金色を纏うあやかし皇帝は、無色透明な蓮花の娘を染めあげたい。

 権力争いの末、金色を纏うあやかしの皇帝が即位した。
 彼は血塗られ皇帝と噂されるほど、先帝の徳妃であった実の姉すらも手にかけたという。

 そんな中、今帝のために後宮の総入れ替えが行われることに。
 年頃で婚姻をしていない娘は全て、王城の広間まで集められた。

 片田舎で一人暮らしてきた蓮花(リェンファ)も、その招集に応え、ここに来た。

 ただ周囲の目は、村人たちと同じ蔑むものだった。

 この国の人間は生まれながらに異能の力を持つ。
 四属性、そしてその力は色により強さの段階があった。どんな属性であっても、力の強いものが富や権力を得て来た時代。

 ただ蓮花はどの属性も持たず、色すらない無色透明だったのだ。

 しかし蓮花を見た皇帝・暁明(シァミン)は多くの女たちの中から、蓮花を見つけた。

 そして何も持たず、色もない蓮花を皇后にするとその場で宣言する。

 何が起こったのか誰一人分からぬ中、皇帝は蓮花を抱きかかえ、連れ帰った。

 暁明から語られる無色透明の意味。
 力があるからこそ蓮花の何もない力を欲する暁明は、家臣たちが決めた他の妃にも目をくれずただ蓮花を溺愛が始まる――。

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