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第九章

第376話 【学園からの依頼】

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 ラックさんとの話し合いから数日が経ち、俺は今久しぶりに母校である学園へとやって来た。何故、俺が学園に居るのか? それは、俺が王都に帰還している事を知った学園長に呼び出しを受けたからである。

「それで、急用だから来て欲しいと手紙に書いてありましたけど、どうしましたか?」

「お久しぶりですね。ラルク君、ええちょっと頼みたい事があって呼んだの、まずこちらを見てくれないかしら?」

 学園長にそう言われた出された紙の束を俺は、受け取り中を確認した。すると、そこには現在この学園に通っている高等部のAクラスの生徒の成績が書かれていたのだが、俺達が居た頃よりも大分下がっていた。春頃の成績は、良いのだが夏にかけて段々と下がって夏休み明けのテストの成績はガクンッと下がっていた。

「見て分かる通り、ラルク君達の世代より大分落ちてるのよ。まあ、ラルク君達はラルク君が皆を引っ張って成績を上げていたというのもあるけど、そのラルク君が残してくれた資料を使っても減少気味なのよ」

「成程……まあ、でも一つ言えるとしたら俺が渡した資料ですけど、夏前までは基本的に応用問題の解き方をただ簡単に書いてあるので、難しくは無いので解説は不要ですけど、夏の始まりから夏休み明け位からは大分難易度も上がって来てるので、先生がきちんと解説を行わないと難しいと思いますよ」

「ええ、それは分かっているわ。でもねこの資料が出来たのはつい最近じゃない? まだ、先生達の中でもどうやって教えたら良いのか分からない人が多いのよね……そこで、ラルク君に頼みたいんだけど、先生達に解説の仕方を教えてあげてくれないかしら?」

 学園長からそう言われた俺は「えっ?」と驚いて聞き返した。すると、学園長は更に紙の束を取り出した。

「これは、今の学園に働く先生のリスト。先日、会議をしてラルク君がもし講義をしてくれたら受けるかどうかの質問をした結果、全員参加したいと言ってくれたわ」

「そ、そんなに俺って人気なんですか……」

「そりゃ、あれだけの好成績を出しつつ今までの先生達よりも分かりやすいやり方で生徒達に教えていたんだもの、カール先生だけいつも得をしていてズルいと他の先生方が嘆いていたのよ」

 俺はそんな知らない所でそんなに言われていたとは思っておらず、その言葉を聞いた俺は少し驚いてしまった。そして、少しの間考え今後の学園の為に自分の力が使えるのであれば使ってやろうと思い先生達に講義をする事を了承した。
 その後、学園長から詳しい日程は後日話し合うという事になり今日の所は帰宅しても良いと言われてた。学園から帰宅した俺は、楽園に入り学園長との話しをリア達にも話をした。

「学園の先生に教えるって、ラルク君凄いね」

「ラルク君、頭が良いと知ってたけど、先生に教える立場になるなんて凄い事だね」

 リアとリンは俺が学園の先生に教える立場になったと伝えると、驚いたようにそう言った。

「俺自身驚いてるよ。まさか、先生に教える日が来るとは……まあ、通ってた時もカール先生は俺の授業を受けてたけど、学園の先生全員が俺の授業を受けたいとは思いもしなかったな」

「それだけ、ラルク君が凄いって事だよ。頑張ってねラルク君」

「サポートはするから、大変そうだったらいつでも言ってね」

 リア達からそう言われた俺は「ありがとう。無理はしない様に頑張るよ」と言って、それから家に戻って来たレティシアさんとアスラにも同様に伝えるとレティシアさん「えぇ!?」と驚いていた。
 それから数日後、俺は学園で先生相手に大きな教室を使い授業を行っていた。基本的に、夏あたりからの勉強法について教えるつもりだったのだが学園長から、どうせなら一から教えて欲しいと言われたので俺の教え方を一から先生相手に講義を行った。
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