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確かに聞こえた!
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第5王女様であるマーリア様への約束の蒸気機関搭載の小型バギーだが、結局バギーでは無くコルネちゃんとお揃いの2シーターのスポーツタイプへ勝手に変更した。
実のところ、もう考えるのが面倒だったので、執務中に何となくメリルに相談したところ、ユリアちゃんよりも年上なマーリア様であれば、年齢的にほぼ一緒であるコルネちゃんと中身が同等の物を仕立てた方が、後々問題にならないだろうという事になった。
まあ、問題と言っても、コルネちゃんのくまさん号と並んで走ったりすれば、あまりの速度差に不満を王女が口にするだろうという程度なんだが…その時に別の車をあげたらいいじゃね? と言ったら、メリルに怒られた。
「末っ子でも王女です! 甘やかさないでください!」
胸を張ってそう主張する、実の姉にして元王女のメリル。
自分は甘やかされていなかったとでも言うのだろうか…この我儘姫は…。
「私は結婚したから良いのです! でもマーリアには婚約相手すら居ません! このまま結婚でき無かったら、トール様が娶ってくれるとでも?」
何で、俺の心の中の秘密の声に対して文句言ってんだ?
ってか、あの美少女王女様を、俺が…ぐへへへへ…あっ…。
「トール様? その緩み切ったお顔は、一体何を考えていたのでしょうねぇ。いえ、言わずとも分りますよ? これは、ちょっとお仕置きが必要かもしれませんねぇ…マチルダさん?」
この執務室で仕事をしていたのは俺だけでない。
俺とマチルダが書類をせっせと処理していた時に、たまたまメリルが処理済みの書類を取りに来て、そのまま第5王女様との約束の車の話をしたので、当然だがこの場にはマチルダもいる。
「ええ、メリルさん…どうやら今夜も寝たくない様ですね」
顔を見合わせ、うふふふふふふふ…と、不気味に笑い合う魔女…じゃなかった、メリルとマチルダ。
「では、マチルダさん、あとは任せました。私はみなさんに、トール様が欲求不満だと伝えてきましょう」
え、ちょ、ま…まて! 俺は欲求不満なんかじゃ…。
「任されました、メリルさん。しっかりとトール様を捕まえておきましょう。あ、そうそう! サラかリリアに今夜の食事と風呂は早めに準備して貰う様に伝えて頂けませんか?」
な!? ニッコリ笑いながら、何を言ってんだマチルダ!
「ええ、その様に伝えておきますわね。さ~楽しくなってきましたわぁ~!」
スキップしながら執務室を後にするメリル。
「ま、待て待て待て! 俺は欲求不満なんかじゃ…」
俺はメリルを追うため、席から立とう…としたのだが、肩をガッチリと掴まれて、席に座らされた。
「どこに行こうというのですか、トール様? まだ仕事は残ってますよ?」
振り返ると、笑顔のマチルダが俺の肩を抑えつけていた。
「トール様、何をそんなにそわそわしているんですか? 余所見は駄目ですよ? キョロキョロしないで、さ、夕食とお風呂の時間までお仕事をしましょうね」
目が笑ってない…怖いよ、マチルダ…。
ってか、トラ柄ビキニの鬼娘が主人公のアニメの主題歌みたいなセリフだな…俺があの浮気な主人公一緒とでも言いたいの?
いやいや、マチルダはあのアニメの事なんて知らないはずだ…知らないよね? ユズカが教えた可能性も無くは無いけど…。
「楽しみですね、トール様。星達が輝く夜更けに、私達全員で夢見る様な世界へとご案内しますね」
がくがくぶるぶる…絶対に、コレ知ってる…。
「うふふふふ…。トール様は、私達5人を含めて、いくつも愛を持っているんですねえ~~。あんまりあちこちにばら撒いては駄目ですよ?」
絶対に知ってるだろーーー! 何を教えてんだ、ユズカーーーー!
「さ、一緒にお仕事しましょうねぇ~。これも運命ですね…うふふふふふ」
運命が、さだめに聞こえた…確かに聞こえた!
「あ、次の書類は、請願書ですね…人魚さん達からの…」
よりによって、その請願書かよーーー!
誰か助けてくれーーーーー! くれーーーー! くれーー…くれー…く…れ………。
その夜の食事は、何故か嫁ーずに完全包囲され、風呂場にも連行され、そのまま寝室へと拉致された。
何が寝室であったか、聞かないで欲しい。
翌朝の俺のベッドの上は、死屍累々であったとだけ日記に書いておこう。
日記なんて書いてないけど。
実のところ、もう考えるのが面倒だったので、執務中に何となくメリルに相談したところ、ユリアちゃんよりも年上なマーリア様であれば、年齢的にほぼ一緒であるコルネちゃんと中身が同等の物を仕立てた方が、後々問題にならないだろうという事になった。
まあ、問題と言っても、コルネちゃんのくまさん号と並んで走ったりすれば、あまりの速度差に不満を王女が口にするだろうという程度なんだが…その時に別の車をあげたらいいじゃね? と言ったら、メリルに怒られた。
「末っ子でも王女です! 甘やかさないでください!」
胸を張ってそう主張する、実の姉にして元王女のメリル。
自分は甘やかされていなかったとでも言うのだろうか…この我儘姫は…。
「私は結婚したから良いのです! でもマーリアには婚約相手すら居ません! このまま結婚でき無かったら、トール様が娶ってくれるとでも?」
何で、俺の心の中の秘密の声に対して文句言ってんだ?
ってか、あの美少女王女様を、俺が…ぐへへへへ…あっ…。
「トール様? その緩み切ったお顔は、一体何を考えていたのでしょうねぇ。いえ、言わずとも分りますよ? これは、ちょっとお仕置きが必要かもしれませんねぇ…マチルダさん?」
この執務室で仕事をしていたのは俺だけでない。
俺とマチルダが書類をせっせと処理していた時に、たまたまメリルが処理済みの書類を取りに来て、そのまま第5王女様との約束の車の話をしたので、当然だがこの場にはマチルダもいる。
「ええ、メリルさん…どうやら今夜も寝たくない様ですね」
顔を見合わせ、うふふふふふふふ…と、不気味に笑い合う魔女…じゃなかった、メリルとマチルダ。
「では、マチルダさん、あとは任せました。私はみなさんに、トール様が欲求不満だと伝えてきましょう」
え、ちょ、ま…まて! 俺は欲求不満なんかじゃ…。
「任されました、メリルさん。しっかりとトール様を捕まえておきましょう。あ、そうそう! サラかリリアに今夜の食事と風呂は早めに準備して貰う様に伝えて頂けませんか?」
な!? ニッコリ笑いながら、何を言ってんだマチルダ!
「ええ、その様に伝えておきますわね。さ~楽しくなってきましたわぁ~!」
スキップしながら執務室を後にするメリル。
「ま、待て待て待て! 俺は欲求不満なんかじゃ…」
俺はメリルを追うため、席から立とう…としたのだが、肩をガッチリと掴まれて、席に座らされた。
「どこに行こうというのですか、トール様? まだ仕事は残ってますよ?」
振り返ると、笑顔のマチルダが俺の肩を抑えつけていた。
「トール様、何をそんなにそわそわしているんですか? 余所見は駄目ですよ? キョロキョロしないで、さ、夕食とお風呂の時間までお仕事をしましょうね」
目が笑ってない…怖いよ、マチルダ…。
ってか、トラ柄ビキニの鬼娘が主人公のアニメの主題歌みたいなセリフだな…俺があの浮気な主人公一緒とでも言いたいの?
いやいや、マチルダはあのアニメの事なんて知らないはずだ…知らないよね? ユズカが教えた可能性も無くは無いけど…。
「楽しみですね、トール様。星達が輝く夜更けに、私達全員で夢見る様な世界へとご案内しますね」
がくがくぶるぶる…絶対に、コレ知ってる…。
「うふふふふ…。トール様は、私達5人を含めて、いくつも愛を持っているんですねえ~~。あんまりあちこちにばら撒いては駄目ですよ?」
絶対に知ってるだろーーー! 何を教えてんだ、ユズカーーーー!
「さ、一緒にお仕事しましょうねぇ~。これも運命ですね…うふふふふふ」
運命が、さだめに聞こえた…確かに聞こえた!
「あ、次の書類は、請願書ですね…人魚さん達からの…」
よりによって、その請願書かよーーー!
誰か助けてくれーーーーー! くれーーーー! くれーー…くれー…く…れ………。
その夜の食事は、何故か嫁ーずに完全包囲され、風呂場にも連行され、そのまま寝室へと拉致された。
何が寝室であったか、聞かないで欲しい。
翌朝の俺のベッドの上は、死屍累々であったとだけ日記に書いておこう。
日記なんて書いてないけど。
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