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148サリナ姫、料理初体験

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******(サリナ姫)

次の日の午前中はバラン将軍の部下20名も加わった。
本の余分は無いので、部下の分は自分達で写本していた。
結局、拓ちゃん1人では手が回らず、浩司さん、エチゴさんも手伝ってくれる事に。

「でも、あれだよね。バラン将軍のあんなに真面目な姿を初めて見た。
 集中力も凄いし、覚えも早い。
 正直、脳筋なのかと思っていたから本当に驚いた。」

は~、本当に一言余計なんだから。
この一言が全てを台無しにしているわ。
まぁ、拓ちゃんと接しているバラン将軍を見ていると分からなくな無いけど。
更に、レオさんとエチゴさんの誘いで、料理教室も開催してくれた。
兵士達の強い要望で、料理は肉まん
話しを聞いた、ブルネリ公爵、セバスチャン、ルドルフ料理長、手の空いた屋敷の人達も参加。
そういう事でブルネリ公爵側が材料を提供してくれる。
兵士に交じって、クリームの方々も参加するらしい。
予想外の大人数に膨れ上がってしまい

「何時も教える側だから、授業を受けるのが楽しみなんだよね。」

と言っていた拓ちゃんもアシスタントとして働くらしい。他にアークの方々も手伝ってくれる。
料理は5~6人一組で行い、私の組は、ブルネリ公爵、バラン将軍、セバスチャン、カイ、レムの6人。

「ここは凄い組合せですね。でも、セバスチャンが居るなら大丈夫かな。」
「前から気になっていたのだが、拓殿と浩司殿は以前からセバスチャンの事を知っていたのか?」

拓ちゃんの言葉にブルネリ公爵が質問をする。

「いえ、この屋敷に伺った時が初対面です。何故ですか?」
「初めからセバスチャンに対する信頼が高いのが気になっていたのでな。」

それは、私も気になっていた。この2人はセバスチャンに絶対の信頼を置いている様に見える。
もしかすると、ブルネリ公爵以上かも知れない。
何時も自分達の事を様を付けられるのを嫌っているのに、セバスチャンにだけには様付で呼ばれると喜んでいる。
セバスチャンにも2人と知り合いか聞いたことがあったが、初対面との事。
2人とも自分達の生立ちを話さないから、質問しても良かったのかしら。

「執事のセバスチャンだからに決まっているじゃないですか。
 実際に、信頼に足る凄く頼りになる方ですし。」

何なのその答えは。拓ちゃんの説明になっていない答えに浩司さんも頷いている。
2人の中では、セバスチャン絶対的な地位を築いているのね。
言われたセバスチャンですら不思議に思っているみたい。
誰も理解できないけれど、2人の中では完結しているのね。
謎は謎のままだったど、ここは料理を楽しみましょう。
料理には興味は有ったけど、実際にするのは初めて。

包む生地は先に用意して有り、中に入れる餡を作る所から
肉の塊を包丁でミンチにして、炒めている所に刻んだ色々な野菜と塩、醤油で味付け。
最後に溶いた片栗粉を混ぜてトロミをつけたら具の出来上がり。
意外と簡単。

「今回は、時間の都合で生地をこちらで用意しましたが、これはパン生地です。」

これがパンの元なんだ。調理方法であんなに変わるなんて料理って不思議。
殆どの人が、パンの作り方も知らないので、後日、パン教室も開いてくれることになった。
後は生地で具を包むだけ・・・
フッフッフ、完成よ。我ながら上手く出来たわ。
周りを見ると、胡麻で絵を描いたり、目や耳を付けて動物の顔を作った人も居れば、
全員の生地を合わせて1つの巨大な肉まんを作ったりと皆それぞれに楽しんでいる。
そして、蒸し上がった出来栄えに皆大満足。自分で作った料理はまた格別ね。
それに、皆楽しそう。
こんなに楽しそうなブルネリ公爵を見るのも久しぶり。

それにしても、バラン将軍の肉まんが私のより綺麗なのは納得いかないわ。
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