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第九章

第375話 【商談】

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 義父さん達と過ごした日から数日が経ち、現在俺は皆と離れて現在フォレトスへシャファルと二人で来ていた。何故、フォレトスへまた来ているのか? それは、ラフォール商会との商談をする為に来ていた。

「久しぶりです。ラルクさん!」

「お久しぶりです。サザンさん」

 ラフォール商会の建物に入り商会長室に通されると、サザンさんが笑顔で出迎えてくれた。出迎えてくれたサザンさんとそのまま旅の方はどうだったか? 等を聞いて、少しばかり談笑をしてから商談へと入った。
 今回の商談内容は、米のルートについてで現在俺の商会ではそのルートを一切持っておらずドルスリー商会に頼んでいる事を伝えた。

「成程、と言う事は私が米や今後もしラルク君の商会から商品を買う際はドルスリー商会を通す形になると言う事かな?」

「そうですね。実際の所、俺の本業は冒険者で商人は趣味の延長線上にある物でどちらも頑張りたい気持ちはあるのですが、ルートの確保等には時間がもの凄くかかると思うので、そこは以前から交流のあるドルスリー商会に頼んでいるんです」

「……分かった。私もドルスリー商会は、大きい商会で安心できるし、私としては良いよ」

 サザンさんは俺の提案にOKと返事をしてくれた。俺はそんなサザンさんに「ありがとうございます」とお礼を言い。更に商談を続けた。その結果、楽園で現在育てている野菜も購入してくれる事になり、これで楽園産の物を買ってくれる商会が一つ増えた。
 サザンさんとの商談を終えた俺は、王都の街を少し散策している何処から俺が居ると嗅ぎつけたのか城の兵士さんに王様が呼んでいると伝えられて、俺は城へと移動した。

「よく、俺がこちらの国に居るって分かりましたね」

「サザンの所には、俺の兵士も居るからなラルクが来たら知らせるように言っておいたんだよ。それよりラルク、白米の美味しい食べ方他にも知ってるだろ? 教えてくれないか?」

 ガルディウス王からそう言われた俺は「良いですよ。厨房を借りてもいいですか? 丁度、昼頃なので俺が作りますよ」と言うと、即座に厨房まで案内された。そして、俺はそこで白米を使った料理を数品作り、王家の方々に出すと、以前の食事会の時は静かに食べていた王家の方々だったが美味しさのせいか「美味い美味い!」と言ってドンドン食べて行き、直ぐに用意した料理を完食してしまった。
 そんな王家の方々を見た料理長から「あんな姿、見たことも有りません……」と言われて、それから料理の作り方を教えて欲しいと懇願されたので俺はレシピを渡して作り方を一から見せてあげてからレコンメティスへと帰って来た。

「どうだったんだい商談はうまくいったかい?」

「はい、ドルスリー商会を通す方もOKを出ましたし、野菜や他の食材も購入すると言ってくれました」

 王都へと戻って来た俺は、その足でそのままドルスリー商会へとやって来てラックさんに商談が上手く行った事を報告した。

「おぉ、それは良かったね。これで、私もフォレトス王家とのパイプが繋がって私としても嬉しいよ。ほんと、ラルク君と知り合ってドルスリー商会はドンドン大きくなっていってるよ。ありがとうね」

「いえいえ、こちらこそ自分がしたい事をさせて貰える環境を作っていただき感謝しています。それに俺は、作る事は好きですけどそれを売る手段は分かりません。ですので、今後ともよろしくお願いいたしますねラックさん」

「勿論だよ。私も、そしてレックもラルク君とは長い付き合いをしたいと思っているよ。今度もよろしくねラルク君」

 そう言った俺とラックさんは互いに向き合い笑顔で握手をした。それから、現在のレックの近況が知りたいとラックさんが言ったので、それなら直接会った方が早いと思った俺は紋経由でレックが今何処に居るか聞くと、中央都市に戻って来ているらしいのでラックさんと共に楽園に入りレックに会いに行った。
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