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第一章
4ーニコラ
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こんにちはー! ルルーシュアです。
朝ご飯もしっかり食べて、今はお邸の敷地内をお散歩中です!
もちろんモモも一緒でーす! もうすっかり元気!
え? 暇だな! て?
前世を思い出してから、今世の記憶が曖昧で、散歩しながら思い出そうとしてるんです! 決して暇人だからではないんですー!
ま、する事ないんだけどね、て言うか、いつも何をしていたかまだボンヤリしていて……
さて、私の住むティシュトリア領は、オーベロン王国の南西の端にあります。
南に王国唯一の港であるブリスト港、西に魔物の出る辺境の森、東側は隣国の帝国です。お母様の出身国ですね。
領地内西側の辺境の森近くに、森から地中を通り流れ出た湧水でできたリッシュ湖があります。
森に近いので背の高い樹々に囲まれていて、湧水なので透明度がかなり高い湖です。
そして、森の養分もしっかり含まれていて、このリッシュ湖から引かれた農水路のお陰で、農作物が立派によく育つ自然豊かな領地です。
南にある王国唯一の港は、海の魔物が出ますが恵も豊富で貿易も盛んです。
船に魔物避けを設置すれば、漁に出れますし航海も可能です。
そして、西の辺境の森には大小様々な魔物が出ます。
領地近くの街道にも魔物が出ます。
でも領地の周りには防御壁があり、領民が住む街には、魔物避けが設置されていて魔物は入ってこられなくなっています。
うちのお邸は、西側の辺境の森の手前の丘の上に建っていて、その森と丘を隔てた防御壁の上が昨日戦っていたところです。
私の家は、この防御壁に囲まれた領地を魔物から代々守っている家系です。
だからうちの領主隊は魔物討伐が当たり前なので、精鋭揃いです。
中でもお父様、二人のお兄様が其々率いる3部隊は精鋭中の精鋭で、セイバーと名付けられ領民達から憧れの的にまでなってます。
そんな領地なので、私も公爵令嬢なのに、魔物討伐とかしてたんですよー。
きっと……多分ね。
それにしても、お邸の敷地広いわね。お邸の裏側に来てるんだけど……あれ? ココは畑かな? 凄い立派な畑じゃない?
薬草園まである? 果樹園まで? 普通、貴族のお邸の敷地内に、畑てあるのかしら?
「あれ、ルル嬢様! もう身体大丈夫? みんな心配してた」
えっとー、あれはー……うちの庭師の息子で……そうだ!
「ニコラ! 大丈夫よ、有難う!」
そうそう、庭師のジュールさんの息子でニコラ。たしか私と同い年だったわ。
ニコラは畑やこの辺りを管理してくれているのね。
「あー! モモがフェンリルになったって本当だったんだ! しかもシルバーフェンリルて! スゲー!」
「フフフ、カッコ可愛いでしょ」
「超かっこいいな! ま、嬢様だから何があっても驚かないけど」
なんですって? 昨日からこのフレーズ、良く言われてない?
「え? ニコラ、それどーゆー意味かしら?」
「だって、色々やらかすお嬢様で領地では有名でしょ。この畑もそうだし。そこの果樹園もそうだし。そこの薬草園もだ。森に生えてる、薬草や果物の木を採ってきて育てるなんて誰も考えなかった。あと、なんだ。あー、パンだな。うちの領地のパンが、柔らかくて美味しいのは嬢様の知恵のお陰だ」
な、なんですって……!?
「あ、そーそー。何よりトイレだな。うちの領地が臭くないのも、ルル嬢様のおかげだ。ま、こんな事数えきれない位あるな」
な、な、なんですって……!? そんなに……? ちょっとやり過ぎていないかしら?
「どーした? 嬢様?」
あら、いけない。思わずフリーズしてしまったわ。
「あ、ううん。私って、そんなにやらかしてるのかと思ったのよ」
「今更、何言ってんだ? でもな、あんまり危ない事はしない様に。嬢様が気を失ったって聞いた時は、みんな心配で大騒ぎだったよ」
「うん、ごめんなさいね。心配かけたのね。ねえ、ニコラ。今は何をしていたの?」
「今の季節はさつまいもの収穫さ。嬢様好きだろ?」
「うん、好き!」
「調理場に持って行っとくよ。スイーツでも作ってもらうといいよ」
「ニコラ、有難う!」
「ルル様ー!」
あら、リアンカが呼んでるわ。
「じゃ、ニコラまたね!」
「おう!」
「ルル様、何呑気にしてるんですか! 早く準備しないと間に合いませんよ!」
「えっ? 準備? なんの準備かしら?」
「ルル様、忘れちゃったんですか? 今日はお隣の帝国から、お嬢様の婚約者様が挨拶にお見えになる日ですよ。さ、早く着替えて下さい」
ん……? またまた何ですって!?
婚約者!? 婚約者いたんだ! まぁ、そうよね。貴族なら普通この歳だといるわよね。そっかぁ……婚約者かぁ……
あれ? もしかして、これから婚約破棄されちゃったりするのかしら? あれれ?
朝ご飯もしっかり食べて、今はお邸の敷地内をお散歩中です!
もちろんモモも一緒でーす! もうすっかり元気!
え? 暇だな! て?
前世を思い出してから、今世の記憶が曖昧で、散歩しながら思い出そうとしてるんです! 決して暇人だからではないんですー!
ま、する事ないんだけどね、て言うか、いつも何をしていたかまだボンヤリしていて……
さて、私の住むティシュトリア領は、オーベロン王国の南西の端にあります。
南に王国唯一の港であるブリスト港、西に魔物の出る辺境の森、東側は隣国の帝国です。お母様の出身国ですね。
領地内西側の辺境の森近くに、森から地中を通り流れ出た湧水でできたリッシュ湖があります。
森に近いので背の高い樹々に囲まれていて、湧水なので透明度がかなり高い湖です。
そして、森の養分もしっかり含まれていて、このリッシュ湖から引かれた農水路のお陰で、農作物が立派によく育つ自然豊かな領地です。
南にある王国唯一の港は、海の魔物が出ますが恵も豊富で貿易も盛んです。
船に魔物避けを設置すれば、漁に出れますし航海も可能です。
そして、西の辺境の森には大小様々な魔物が出ます。
領地近くの街道にも魔物が出ます。
でも領地の周りには防御壁があり、領民が住む街には、魔物避けが設置されていて魔物は入ってこられなくなっています。
うちのお邸は、西側の辺境の森の手前の丘の上に建っていて、その森と丘を隔てた防御壁の上が昨日戦っていたところです。
私の家は、この防御壁に囲まれた領地を魔物から代々守っている家系です。
だからうちの領主隊は魔物討伐が当たり前なので、精鋭揃いです。
中でもお父様、二人のお兄様が其々率いる3部隊は精鋭中の精鋭で、セイバーと名付けられ領民達から憧れの的にまでなってます。
そんな領地なので、私も公爵令嬢なのに、魔物討伐とかしてたんですよー。
きっと……多分ね。
それにしても、お邸の敷地広いわね。お邸の裏側に来てるんだけど……あれ? ココは畑かな? 凄い立派な畑じゃない?
薬草園まである? 果樹園まで? 普通、貴族のお邸の敷地内に、畑てあるのかしら?
「あれ、ルル嬢様! もう身体大丈夫? みんな心配してた」
えっとー、あれはー……うちの庭師の息子で……そうだ!
「ニコラ! 大丈夫よ、有難う!」
そうそう、庭師のジュールさんの息子でニコラ。たしか私と同い年だったわ。
ニコラは畑やこの辺りを管理してくれているのね。
「あー! モモがフェンリルになったって本当だったんだ! しかもシルバーフェンリルて! スゲー!」
「フフフ、カッコ可愛いでしょ」
「超かっこいいな! ま、嬢様だから何があっても驚かないけど」
なんですって? 昨日からこのフレーズ、良く言われてない?
「え? ニコラ、それどーゆー意味かしら?」
「だって、色々やらかすお嬢様で領地では有名でしょ。この畑もそうだし。そこの果樹園もそうだし。そこの薬草園もだ。森に生えてる、薬草や果物の木を採ってきて育てるなんて誰も考えなかった。あと、なんだ。あー、パンだな。うちの領地のパンが、柔らかくて美味しいのは嬢様の知恵のお陰だ」
な、なんですって……!?
「あ、そーそー。何よりトイレだな。うちの領地が臭くないのも、ルル嬢様のおかげだ。ま、こんな事数えきれない位あるな」
な、な、なんですって……!? そんなに……? ちょっとやり過ぎていないかしら?
「どーした? 嬢様?」
あら、いけない。思わずフリーズしてしまったわ。
「あ、ううん。私って、そんなにやらかしてるのかと思ったのよ」
「今更、何言ってんだ? でもな、あんまり危ない事はしない様に。嬢様が気を失ったって聞いた時は、みんな心配で大騒ぎだったよ」
「うん、ごめんなさいね。心配かけたのね。ねえ、ニコラ。今は何をしていたの?」
「今の季節はさつまいもの収穫さ。嬢様好きだろ?」
「うん、好き!」
「調理場に持って行っとくよ。スイーツでも作ってもらうといいよ」
「ニコラ、有難う!」
「ルル様ー!」
あら、リアンカが呼んでるわ。
「じゃ、ニコラまたね!」
「おう!」
「ルル様、何呑気にしてるんですか! 早く準備しないと間に合いませんよ!」
「えっ? 準備? なんの準備かしら?」
「ルル様、忘れちゃったんですか? 今日はお隣の帝国から、お嬢様の婚約者様が挨拶にお見えになる日ですよ。さ、早く着替えて下さい」
ん……? またまた何ですって!?
婚約者!? 婚約者いたんだ! まぁ、そうよね。貴族なら普通この歳だといるわよね。そっかぁ……婚約者かぁ……
あれ? もしかして、これから婚約破棄されちゃったりするのかしら? あれれ?
応援ありがとうございます!
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