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第四章 喪失
158 逃がさない
しおりを挟む静かな客室は二人の息づかいだけが聞こえる。
薄暗い室内にランプの明かりが灯り、サファイアの瞳は潤みを帯びて光を湛えて輝きを放つ。
その宝石のような瞳にまるで魅了されてしまったみたいに目が離せなくなり、見つめあったままどちらからともなく交わされた口づけは甘く溶け合うようにお互いの熱を分けあって、愛おしさが溢れだす。
小さく柔らかい唇を食むように口づけて、薄く開いた唇に舌を差し込み、ゆっくりと丁寧に口内を舐め尽くすと深い口づけにまだ慣れないカレンは苦しげに吐息を洩らし涙が流れ落ちる。
「んんぅっ! 苦しっ、息できな……」
「あっ、ごめんな? ゆっくり……な?」
その初々しい反応が愛らしくて庇護欲を掻き立てられて、もっと大事に大切にしてやりたくなる。
甘い口づけに欲が刺激され早く触れたくなって、カレンのシャツのボタンを一つずつ外していけばカレンがそれに気づいて。
「エディも脱がしてあげる、私もエディに触りたい」
可愛い事を言ってたどたどしく俺のシャツを脱がして満足そうにしていたかと思ったら。
笑顔で俺の下穿きを寛げだした。
「って、おい? お前、いったい何して……」
「ん? 脱がしてるだけだけど? わ、おっきい!」
「……え、ちょっと待って、カレン?!」
カレンの小さく柔らかい手に触れられて握られて。
「大丈夫! 安心して! ちゃんと本読んだ!」
この状況のどこに安心していい要素があると?!
「っそれ何の本?! 待って、握るな、擦るな!」
そして俺のモノを握ったり擦ってみたり興味深く観察して何を思ったのか、舐めてきた。
「っあ、えっ、馬鹿、そんな事、しなくていいっ!」
こんな事をカレンにさせては駄目だと思うのに、止めさせなければいけないのに、小さな口で先端を含み舐めたり上下に動かしてきて。
カレンがこんな事をしてくれるなんて思っていなかったから嬉しくて、気持ちよくて。
「……ん、気持ちいい? もっとしてあげるね」
でも、こんな事をカレンにさせてはいけない。
「っカレンもういい! こんな事しちゃだめだ!」
「ありゃ、気持ちよくなかった? この本に書いてた通りにしたんだけどな、……駄目?」
「いや、すげぇ気持ち良いけど? いやでもこれは娼婦がする事で、お前みたいな貴人にさせたらいけないんだ、でも、ありがとな? で、その本……何?」
カレンが手に持っていた本には イクス女子必見!閨で男を愛する方法全集 と書かれていて……。
「これは……、どこで手に入れた?」
「お姉ちゃんに貰った! これで勉強しろって!」
「っそっかぁ。あ、これ預かっとくな?」
「ん、いいよ? 全部覚えたし!」
「くそ! 余計な事を……!」
初々しいのが可愛いくて堪らないのに、下手な知識をこの天才に入れやがるなんて、酷い事をする姉だとエディは思った。
でも、なんだかんだいってエディはカレンが頑張ってくれた事が嬉しくて引き寄せて抱きしめてキスを落とす。
「エディ、大好き」
「ああ、俺もカレンが大好きだ」
二人でくすくす笑いあってまたキスをする。
ずっとこんな幸せな時間が続けばいいと願う。
そっと寝台にカレンを寝かせて下着を脱がすと、一糸纏わぬその艶やかな白い肌に目眩がした。
カレンの豊かな乳房はふるりと揺れて欲を誘う。
柔らかく豊かな乳房を揉みし抱き、先端を食めばその刺激に、びくびくと身体が反応し甘い吐息がこぼれ落ちる。
「っひ、ぁあ……んっ……!」
触れあった肌が熱を持ち劣情にかられて、脚を開かせて秘部を丹念に舐めてやれば甘い悲鳴を上げてカレンは簡単に達して蕩けるような表情で涙を溢す。
「ああ、可愛いな、……指、いれるぞ? 痛かったら言えよ?」
「っん、うん……」
カレンの可愛い反応にまだ男を受け入れるのに慣れていない秘部を指でじっくりと解してやればまた直ぐに達してしまうカレンの感じやすい身体に頭の芯が痺れたように狂いだして、我慢がきかなくなり。
「カレン、力抜いて?」
「んー……!」
まだ受け入れるのに慣れないキツイ秘部にあてがいゆっくりと時間をかけて、痛まないように入れる。
やはりまだ少し痛むのか辛そうな表情をするから。
「……痛むか? お前のナカ小さいもんな、ごめんな、一回止めるか?」
「っ大、丈夫……、だから止めないで? エディとひとつになれて嬉しいから」
「っ……痛かったら言えよ、止めてやるからな?」
「ん、でも、本当に痛くないし、ずっと私の側にいてね、エディ?」
「……そんなの当たり前だろ? ずっと側にいる」
嫌だとカレンか言ってもどこにも逃がしてなどやれはしないのに、その身体も心も全部俺のものだから。
ゆっくりと痛まぬように腰を揺らしてやれば少しずつ快楽を感じ始め淫らな声を出し必死に縋りつくその姿が可愛くて頭を撫でて口づけを落とし抱きしめる。
本当はじっくりと愛したいのに快楽に飲まれ愛欲に溺れていって何度も何度もその身体を求めた。
気がつけば夜が明けて日が差しこんできた。
一晩中欲を受け入れさせ続けたカレンの可愛らしい寝顔が堪らなく愛おしくて狂おしくもう絶対に手離せないどこにも決して逃がさない。
何度も何度も絶望し呪ったこの残酷な世界に初めて感謝した、カレンに出会わせてくれたことを。
廻り始めた運命の歯車は止まらない。
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