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残業は必然

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翌日、出勤すると病棟師長より御礼をされ、業務が開始となった。
新山は早番業務は問題ないようだ。

今日も、彼女とは勤務が合わない様だ。
昨日夜勤明けだったから、まあそうなるだろう。




夕方になり、彼女は早番の終業と入れ替わるように出勤して来た。
「お疲れ様です」
ナースセンターに俺と彼女の二人だけだった。
「お疲れ。藍川さんは昨日は二次会行かなかったんだね」
「髙城先生は行かれたんですか?」
「嫌、今日の事を考えてやめておいたよ。車だったしね」
そんな遣り取りの後、彼女は奥にある休憩室に入って行った。


暫くして、彼女が休憩室から出て来て業務を開始する。
一緒に新山もいたようで、新山は「お先に失礼します」と帰って行った。



日勤から夜勤帯への申し送りが終わると、夜勤者を除けば数人が就業時間内に仕事を片付けようと忙しなくしている。
俺も昨日は定時であがっている事もあり、今日は少し残業予定だ。
電子カルテに、十数人いる受け持ち患者の定期処方を打ち込む。
今日の回診で得た情報を元に、処方変更や追加、減量等修正しながら入力が終わった頃には夜勤者のみとなっていた。

この時間帯は看護師二人で業務に応っている。
今日は彼女の他に、中堅クラスの山本看護師が勤務していた。
彼女は現場に出ている様で、今は山本看護師がナースセンターに残っている。

「髙城先生、定期処方終わりました?」
「今、終わった所です」
疲れた素振りで、振り返る。
「昨日は、ありがとうございました。私も二次会には行かなかったんですが、夫のお迎えだったので、新山さんを送る事が出来なくて…ご迷惑おかけしました」
「あれ位大丈夫ですよ。新山さんも、帰りは大人しかったですし」
山本看護師はホッとしたように、新山の話しを続けている。
俺は、適当に聞き流しながら休憩をとっていた。

「ラウンド終わりました」
「藍川さん、お疲れ様。次は私が行くからね」
戻った彼女に、書類を記入している手を一度止め声を掛けている。

1時間後のラウンド時には、彼女と二人になれる事が分かり、楽しみとなっていた。


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