、試着してみて下さい。あちらで……」
「おう」
「ピ?」
「ユリウス、付与はなぁに?」
「戦闘力と防御力アップと防汚に、温度調節。状態異常を70%の確率でレジストします」
「え、凄いじゃない」
「はい、ルル様とレオン殿下の無限収納と、マジックバッグのお陰で魔物の素材が豊富なんですよ。それで元々良質な素材を使っていますので付与もランクアップできました。マーリソン殿の精密な魔力操作は素晴らしいですね」
「いえいえ、ユリウス殿こそ。驚きましたよ」
「いえいえ、マーリソン殿こそ」
またやってるわ。
「どうだ? サイズはピッタリだぞ」
「うん、いいんじゃない?」
「ルル、そこは見惚れるとこだろ」
え? どこらへんが?
「もう、いいわ。可愛いから許すわ」
意味わかんない。
「動きにくい所とかはありませんか?」
「ああ、ユリウス。全くないな。こんな武装初めてだ」
「それは良かったです」
「レオン様、着替えて下さい」
「はーい。ルルってたんぱくだよね」
何がよ?
「ユリウスとマーリソン様はないの?」
「ルルーシュア様! 良くぞ聞いて下さいました!」
「マーリソン様、何かしら?」
「今回、私達にも新しい剣と武装が届いたのですよ」
「まぁ! 見せて!」
ユリウスとマーリソン様のは色はお父様達と同じ黒ですが、武装と言うよりも魔導師の衣装です。フード付きのマントもあります。
「あら、ユリウスはショートソードなの?」
「ええ。私はあまり剣は得意ではないので、護身用程度です」
「でも、ユリウスはディアナやリアンカより強かったわよね」
「まあ、妹達には負けませんよ」
「ユリウスも何でもできるんだなー。てか、リアンカも戦えるのか!?」
「あら、レオン様。うちのお邸に戦えない人なんていないわ」
「マジかー!」
「マーリソン様もショートソードなのね」
「双剣じゃないのか? あんなに強いのに」
「レオン殿下、ですから双剣は齧った程度なんですよ。ショートソードの方がまだマシです」
「げっ! あれ以上に強いのかよ! マジで俺ヤバイじゃん」
がんばれー。
「ルル、目が冷たい」
え? そんな事ないわよ。
「でも、ルル様には負けますね」
「そうですね、ルルーシュア様には勝てません」
「えっ!? でも、ルルは家族の誰にも勝てないんだろう?」
「そうよ、勝てないわ。全然、全く勝てないわ」
「………… 」
「レオン様?」
「ルル、俺頑張るよ(泣)」
「そうだ、ユリウス。セイバーの物はどうなってるの?」
「ああ、上位10名は剣も武装も新しくなっていますよ」
「それもバロールが作ってんのか?」
「いえ、そこまでは無理です。しかしバロール監修の元、指示通り作成ってとこですね。ミスリルの剣に興奮してましたよ」
「そうだろうなー。俺でもそうだったしな」
「あ、ルル様。モモちゃんとルビちゃんとピアちゃんの新しい装備です」
「わふっ?」
「ルビも?」
「ピー?」
「ええ、首輪も腕輪も戦闘を想定してませんからね。と、言ってもそれにプラスするだけなのですが」
と、言いながらユリウスが其々の首輪と腕輪に付けてくれます。
「ユリウス、付与してるんでしょ?」
「ええ、ルル様達の付与と同じですよ。ああ、状態異常は必要ないと思いまして省いています」
「わふっ、ユリウス有難う!」
「嬉しいのー!」
「ピピピュー!」
「これで出来る準備はしたか?」
「レオン様、ドラゴンがどんなものなのか全く分からないから何を準備すればいいのか分からないし、不安だわ」
「出来る事をするしかないな」
「レオン殿下の仰る通りですね。必ずしも戦闘になるとは限りませんし」
「ねえ、モモ、ユリウス。ドラゴンの好物て何かしら?」
「好物ですか? さあ? 何でしょう? モモちゃん分かりますか?」
「わふぅ」
モモは首を横に振ります。喋んないの?
「わふ」
あ、そう。
「ピアちゃんは何が好きですか?」
「ピーピピー!」
あーあれね。
「水だろ」
「わふん」
「ピ?」
聞くだけ無駄だったわ。
翌日、私はモモと一緒にイワカムに会いに厨房に来ています。
「嬢様、じゃあいつもの討伐の時みたいな感じで用意しとくッス」
「そうね。あ、後スィーツを沢山お願い。凝ったものじゃなくていいわ。うちの定番でいいからお願いできる?」
「大丈夫ッスよ。ノトスですか?」
「んー、そんな訳でもないんだけどね。なんとなくよ、なんとなく」
「そうッスか。じゃあ、明日出発前に取りにきてもらえますか?」
「ええ、分かったわ」
「モモちゃん、頼むッスよ」
「わふっ」
「イワカム?」
「聞きました。今回はドラゴンだと。嬢様、どうか無事でお帰り下さい」
「有難う。大丈夫よ。じゃあ、お願いね」
「了解ッス!」
「わふ。」
「モモちゃんなあに?」
「ルル、どうして心配してないの? 昨日は不安て言ってたわよね?」
「んー、なんでだろ? ピアかな?」
「ピア?」
「うん。ピアが全然心配してないから大丈夫かな? って」
「そうね。そうかもね」
「心配してもドラゴンには勝てないし」
「ルル」
「諦めてるのじゃないのよ。戦ったら本当に勝てないって話よ」
「そうね、人間はドラゴンには勝てないわ……普通はね」
「モモ?」
「なんでもないわ。お腹すいたわ」
「食堂に行きましょう」
「ルル、先に食べてるぞ」
「ピー」
「ええ、レオン様。構わないですよ」
「ルル、モモ食べてー」
「ピア有難う」
「ルル、新しい武装は素晴らしいな!」
「お父様、そうでしょう。ユリウスとマーリソン様も付与を頑張ってくれましたしね」
「ルル、今迄とは違うのか?」
「ラウ兄様、レベルアップしてますよ。聞いてビックリしました」
「そんなにか?」
「はい、お父様。無限収納とマジックバッグのお陰で良質な魔物素材が豊富なんだそうです」
「成る程な」
「ルル、具体的にどんな付与か教えてくれよ」
「ジュード兄様、ビックリしますよ。戦闘力と防御力アップと防汚に、温度調節。状態異常を70%の確率でレジストだそうです」
「それはまた…… 」
「ルル、お母様のも同じかしら?」
「はい、お母様。同じ付与をしてありますよ」
「やっぱりお母様も行きたいわ」
「「母上、ダメです」」
「ラウ、ジュード分かっているわよ」
「ユリウスがモモやルビとピアにも追加の魔道具を作ってくれてました」
ピアが自慢そうに腕輪を見せます。
「お、一つ増えてるな」
「カッコいいぞ」
「ピー!」
ラウ兄様とジュード兄様に褒められてピアはご機嫌です。
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