琉球お爺いの綺談

お爺の一考

義経嫌いな人のための源平合戦 vol.02

  義経は、後白河法皇には利用されていましたが、後鳥羽天皇陛下には嫌われていました。義経が壇ノ浦で、三種の神器を確保できなかったことで、後鳥羽陛下は神器抜きで、即位することとなりました。このことは、後の鎌倉幕府と朝廷の関係を悪化させる遠因となり、屋島を陥落させ、壇ノ浦で平家を滅亡へと追い詰めたことは、義経の失策ということになります。





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　義経に対して、歴史のｉｆを求めるならば、平家と妥協することにあります。
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　平家との妥協は、大輪田泊を平家から奪い、淡路島を確保することで、瀬戸内海の東側を源氏で確保します。決戦で平家を倒すのではなく、福原京と大輪田泊を確保し、一の谷に押し込めた状態で、畿内の支配体制を確立します。

　義経の進撃は、あまりにも性急な行動で在り、戦場で博打を打って、戦略でなく戦術と運で勝利する事しか考えていません。義経の行動が急ぎ過ぎていて、兵站はボロボロのまま、戦闘に戦闘を重ねています。特に山陽道を侵攻する、源範頼の軍勢は、最悪の兵站状況の中で、戦闘を強いられたため、勝っているように見える義経の引き立て役になっています。鎌倉の本軍とも言うべき、範頼軍を囮にするかのように、義経は戦場を荒らしまわります。攻撃の矛先は、敵の虚を突くことにのみ主眼を置いて、虚から実にするのを運に任せています。義経の行動は、兵法を誤解した行動であり、とてもではありませんが、真っ当な指揮官が行う行動ではありません。

　義経が真っ当な指揮官であれば、陸路で福原へ攻め込んで、大輪田泊を確保します。史実の義経は、この福原攻略にあたって、平家を騙し討ちしたと、平家側の書籍には書かれています。後白河法皇と平家が交渉している最中に、義経が戦端を開いて、一の谷に乱入したという説があります。しかしながら、この後白河法皇と平家との交渉は、源氏にとっては成立されると困るので、交渉を阻止するために攻撃にでたことソノモノは、間違っていません。

　当時、瀬戸内最大の港湾施設となりつつあった、大輪田泊（現在の神戸港）は、どうしても源氏側で確保する必要があります。平家が圧倒的な経済力を持てたのは、瀬戸内を通過して京洛に運ばれる物流を、平家一門で占有したことにあります。西国における源氏の勢力を確保するには、どうしても大輪田泊と難波を抑え、京洛への川筋を確保する必要があります。物流を最終的な消費地、京洛へ運ぶルートそのものを、源氏の手で確保することにあります。河内源氏や摂津源氏にとっては、本領の奪還という言い方もできます。

　熊野水軍を味方につけ、水軍を編成することができたら、淡路島攻略が戦略目標となります。大阪湾を征する位置にある淡路島は、瀬戸内海の海上ルートを確保するために、どうしても占領する必要があります。淡路島が確保できれば、瀬戸内の東側を征したこととなり、瀬戸内の海上交通を利用できるようになります。

　上町台地に拠点を設置して、畿内の兵粮を集めて、物資の集積拠点とします。山陽道沿いに進軍する、範頼軍を支援するため、難波湊から大輪田泊を経由して、山陽道沿いに兵粮を運べる体制を構築します。

　物資の搬送体制が確立すれば、瀬戸内海制圧に向けて、戦略目標を変更します。

　福原へ攻め込んで、淡路島の確保、物流体制を確立する。これらを実現するには、1年以上はかかると考えられ、ゆっくりと権益確保を図ります。瀬戸内の西側を抑えれば、瀬戸内の西側は、最終的に干上がります。これは、一大消費地である京洛までの物流ルートを、平氏が失ったことを意味するからです。