桜子さんと書生探偵

里見りんか

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第一幕 事件

5 探偵の登場は鮮やかに

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「それにしても、困ったわ。お父様は、どんな対処をされるつもりかしら?」

 今朝、手紙を見た途端、父の顔色が変わった。嫌な予感。

「何も困りません。私はこれで、ようやく安心できます。」

 女学校から帰った桜子を、玄関で出迎えていたイツが苦言を呈した。

「それにしても、あの手紙が父に読まれてしまうなんて。わざわざ対処するなんて………そんなに、マズイのかしら?」

 ブツブツという桜子の側でイツが、

「本当に、旦那さまは、どうして急に気が変わったのかしら?」
「え? 何か言った?」
「いえ。何でもありません。それより、旦那様が、荷物を置いてお支度したら、書斎に来るように仰せですよ。」

「うぇっ!」

 思わず、潰れた蛙のような声が出た。

「嫌だわ。イツ、なんとかならない?」
「なんともなりません。というか、本日は、お客さまがいらっしゃるようですよ。」
「あら、お客さま? じゃあ、婚約者の方のどなたかかしら?」
「さぁ? 特段のおめかしするようには、言付かっておりませんけど。」

 そんなことを話しながら、桜子の部屋につくと、イツは荷物を置いて、「お客様をお迎えするお支度がありますので。」と出ていった。

 桜子は荷物を解いて、教科書を机の上に置く。荒んだ気持ちが出たのか、やや乱暴に置いたはずみで、机上の小筆がコロコロと転がり落ちた。

「……っんッ!! もうっ!!」

 悪態をつきながら、拾おうと身を屈めて机の下を覗くと、

「あら?」

 机の奥、毛足の長い絨毯に埋まって、灰色の何かが見えた。

 桜子は、膝をついて、机の下に潜り込んで、その、紐のような何かを掴んだ。

 ズリズリと引っ張りだすと、紐の先には小豆色の小さな巾着がついていた。

「これ……」

 触ると固い。見覚えのあるソレは、

「イツのお守りじゃない!」

 数日前に、銀座にお遣いに行ったときに失くしたお守り。あの後も結局見つけられなくて、半ば諦めているようだったけど、こんなところに落ちているなんて。

「カーペットの毛足に隠れて見えなかったのね。まさに、灯台下暗し。すぐにイツに渡してあげなくちゃ!」

 御守り袋を手に部屋を出た途端、

「お嬢様?」

 すぐに時津に捕まった。

「ちょうど良かった。お父様のところに行く前に、ちょっとイツのところに……」
「駄目ですよ。」
「でも……」
「間もなく、お客様がいらっしゃいます。書斎に行ってください。」

 釣り上がった目が光っている。とても逆らうことはできなさそうだった。

 仕方がない。イツには悪いけど、先にお父様のところに行くしかないわ。


 桜子は、諦めて、父の書斎に向かった。
 
 厚く重い扉の前で、トントンと黒い輪のノックを叩く。

「お父さま………?」

 返事がないので、扉を開けて中に入ったが、誰もいない。

「お父さまってば、人を呼んでおいて、いないじゃない。」

 机の上には、書類が広げたまま、置いてある。少し出ているだけで、すぐに戻るつもりなのだろう。

 そのとき、ふいに一陣の風吹いて、机上の書類を舞い上げた。

「あっ……窓……」

 咄嗟に袖口を顔を宛てた。

「開いたままじゃない。不用心なこと。」

 手に持っていた御守り袋を机に置き、窓辺に寄って、閉めた。

「今日は、天気は良いけど、風が強いのね。」

 窓の直ぐ脇まで聳えた、翌檜あすなろの木の葉がザワザワと騒がしく揺れている。

 吹き飛んだ書類を拾い集めているときに、扉の向こうから、カタンと、小さな音がした気がした。

「お父さま?」

 桜子は書類を置くと、部屋の外へ。すると、廊下の向こうから、ちょうど歩いてくる父と目があった。

(あれ? 扉のすぐ側から音が聞こえた気がするけど、気のせいだったかしら?)

 父が桜子にむかって、片手を掲げ、

「おぉ、桜子。待たせて、すまたかったな。」
「いえ、大丈夫です………が……」

 父の後ろに、見覚えのある男がいた。ぴょんと伸びた黒い散切り頭に、書生服。今日は、外套は羽織っていない。

「その方は……?」

 五島新伍ごしま しんごさま、と言おうとして、すんでのところで思い留まった。吐き出しそうな名前を、ゴクンと飲み込む。

 うっかり口に出したら、どういう知り合いかと質されかねない。
 まさか、夜中に家を抜け出して、助けてもらいました、というわけにもいかないし……。

「彼は、私の知り合いだが……まぁ、まずは部屋の中に入って話をしよう。」

 父が部屋の前まで来たので、桜子は、扉の前を譲る。

 父の後ろの新伍が、桜子に、軽く会釈した。口元が僅かに笑っている。

(からかわれているんだわ!)

 桜子は、ふいっと顔を背けた。

「ねぇ、お父様、先程、私が部屋から出る前、どなたか、部屋の前にいましたか?」
「いや、気が付かなかったが?」

 父は、扉を開けて二人を中に誘導しながら、

「扉の外から、音がしたので。」
「使用人の誰かじゃないのか?」
「そうかもしれません。」

 父は、二人に応接用の椅子に座るように促した。

「あ、待ってください。その前に。」

 桜子は、先程、置いたままにしていた御守り袋を取りに執務机のところに行ったのだが、

「あれっ? ないわ。」

 桜子が、突然大きな声を出したから、座ったばかりの新伍が立ち上がった。

「どうした?」
「何か、ありましたか?」

 父と新伍が桜子のところへ来た。

「いえ、あの……ここにおいたはずの御守り袋がないのです。」
「御守り袋?」
「えぇ、イツの御守り袋です。」
「イツの………なんだって?」
「イツの御守り袋ですよ。実家のお母さんが持たせてくれた。」

 二人のやり取りを聞いていた新伍が

「イツというのは、この家の女中さんですか?」
「えぇ、そうです。」

 桜子は二人に、イツが大事にしていた御守り袋と、それを失くしたことを説明した。
 それを探すために、夜に家を抜け出したことは、割愛して。

「それが、先程、私の部屋で見つかったので、イツに渡そうと持ってきたのですが………」
「それで、桜子さんは、窓を締める前に、この机の上に置いたのですね。」
「えぇ、確かに。」

 新伍は、「ふぅむ。」と唸りながら、窓の側に歩いていった。窓の鍵をガチャガチャと触り、カーテンを掴んで、ペラペラと翻した。

「泥棒……でしょうか?」

 気持ち悪いわ、と小声でつぶやく。今更ながら、イタズラだと破り捨てた、あの恋文を思い出して、嫌な気持ちがした。

「お父様、もしかして、あの手紙の……」

 父のほうを見ると、眉間にシワを寄せて、「うむ。」と頷く。

「実は、五島くんを呼んだのは、そのことなんだが……まぁ、とりあえず、一旦、座って話そう。」

 窓を開けて、外に身を乗り出して眺めていた新伍が、父に呼ばれてソファに戻る。

 イツが、紅茶と一緒に、洋菓子店で買ってきたという茶菓子のビスケットを運んで、すぐに下がった。

 部屋に3人だけになると、父はまず、

「改めて紹介しよう。五島新伍くんだ。私と昵懇の仲の三善中将みよしちゅうじょうの家で書生をしている。」

 新伍が「」と、頭を下げた。

「帝国大学の学生だが、三善中将お墨付きの優秀な男でね。変わったことに、よく気づく。私も三善中将の家で何度か話をしたが、中将の言葉に嘘はないと思い、呼んだのだ。」

 父は、新伍にも桜子を紹介してから、話を切り出した。

 父が、新伍を呼んだのは、やはり、あの桜子あての恋文のことだった。父は、婚約者候補と恋文について、一通り新伍に説明し、

「これが、その文だ。」

 桜色の封筒を差し出す。

「拝見しても?」

 新伍の問いかけに、父が、右掌を差し出して許可の意を示した。
 新伍が、手にとって中を開く。

「これ………は………」

 顎の下に手をやり、考え込むような仕草。「ふぅん。」と小さな声で呟いてから、少し間をあけて、

「なんというか………かなりな字ですね。」

 確かに、あの、流れるような美しい文字は、かなり特徴的だった。一見すると、女性が書いたのかと思うほどに美しい。

「お二人は手紙の字に、見覚えは?」
「いや、私には見覚えないな。」
「私もありません。」
「でしょうね。」

 新伍は、便箋を折りたたんで封筒の中にもどす。

「この方は、随分と熱心に、お嬢様の結婚に反対しているようです。」

 桜子を見た。

「あの……御守り袋がなくなったのも、その……手紙のせいでしょうか?」

 持ち物がなくなるなんて、気持ち悪い。自分に反感を持っているのか、好意をもっているか分からない、その何者かの仕業だろうか。

「確かに、世の中には、好意を抱いている相手の物を欲しがる……という性癖の人間もいます。」
「相手の物を欲しがる性癖、というのは?」
「言葉のとおりですよ。今回のような御守りだったり、根付だったり、着物だったり……あるいは、相手の髪の毛や爪、その他、身体の一部とか………」

「ゴホンッ」

 父が大きな音を立てて、咳払いをした。

「五島くん。若い娘の前だから、それくらいに……」
「あっ、スミマセン!」

 興に乗ってしゃべっただけで、悪気はなかったのだろう。
 新伍は、「申し訳ありませんでした。」と、桜子に、本当に申し訳け無さそうに謝った。

「ともかく、僕が言いたいのは、えぇっと……今回の御守り袋のことは心配要らないということです。」
「心配いらない? 何かわかったのか?」
「はい。」

 新伍は、立ち上がると、窓の側まで歩いていった。

「まずは、状況の確認です。」

 窓をコンコンと叩く。

「桜子さんがこの部屋につくと、窓が開いていた。」
「はい。机の上の書類が、風で舞ったのです。」
「それで、御守り袋を、その机において窓のところまで来た。そして、窓の鍵をしめ、書類を拾ったあとに、部屋の外に出た。」

「はい。……やはり、誰かが忍びこんで盗んだのでしょうか?」

 その後、部屋を出たところで、父と五島が歩いてくるのが見えた。

「それでは、その盗人は、今、どこにいると思いますか?」

「え?」

「桜子さんが、閉めたと言った窓は、確かに内側から鍵が掛かっていた。そして、その後、桜子さんは、部屋を出たが、扉の前にいた。ということは、盗んだ人間が、窓から出るのは不可能。では、その人間は、今、どこにいるのか?」

「桜子が、窓を閉めているときに、御守り袋を盗み、床に落ちた書類を拾っている間に部屋を出たのでは?」
「ええ、それも、あり得ます。風に煽られて床に落ちた書類を拾おうとしたら、こう……」

 新伍は、実際に、執務机の側で屈む仕草をして、

「このあたりでしょうから、扉には背を向けることになります。」
「確かに、拾っているときに、背後から、何か物音を聞いた気がします!」

 それで気になって、部屋の外を覗いたのだ。

「なるほど。では、もし、その時に部屋を出たとしたら、どちらに逃げますか?」

 新伍に問われ、桜子は部屋の外に出たときのことを思い出した。

 もし、あの部屋から外に逃げようとするなら………

「階段は、出て左です。」
「しかし、左側からは、湖城さんと僕が来ていた。」
「それなら、右……?でも、右に逃げても……」

「そうです。この部屋は、二階の西端。右に出て、外に逃げようとするなら、突き当りの窓から飛び降りるしかない。」

「突き当りの窓……」

 健康で足腰に覚えがあれば、飛び降りられなくもない。父が、

「それなら、すぐに、窓を調べようか。それと、真下の地面も。あそこから逃げたなら、流石に内側の鍵はかけられないだろう。それに、あの高さから飛び降りれば、地面に足跡くらい残っているかもしれない。」

「いえ、必要ないでしょう。」

 新伍が遮った。

「必要ない、というのは、どういうことですか?今、五島さんが申し上げたのではないですか。」
「今の話は、犯人が部屋の外に逃げた、と仮定した話です。」
「しかし、犯人は外に出ていなければ、まだ部屋の中にいることになってしまいます。」

「えぇ、そのとおりです。」

 五島は、驚く桜子とは対象的に、極めて落ち着いた口調で頷いた。

「御守り袋をとった犯人は、まだ部屋の中にいます。」

「お父さまッ!!」

 反射的に父親の服の袖を掴んだ。その様子をみていた新伍が、

「大丈夫。桜子さんに危険はありません。」

 それから、もう一度、窓のところに戻ると、カーテンを摘むように持ち上げ、

「だって犯人は、コレですから。」
「コレ? カーテン、ですか?」

 桜子が恐る恐る、飾り紐のたくさんついた、天鵞絨のカーテンに近づいた。

「違います。カーテンのコレ、です。よく見てください。」

 反対の手で、生地の下の方を持ち上げ、桜子に見えるように広げた。そこには、 

「爪痕?!」
「これは、猫……かな?」

 後ろから父も覗き込んでいる。

「おそらく。」

 新伍は、にっこり笑って頷いた。
 背後の窓の下にちらりと視線を投げて、

「外の木を伝って登ってきたのでしょう。木登りするのは、人間だけではありませんから。」
「それでは、猫……は今、どこに?」

 新伍は、執務机の側に戻ると、突然、床に伏せた。顔が擦りそうなほどに低く身を屈め、机の下に向かって、「チチチ」と指を差し出した。

「さっき、この机の下で、光るものが見えました。猫の目です。」
「机の下に?」

 桜子も新伍の隣にしゃがむと、暗がりに光る玉が2つ。
 新伍は、テーブルからビスケットを持ってくると、パキンと割って、目の前の床に置いた。一歩下がって、

「さ、おいで。」

 ビスケットに釣られた猫が、「にゃおう」と出てきたところを、新伍が、さっと捕まえた。

 灰色に縞模様の猫が、新伍の着物の袖に中にすっぽり包まれている。

「まだ仔猫なのね。」
「好奇心旺盛なのでしょう。お前、木を登って、窓から入ってきちゃったんだな。」

 新伍が、よしよしと顎の下をくすぐりながら、猫に話しかけている。小さな猫の足には、古い布袋の紐がぐるぐるに絡まっていた。

「これ!イツの!!」
「御守りですか?」
「えぇっ、そうですっ!! 良かったぁ。」

 新伍が、猫の前足から、御守り袋をはずして、桜子にくれた。

「ありがとう。その猫は、どうするのです?」
「僕が、外に逃してきましょう。」

 新伍が、猫を連れて、書斎の外に出ていった。

「どうだ? 目端のきく若者だろう?」

 二人きりになったところで、父が聞いてきた。

「どうって……」
「なかなか面白いだろう?」
「別に……ただ、猫を見つけただけじゃないですか。」
「でも、私たちには、見つけられなかった。」

 ガチャリと扉の開く音と共に、

「他に犯人がいると、思い込んでいたからですよ。」

 戻ってきた新伍が言った。

「別の犯人がいると怯えたから分からなかった。そうでなければ、まずは、もっと探したはずです。よく調べれば、書類についた足跡にも気づいたでしょう。」

 話しながら、元の席に腰掛ける。

「恐怖が判断力を鈍らせたんですよ。少なくとも、桜子さんについては。」
「私については? では、お父さまは?」
「もう少し、冷静でしたよ。」

 新伍が、意味ありげな視線を父に投げかけた。

「ほう? 私は、冷静に見えたかね?」
「少なくとも、桜子さんに直接危害が及ぶことは、心配されていなかったのでは?」

 父の口元が、フッと緩んだ。

「まぁ、さすがに真っ昼間から、賊に押し入られることはない、とは思っていたね。君の推理を興味深く聞かせていただいたよ。」

 父は、桜子に相対するときとは違う、他人の技量を推し量るときの目をしていた。

「で、いかがでしたか? 私の推理は。湖城さんのお眼鏡にかないましたか?  。」

 新伍が、書生服の袖口に互いの両手をスッポリと入れて、飄々と尋ねた。

「あぁ。そのようだね。。」
「不幸? なぜ不幸なのですか?」

 桜子は戸惑って、二人の顔を交互に見る。

「それは、私が彼を認めたら、彼に頼み事をすることになるから、だよ。」
「そして、三善中将みよしちゅうじょうにお世話になっている僕は、中将と昵懇の仲の、この方の頼みを断れない。」
「なぁに。気に入らないなら、断ってくれても良いんだよ。」

 新伍は、口角を僅かに持ち上げ、目を細めた。

「………何の話です?」

 睨む、とは少し違う。ぶつかり合う視線だけで、言葉以上に雄弁な議論を交わしているような、何か、別の意図を感じさせるーーー

。」

 新伍が、机の上の桜色の封筒をトンと指で弾いた。

「僕を呼んだのは、コレのため、ですよね?」
「あぁ、そうだ。」

 新伍に問われて、父が認める。ゆったりと紅茶を一口飲んで、カップを置くと、

「桜子への怪文。君に、この解決を頼みたい。」
「………解決、とは、具体的には、どういう状況のことでしょう?」

「私の愛娘と我が湖城財閥に傷がつかないように、手紙の主について、片を付けること。」

「差出人を見つけ、手紙の意図を聞き出し、手紙を出すのをやめさせて、桜子さんに危害を加えないことを取り付けるーーーといったところですか?」

「素晴らしいな。」
「桜子さんか湖城財閥、どちらかを優先しなければならないときは?」
「決まっている。娘だ。」
「即答、ですか。」

「湖城の名は、私の努力次第でいくらでも取り戻せるが、桜子を失ったら、二度と得られないからな。」

 新伍が、微笑んだ気がした。

「どうだ? 引き受けてくれるか? 勿論、それ相応の礼はする。」

 新伍は黙っている。
 桜子は、じっとそれを見つめた。

 もともと、桜子は、ただのイタズラだと高を括っていた。手紙なんて、なんの力もない、と。

 でも、本当にそうだろうか?

 父は、わざわざ、この書生を呼ぶ程度には警戒している。

 それに、さっき、御守り袋が消えたとき、桜子は正直………スッと背筋が寒くなった。

 結果的には猫だったけど、正体の分からぬ何者かが、桜子をうかがっているかもしれないという恐れが芽生えたのは、確かだ。
  
 改めて、新伍を観察する。

 この人は、頼りになるだろうか?

 書生服を纏った身体は細身で、強そうには見えないけれど、観察眼があり、鋭い。

 この前の晩と今日。側にいたら、不思議と心強い気がする。

 新伍が、コリコリとこめかみをかいた。

「どうだろう?」
「先程申し上げた通り、僕は湖城さんの頼みは断われません。三善中将に大変お世話になっていますからね。」

 一拍おいて、父が笑った。「ハハハ」と可笑しそうに。この笑い方は機嫌がいいときにするやつだ。

「それでは、よろしく頼むよ。」

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