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第三章 毒であり薬

132 幸せ

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 エディの深い口づけは思考がどろどろに溶けていってしまいそうなほど甘く熱っぽくて。

 キスの経験なんてエディとだけしかないし、知らないから、他はわからないけどきっとこれは普通じゃない思う。
 
 水音が立つほどに舐め尽くされ絡めとられる。

 口づけに身体がぞくぞくとしてしまって恥ずかしいのに、その反応を楽しむように見つめてくる。

 そしてずっと私の頭を優しく撫でていた手は、流れるようにわたしの乳房に触れてやわやわと揉み始めて、指先で先端を弄り始めた。
 
 その刺激にツンとしてしまった先端を、エディは口に含みさらに刺激する。

「んっ……っ……あ……」

 先端は執拗に吸われて舐められてジンジンとて少し赤くなりそれをまた満足そう眺めていたと思ったら。

 唐突に足を大きく開かされて、もう濡れてしまってると自分でもわかっていたそこを、じっくりと見て微笑んできて。

 そこを何度も舐められて吸われて。

「っひぁ! ゃ、だめっ、ぁ……イッちゃ……」 

 熱く疼くそこに、そんな事をされて耐えられる訳なんてなくて。

 私は簡単に達してしまって、身体に力が入らない。

「可愛いな、気持ちよかったか? 指入れるぞ?」
 
 くちゅり……とエディの長い指がゆるゆると、何かを探すように出たり入ったりを繰り返す。

「……やっぱり小さいな、指増やすぞ?」

 異物感が増えてピリッとした痛みが走る。

「っい……!」

「あ、ごめん、……でもちゃんと解さないと……」

 そしてまた指を入れてきて掻き回されて。

 丁寧に入念にそこを弄られて。

 ぞくぞくとした感覚が、すこしずつ快楽に変わり。
 
 一番いい所も一緒に弄られて。

「っぁ……んんっ……あ、あ、エディっ……」

 そしてまた、身体が跳ねるようにして達してしまって、もう何も考えられなくなっていく。

「ん……ごめん。カレン、もう……入れていい?」 

 悩ましげに私を見つめ懇願してきたエディは欲に濡れて熱い吐息を吐き出して色っぽくて。

 それにもう余裕がないのが伝わってきて。

 その表情に胸がドキドキと高鳴る。

「っあ、……うん」

 だけど、取り出したそれはあまりにも大きくて。

 私のナカに入るとは到底思えなくて。

「え、うそ、そんな大きいの……無理っ」

「っカレン、……頼むから煽んなっ?」

 後ずさりしてエディから逃げようしたら捕まえられて、寝台に身体を押させえつけられて。

「煽って、え、まって……?」

 私の秘部にエディの熱くかたい驚くほど大きなそれをあてがってきた。

「……っごめん、ちょっと我慢な?」

 今まで感じたことのない異物感と痛み。

「いっ……たい……!」

 痛い痛い痛い……! むりむりむり!

「っく……! お前キツっ……! カレン、ちょっと力抜け! 足閉じんな!」 

 エディが何か言ってるがそれどころじゃない!

 破瓜の痛みがここまでなんて聞いてない!

 私の中に強引に入ってくる異物感と痛みにじっと耐えていたら、お腹にずんっとした圧迫感と激痛がやってきた。

「っい゛……!」

 痛みで目がチカチカして、涙がこぼれる。
 
「か……れん? あー、ごめんな? ……痛いよな。 でも、ずっとこうしたかった。お前の初めて貰えてめちゃくちゃ嬉しいし、可愛いし、ずっと、ずっと好きだった、一生大事にするから、大切にするから」

 そういって何度も唇を重ねて抱きしめられて。

 でもエディの表情は苦しげで。

「エディ、大丈夫……なんか辛そう……?」

「っ……動いていい? ちょっとキツくて、もう」

「あ……っうん、大丈夫」

「ごめんな」

 
 そしてゆっくりと腰を揺らし始める。

 最初は確かに痛かったはずだったのに、それがだんだんと快楽に変わり始めてくる。

「っあん、……っえで……ぃ……」

「カレン、可愛い、お前が可愛いくて堪らない」

 徐々に強く激しくなっていく動きに淫らな声も押さえる事なんて出来なくて、ただエディにすがるしかなくて。

「っかれん、もうっ……いきそ……!」

「あぁっ……ァ、ん、ぇ……でぃっ……」

 与えられた逃げ場のない快楽に身体が跳ねる。

 私の中にエディの欲が吐き出され、達したばかりの私の身体がそれに反応しびくびくと痙攣する。

 身体が重くてだるいし、腰ががくがくしてるし、まだエディが私の中にいる錯覚がするし。

 でも、幸せそうに私を抱きしめて、頭を撫でるエディを見たら私まで幸せな気分になってきた。

 ずっとこんな幸せが続けばいいのになって。

 愛しい人に抱かれる喜びを甘受する。

「カレン? あのさ俺と……結婚して欲しい。一生大事にするし、守るから、愛してるんだ」

「結婚……?」

「あ、最初は婚約からか、アルス戻ったらさ、婚約しよう? お前が望むなら……俺はイクスに住んでもいいと思ってる。……けど、俺達には魔力あるからさ、子どもが出来たらイクスだと育てられないし……?」

「婚約? 子ども? 愛して……? あ……」


 私に愛される資格なんてない。


「ん、どした? カレン?」

 私は罪を犯したから。

 私は沢山の人を殺したから。

「っあ……あ……ごめん、なさい、私が殺した、大事な人、沢山殺して……愛されたら、駄目なのに、なんで私……?」

 私は、エディの大切な人を殺したのに。

 お姉さん赤ちゃんも殺したのに?

「かれ……ん? なに言って、大丈夫か?」

 幸せが続けばいい……? 

 私はいったい何を勘違いしているの?

 私が貴方の婚約者を殺してしまったのに?

「駄目なのに、私、ごめんなさい、ごめんなさ……」

 愛し愛されるなんて許されない。

 ここは私が欲しがってもいい場所じゃない。

「カレン、落ち着け?! 泣くな、なにを謝って?」

 犯した罪の対価はまだ支払われていない。

 いつか罪を暴かれたら私は全て失うから。

「ごめん、なさっ……できない! 私は、罪を……っ……犯したからっ、ごめんなさ……」

 だから大切なものなんて必要なかったのに。
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