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震える骸骨の手で、小太郎君の背中に手を回す。
そしたら、小太郎君の身体が小さく震えた。



「真知ちゃん・・・。」



これを、言われると・・・ダメで。
だって、あまりにも苦しいから。
あまりにも悲しいから。
小太郎君は、それなのに、それなのに、私を“真知ちゃん”と呼ぶ。



「小太郎君・・・。」



「違う・・・凛太郎で・・・。
小太郎は、消す・・・。
なんだよ、小太郎って・・・。
あのクソババア、俺にふざけた名前付けやがって。」



「ふざけた名前って?」



「何がどうなって、凛太郎、響歌から小太郎に辿り着いたんだよ。
急にそこまで小さくすんなよ。」



本気でそう言っているようなので、言う。



「小太郎って、小太郎君のお母さんのお父さんの名前だよ?」



それを言ったら、小太郎君が勢い良く私を離した。



「はあ!?それこそ最低だろ!!!
クソババアの母親を妊娠させて捨てた男だろ!!??」



あまりにも苦しくて、胸を押さえながら首を横に振る。



「峰子さんの育てのお母さんの・・・内縁の夫で・・・。
峰子さんが小学生くらいから一緒に暮らしてくれていて・・・。」



そこまで言って、深呼吸をして小太郎君を見る。



「峰子さんにあのお店をプレゼントしてくれたお父さん。
戸籍上はお父さんじゃないけど、2人の心は・・・ちゃんと親子。」
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