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第二章
100ーピアの歌
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「アーデス、早々にアレイ・モルドレッドの邸を捜索せねばなるまい」
「はい、父上。これ以上、操られてはなりません」
そっちはお祖父様とお父様に任せましょう。私はと言うと……
「ユリウス、どうかしら?」
通信できる設置型の魔道具を試作している部屋に戻ってきました。
「丁度良かったです。ルル様に魔力を通して頂きたかったのです。この本体の魔石に流す感じでお願いします」
「分かったわ。もしかして、もう完成なのかしら?」
「ルル様の魔力を貯めてから動作確認をしたいのです。両方にお願いします」
「分かったわ」
ユリウスとマーリソン様が作り上げた、所謂動画で通信出来る魔道具です。一見シンプルな普通の鏡に出来上がっていました。鏡ときたら、一番綺麗なのはだあれ?て、童話みたいに言いたくなるじゃない。言わないけど。
鏡の台座部分が本体になります。そこに手を当て魔力を流します。
「おお! 早い! なんと素晴らしい!」
マーリソン様、通常運転に戻りましたね。複雑でしょうに。強いお方です。うぅっ、涙が出そうよ。
「ユリウス、こんなもんかしら?」
魔力を流すと台座につけられていた赤い魔石が、少しずつ鮮やかなブルーに変わっていきました。
「はい、ルル様。ではもう一つの方にもお願いします」
「分かったわ」
はいはい、魔力を流す位させて頂きますよ。今回は丸投げだったしね。また同じ様な台座の部分に手を当て魔力を流します。
「はい、いい感じですね。隣の部屋に分かれて試してみましょう」
ユリウスが片方を持って隣の部屋に移動します。暫くして、魔道具が光りました。光ったら着信の合図ですね。台座に触れながら応答します。
「ルル様、如何でしょう?」
鏡が変化してユリウスが映ってます。しっかり声もクリアに聞こえます。
「ユリウス、完璧よ!」
「はい! 素晴らしいです!」
「こちらも異常なしです。では、戻ります」
「ルルーシュア様、素晴らしいです!」
「作ったのはユリウスとマーリソン様じゃない。私は何もしていないわ」
「いえいえ、何を仰いますか! ルルーシュア様とレオン様のアイデアが無ければ、思い付きもしませんでした!」
ユリウスが戻ってきました。
「これで皆様にご説明しましょう」
「ユリウス殿、また新しい魔道具を開発致しましたね! 素晴らしい!」
「いえいえ、マーリソン殿のお陰ですよ」
「いえいえ、ユリウス殿の魔道具作成能力には敵いません」
「いえいえ、マーリソン殿こそ」
あれ? デジャヴ? また同じ事やってるわ。この二人、きっと気が合うのね。
「ユリウス、マーリソン様。皆にお披露目しましょう」
早速、サロンに集まってもらいました。
「ルル、完成したのか!」
「ピピ!」
ピアの相槌が入るのはレオン様です。ユリウスお願い。
「皆様、ご説明致します。これは離れた所に映像と音声を同時に届ける魔道具です。こちらのお邸と、ティシュトリア家のお邸へ設置する為に開発しました」
「ユリウス、詳しく頼む」
「はい、アーデス様。この鏡の台座の部分に手を置いて魔力を流して頂きます。するともう片方の台座に設置してある魔石が光ります。それが合図です。そしたら此方も台座に手を置いて魔力を流して下さい。すると、鏡の部分にお相手が映し出されます。それで話せます。実際にやってみましょう。では、私は隣の部屋にいきます」
と、ユリウスが部屋を出て行きます。
台座が光りました。
「お祖父様、台座に手を置いてほんの少し魔力を流して下さい」
私はお祖父様にそう説明しました。
「ルル、こうか?」
鏡にユリウスの姿が映し出されます。
「如何でしょう? お話できますか?」
「おおー、ユリウスちゃんと映ってる! 声も聞こえるぞ!」
「では、一度手を離して終了しましょう。次はそちらから魔力を流してみて下さい」
お祖父様が手を離されると、鏡からユリウスの姿が消えます。
「お祖父様、また手を置いて魔力を流して下さい」
「よし、ルルわかったぞ」
お祖父様が魔力を流すと、直ぐにユリウスが応答し姿が映し出されました。
「おお! 素晴らしいな!」
ユリウスが部屋に戻って来ました。
「これで、ティシュトリアといつでも連絡がとれます。何日もかけて文を運ぶ必要はありませんね」
「ユリウス、素晴らしい!」
お祖父様、絶賛です。
「この台座に魔石が取付けてあります。そこに魔力を貯める形にしてあります。ですので、ごく少ない魔力で作動しますので何方でも使用できるかと。ただ、台座に魔力を補充する事を忘れない様にして下さい。補充する場合は台座に手を添えて魔力を流して下さい。台座に貯めてある魔力が少なくなると、此方に取付けてある魔石が赤くなります。今はルル様が補充して下さってますので、暫く必要ないでしょう」
「素晴らしい! アーデス、ユリウスは凄いな!」
「父上、有難うございます」
「モーガン様ありがとうございます。しかし、この魔道具は私だけでなくルル様とレオン殿下、マーリソン殿のお力です」
「んー、でもなぁ…… 」
「レオン様、どうされました?」
「いや、光るだけでなくてさ、呼び出し音みたいなのがあったら、気付き易いと思わないか?」
やだレオン様。ウッカリしていたわ。
「ユリウス」
「ルル様」
「改良しましょう」
「はい、そうしましょう」
それから、何方かが魔道具を操作するとお知らせする音を追加しました。その音が、ピアのヘンテコな調子っ外れの歌声? になりました。何故かって? それは伯母様が……
「モモちゃんかルビちゃんかピアちゃんの鳴き声じゃないと嫌!!」
と、言い出したのです。
モモは当然……
「そんなの絶対に嫌」
ルビは……
「鳴かないの」
と、拒否しました。
ピアは何故か超ノリノリで、しかも振付きで歌ってました。では! 今回特別にそのピアの歌声をご披露しましょう。どうぞ!
「ピーピュピュッピュッ、ピーピピー♪」
映像をお届けできないのが残念です。プププ。
「はい、父上。これ以上、操られてはなりません」
そっちはお祖父様とお父様に任せましょう。私はと言うと……
「ユリウス、どうかしら?」
通信できる設置型の魔道具を試作している部屋に戻ってきました。
「丁度良かったです。ルル様に魔力を通して頂きたかったのです。この本体の魔石に流す感じでお願いします」
「分かったわ。もしかして、もう完成なのかしら?」
「ルル様の魔力を貯めてから動作確認をしたいのです。両方にお願いします」
「分かったわ」
ユリウスとマーリソン様が作り上げた、所謂動画で通信出来る魔道具です。一見シンプルな普通の鏡に出来上がっていました。鏡ときたら、一番綺麗なのはだあれ?て、童話みたいに言いたくなるじゃない。言わないけど。
鏡の台座部分が本体になります。そこに手を当て魔力を流します。
「おお! 早い! なんと素晴らしい!」
マーリソン様、通常運転に戻りましたね。複雑でしょうに。強いお方です。うぅっ、涙が出そうよ。
「ユリウス、こんなもんかしら?」
魔力を流すと台座につけられていた赤い魔石が、少しずつ鮮やかなブルーに変わっていきました。
「はい、ルル様。ではもう一つの方にもお願いします」
「分かったわ」
はいはい、魔力を流す位させて頂きますよ。今回は丸投げだったしね。また同じ様な台座の部分に手を当て魔力を流します。
「はい、いい感じですね。隣の部屋に分かれて試してみましょう」
ユリウスが片方を持って隣の部屋に移動します。暫くして、魔道具が光りました。光ったら着信の合図ですね。台座に触れながら応答します。
「ルル様、如何でしょう?」
鏡が変化してユリウスが映ってます。しっかり声もクリアに聞こえます。
「ユリウス、完璧よ!」
「はい! 素晴らしいです!」
「こちらも異常なしです。では、戻ります」
「ルルーシュア様、素晴らしいです!」
「作ったのはユリウスとマーリソン様じゃない。私は何もしていないわ」
「いえいえ、何を仰いますか! ルルーシュア様とレオン様のアイデアが無ければ、思い付きもしませんでした!」
ユリウスが戻ってきました。
「これで皆様にご説明しましょう」
「ユリウス殿、また新しい魔道具を開発致しましたね! 素晴らしい!」
「いえいえ、マーリソン殿のお陰ですよ」
「いえいえ、ユリウス殿の魔道具作成能力には敵いません」
「いえいえ、マーリソン殿こそ」
あれ? デジャヴ? また同じ事やってるわ。この二人、きっと気が合うのね。
「ユリウス、マーリソン様。皆にお披露目しましょう」
早速、サロンに集まってもらいました。
「ルル、完成したのか!」
「ピピ!」
ピアの相槌が入るのはレオン様です。ユリウスお願い。
「皆様、ご説明致します。これは離れた所に映像と音声を同時に届ける魔道具です。こちらのお邸と、ティシュトリア家のお邸へ設置する為に開発しました」
「ユリウス、詳しく頼む」
「はい、アーデス様。この鏡の台座の部分に手を置いて魔力を流して頂きます。するともう片方の台座に設置してある魔石が光ります。それが合図です。そしたら此方も台座に手を置いて魔力を流して下さい。すると、鏡の部分にお相手が映し出されます。それで話せます。実際にやってみましょう。では、私は隣の部屋にいきます」
と、ユリウスが部屋を出て行きます。
台座が光りました。
「お祖父様、台座に手を置いてほんの少し魔力を流して下さい」
私はお祖父様にそう説明しました。
「ルル、こうか?」
鏡にユリウスの姿が映し出されます。
「如何でしょう? お話できますか?」
「おおー、ユリウスちゃんと映ってる! 声も聞こえるぞ!」
「では、一度手を離して終了しましょう。次はそちらから魔力を流してみて下さい」
お祖父様が手を離されると、鏡からユリウスの姿が消えます。
「お祖父様、また手を置いて魔力を流して下さい」
「よし、ルルわかったぞ」
お祖父様が魔力を流すと、直ぐにユリウスが応答し姿が映し出されました。
「おお! 素晴らしいな!」
ユリウスが部屋に戻って来ました。
「これで、ティシュトリアといつでも連絡がとれます。何日もかけて文を運ぶ必要はありませんね」
「ユリウス、素晴らしい!」
お祖父様、絶賛です。
「この台座に魔石が取付けてあります。そこに魔力を貯める形にしてあります。ですので、ごく少ない魔力で作動しますので何方でも使用できるかと。ただ、台座に魔力を補充する事を忘れない様にして下さい。補充する場合は台座に手を添えて魔力を流して下さい。台座に貯めてある魔力が少なくなると、此方に取付けてある魔石が赤くなります。今はルル様が補充して下さってますので、暫く必要ないでしょう」
「素晴らしい! アーデス、ユリウスは凄いな!」
「父上、有難うございます」
「モーガン様ありがとうございます。しかし、この魔道具は私だけでなくルル様とレオン殿下、マーリソン殿のお力です」
「んー、でもなぁ…… 」
「レオン様、どうされました?」
「いや、光るだけでなくてさ、呼び出し音みたいなのがあったら、気付き易いと思わないか?」
やだレオン様。ウッカリしていたわ。
「ユリウス」
「ルル様」
「改良しましょう」
「はい、そうしましょう」
それから、何方かが魔道具を操作するとお知らせする音を追加しました。その音が、ピアのヘンテコな調子っ外れの歌声? になりました。何故かって? それは伯母様が……
「モモちゃんかルビちゃんかピアちゃんの鳴き声じゃないと嫌!!」
と、言い出したのです。
モモは当然……
「そんなの絶対に嫌」
ルビは……
「鳴かないの」
と、拒否しました。
ピアは何故か超ノリノリで、しかも振付きで歌ってました。では! 今回特別にそのピアの歌声をご披露しましょう。どうぞ!
「ピーピュピュッピュッ、ピーピピー♪」
映像をお届けできないのが残念です。プププ。
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