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第二章
乱れてほしい(1)
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そして、その日の夜。夕食を摂りを終えたセレニアは、寝室にてゆったりとしていた。
湯あみを済ませたセレニアは昨日よりは質素なナイトドレスを身に纏っているものの、それでも豪奢なことに変わりはない。そう思いながら緩くウェーブのかかった髪の毛を弄っていると、不意に寝室の扉が開く。
「セレニア」
そこにはジュードが立っていた。彼はニコニコと笑いながらセレニアの方に近づき、隣に腰掛ける。そのままティーポットから紅茶をカップに注ぐ。
ジュードは夕食の後も仕事をすると言って執務室にこもっていた。どうやら、仕事は終わったらしい。小さな声で「お疲れ様でした」と言えば、彼はにっこりと笑って「ありがとう」と言葉をくれた。
「ところで……セレニアは、眠たくない?」
ふとジュードがそう声をかけてくるので、セレニアは頭上に疑問符を浮かべながらも「……特には」と返す。
(疲れてはいるけれど、眠たくはないのよね……)
気疲れがあるのはわかっている。しかし、それ以上に気持ちが昂って眠れないのだ。そういう意味を込めて答えれば、ジュードは「よかった」という。その後、いきなりセレニアの膝裏に手を入れ――そのまま横抱きにする。
「ひゃぁっ⁉」
驚きからセレニアが声を上げてしまえば、ジュードは「今晩も、付き合ってくれるよね?」とニコニコと笑いながら告げてくる。
(こ、今晩も……ってことは……!)
つまり、ジュードはセレニアのことを抱くつもりなのだ。それを理解すると、セレニアの心臓がバクバクと大きな音を立てていく。
それぞれの夫婦には適度な回数があると思う。けれど、まさか……連続とは。そう思いセレニアが「ま、待ってください……!」とジュードに声をかければ、彼は「眠たくないんでしょう?」と問いかけてくる。
確かに眠たくはない。眠たくはないのだけれど……。
「そ、その、まだ、覚悟が決まっていないと言いますか……!」
昨日純潔を失ったばかりなのに。連続でするのは恐ろしい。そう思いセレニアがゆるゆると首を横に振れば、彼は「……気持ちよくさせてあげるよ?」と告げてくる。そういう意味ではない。
「もしかして、まだ緊張が解けない?」
硬直するセレニアを見かねてか、ジュードはそう尋ねてくる。もう、それでいいや。そんな風に思いセレニアがこくんと首を縦に振れば、彼は何を思ったのだろうか。セレニアを寝台に座らせる。そのまま自身も隣に腰掛けると、「俺の膝の上に座って」と言って告げてきた。
「……え?」
「いいから。早く」
膝の上に座るのも座るので恥ずかしい。だけど、これで抱かれずに済むのならば……そう思いセレニアが彼の膝の上に腰掛ければ、ジュードはセレニアの身体を背後から抱きしめてくる。
そのまま彼はセレニアの白い首筋に顔をうずめる。
「ひゃぁっ!」
思いきりにおいをかがれるように吸われ、セレニアの身体に何とも言えないゾクゾクとしたものが走っていく。
この行為をやめてほしいと彼の手に自分の手を重ねるものの、彼の手は止まらない。セレニアの身体をナイトドレス越しに撫でてくる。その触れ方があまりにも厭らしい所為で、セレニアの中の官能がぐつぐつと煮えたぎり始めた。
「……怖いんだよね?」
首筋に顔をうずめながらジュードはそう問いかけてくる。そのためセレニアがもう一度頷けば、彼はおもむろにセレニアの身体を抱き上げ、自身が大きく脚を開く形になる。そして、自身の脚の間にセレニアのことを座らせてかと思えば――器用にも自身の脚を使ってセレニアの脚を大きく広げさせた。
「……え?」
その体勢の所為かナイトドレスがまくりあがり、セレニアの白い太ももが露わになる。驚いて目をぱちぱちと瞬かせていれば、ジュードはセレニアの胸のふくらみをナイトドレス越しに揉んでくる。
「ちょ、や、やめ、やめて……!」
脚を大きく開かされ、ナイトドレス越しに胸のふくらみをもまれる。その厭らしい格好にセレニアが首をゆるゆると横に振るものの、ジュードは容赦ない。セレニアのナイトドレスのボタンを器用に外し、前をはだけさせてしまう。
「……あぁ、硬くなってる」
それから、セレニアの胸の頂を指ではじく。そこは確かに主張をするように硬さを持っていた。その所為で、セレニアは顔に熱が溜まっていくのを実感してしまう。……おかしくなりそうだった。
ジュードの指がセレニアの胸の頂を弄ってくる。ぐりぐりと指の腹で刺激されれば、抵抗する術もなく感じてしまう。身体の中を愉悦が這いまわり、おかしくなりそうなほどに快感を感じてしまう。
ぐっと息を呑んで快感から逃れようとすれば、ジュードは「ねぇ、セレニア」と声をかけてきた。その声には凄まじいほどの情欲がこもっている。それを、セレニアは察する。
「……自分で弄ってみようか」
しかし、それよりも数倍も恐ろしいことをジュードは何のためらいもなく口にした。
(じ、自分で、弄るっていうことは……)
それはつまり、自慰行為をしろと言っているのだ。それを悟った瞬間、セレニアの身体から熱が引いていく。
湯あみを済ませたセレニアは昨日よりは質素なナイトドレスを身に纏っているものの、それでも豪奢なことに変わりはない。そう思いながら緩くウェーブのかかった髪の毛を弄っていると、不意に寝室の扉が開く。
「セレニア」
そこにはジュードが立っていた。彼はニコニコと笑いながらセレニアの方に近づき、隣に腰掛ける。そのままティーポットから紅茶をカップに注ぐ。
ジュードは夕食の後も仕事をすると言って執務室にこもっていた。どうやら、仕事は終わったらしい。小さな声で「お疲れ様でした」と言えば、彼はにっこりと笑って「ありがとう」と言葉をくれた。
「ところで……セレニアは、眠たくない?」
ふとジュードがそう声をかけてくるので、セレニアは頭上に疑問符を浮かべながらも「……特には」と返す。
(疲れてはいるけれど、眠たくはないのよね……)
気疲れがあるのはわかっている。しかし、それ以上に気持ちが昂って眠れないのだ。そういう意味を込めて答えれば、ジュードは「よかった」という。その後、いきなりセレニアの膝裏に手を入れ――そのまま横抱きにする。
「ひゃぁっ⁉」
驚きからセレニアが声を上げてしまえば、ジュードは「今晩も、付き合ってくれるよね?」とニコニコと笑いながら告げてくる。
(こ、今晩も……ってことは……!)
つまり、ジュードはセレニアのことを抱くつもりなのだ。それを理解すると、セレニアの心臓がバクバクと大きな音を立てていく。
それぞれの夫婦には適度な回数があると思う。けれど、まさか……連続とは。そう思いセレニアが「ま、待ってください……!」とジュードに声をかければ、彼は「眠たくないんでしょう?」と問いかけてくる。
確かに眠たくはない。眠たくはないのだけれど……。
「そ、その、まだ、覚悟が決まっていないと言いますか……!」
昨日純潔を失ったばかりなのに。連続でするのは恐ろしい。そう思いセレニアがゆるゆると首を横に振れば、彼は「……気持ちよくさせてあげるよ?」と告げてくる。そういう意味ではない。
「もしかして、まだ緊張が解けない?」
硬直するセレニアを見かねてか、ジュードはそう尋ねてくる。もう、それでいいや。そんな風に思いセレニアがこくんと首を縦に振れば、彼は何を思ったのだろうか。セレニアを寝台に座らせる。そのまま自身も隣に腰掛けると、「俺の膝の上に座って」と言って告げてきた。
「……え?」
「いいから。早く」
膝の上に座るのも座るので恥ずかしい。だけど、これで抱かれずに済むのならば……そう思いセレニアが彼の膝の上に腰掛ければ、ジュードはセレニアの身体を背後から抱きしめてくる。
そのまま彼はセレニアの白い首筋に顔をうずめる。
「ひゃぁっ!」
思いきりにおいをかがれるように吸われ、セレニアの身体に何とも言えないゾクゾクとしたものが走っていく。
この行為をやめてほしいと彼の手に自分の手を重ねるものの、彼の手は止まらない。セレニアの身体をナイトドレス越しに撫でてくる。その触れ方があまりにも厭らしい所為で、セレニアの中の官能がぐつぐつと煮えたぎり始めた。
「……怖いんだよね?」
首筋に顔をうずめながらジュードはそう問いかけてくる。そのためセレニアがもう一度頷けば、彼はおもむろにセレニアの身体を抱き上げ、自身が大きく脚を開く形になる。そして、自身の脚の間にセレニアのことを座らせてかと思えば――器用にも自身の脚を使ってセレニアの脚を大きく広げさせた。
「……え?」
その体勢の所為かナイトドレスがまくりあがり、セレニアの白い太ももが露わになる。驚いて目をぱちぱちと瞬かせていれば、ジュードはセレニアの胸のふくらみをナイトドレス越しに揉んでくる。
「ちょ、や、やめ、やめて……!」
脚を大きく開かされ、ナイトドレス越しに胸のふくらみをもまれる。その厭らしい格好にセレニアが首をゆるゆると横に振るものの、ジュードは容赦ない。セレニアのナイトドレスのボタンを器用に外し、前をはだけさせてしまう。
「……あぁ、硬くなってる」
それから、セレニアの胸の頂を指ではじく。そこは確かに主張をするように硬さを持っていた。その所為で、セレニアは顔に熱が溜まっていくのを実感してしまう。……おかしくなりそうだった。
ジュードの指がセレニアの胸の頂を弄ってくる。ぐりぐりと指の腹で刺激されれば、抵抗する術もなく感じてしまう。身体の中を愉悦が這いまわり、おかしくなりそうなほどに快感を感じてしまう。
ぐっと息を呑んで快感から逃れようとすれば、ジュードは「ねぇ、セレニア」と声をかけてきた。その声には凄まじいほどの情欲がこもっている。それを、セレニアは察する。
「……自分で弄ってみようか」
しかし、それよりも数倍も恐ろしいことをジュードは何のためらいもなく口にした。
(じ、自分で、弄るっていうことは……)
それはつまり、自慰行為をしろと言っているのだ。それを悟った瞬間、セレニアの身体から熱が引いていく。
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