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劣化版

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後ろの席に陣取り前の席を睨んでいた。

まぁ王様気分だな、ただ睨んで居ただけなのに…なんで此奴ら震えているんだ?

俺は安全を考え後ろに座っているが…なんで両脇に誰も居ねーんだよ。

『何されるか解からねーだろうが』

此処は金森が俺の横に座るべきだろうが…

『攫い方』ひとつなってねーな。

俺が特攻隊長時代ならグーパン物だ。

まぁ良い…此奴ら俺に生殺与奪権を掴まれた状態だ…馬鹿じゃねーの。

弱小組織のままの訳だ。

「おい…一体、何の用なんだよ!」

「俺は知らないんだ…」

「俺も知らない」

どんだけ、俺が怖いんだか、震えながら話してもな…

迎えを寄越すならもう少し人選を考えるべきだ。

相手が対抗する族の頭だったら、こんな奴らを寄越したら沽券にかかわるし、攫うにしても能力不足だ。

「なぁ、本当に理由も聞いてねぇーの? 馬鹿にしているのか?」

「いや、本当に聞いてねーんだよ!…なぁ怒るなよ」

「金森は?」

もう此奴は敵決定だ。

先輩とつける意味はねーな。

「俺みたいな下っ端が知るわけねー」

随分舐めたもんだ。

ただの兵隊とそれ以下かよ。

「なぁ、さっきのした奴の中に幹部とか居たか」

「…居ない」

此奴ら本当に駄目だな。

そうこうしていると倉庫についた。

ハァ~相変わらず、こういう趣味なのか?

徳丸の身内らしいわ。

そのまま車ごと倉庫に入り車が止まった。

◆◆◆

やっぱりそうだ…金属パイプにバッド。

ヤバいな30名くらいは居る。

まぁ、甘そうだからどうにかなるか…

「ほら車から降りろよ」

わはははっ、この人数なのにビビッてやがんの

そのまま俺は運転手側の扉から車を降りた。

「それで、俺はこれからどうなるんだ?」

「名前がむかつくから徳ちゃんがしめるって言っていたぜ」

「このパイプ見て解んないのかぁ~可哀そうに」

一応此処も録画はしてある。

俺は二人が車から降りるのを見て、素早く運転席に乗り込む。

「貴様ぁぁぁぁぁー-逃げるのかー-っ」

馬鹿な奴、逃げねーよ。

俺はそのままワゴンを走らせ此奴らをはねる事にした。

人を跳ねるコツは跳ねた瞬間にブレーキを掛ける事。

こうする事により人は巻き込まれずに跳ね飛ばされていき、相手も死なない…まぁ障碍者になる可能性はあるが『それは喧嘩だからしょうがないよな。

キーは刺しっぱなしだった。

そのままエンジンを掛けた。

少しだけ窓を開けて「デスゲーム開始だぁぁー--っ」

俺がそう叫ぶと周りの奴らが金属パイプで車叩き出した。

「おらぁぁぁー-降りてこいや」

「閉じこもっていてもお前はもう終わりだ」

「殺すぞ」

馬鹿か、走らないと思って前側に回るなんて…甘いな。

勿論『俺は止まらない』軽く急発進してブレーキを掛ける。

これが、軽傷に跳ねるコツだ。

余程、運が悪く無ければ『死なない』し『派手にぶっ飛ぶ』まぁそれ以上は期待されても困るがな。

BGMを掛けながら鼻歌交じりで、跳ねる。

「うわぁぁぁぁー-っ伴くんが跳ねられたぞ…」

「此奴、気が狂っていやがる…喧嘩で車で跳ねる奴なんて…」

だが、俺はそれでは止まらない。

俺が昔やったやり方の『穴』だらけ版。

それで俺を倒せるわけがねぇ。

「おら、おら、おら、お前らすげー馬鹿だな、車と人間ぶつかればどちらが勝つか解りきっているだろうがー――っ」

とはいえ時速15キロ以下に制御しながらあてるように跳ねていく。

人が派手に飛ぶのは見ていて楽しい。

「うわぁぁぁぁー-やめろ」

「ふざけんなよ! これは喧嘩じゃねー、ただの犯罪だぁぁぁぁーー――っ」

「不良語る奴が犯罪語るなー-っ」

ドラム缶の裏に隠れたりしているがそれ事跳ねた。

自分の車じゃやりたくねーが…俺のじゃねーから痛くない。

跳ねて、跳ねて、跳ね続けた。

今度はバイクか…まぁ車が無いから仕方ないな。

「てめーっ殺してやるからなー――っ」

CB400Fか…此奴が徳ちゃんの身内だな…この愛車は徳ちゃんのだ。

なんだか懐かしいな。

顔がガタイが似ている…ああっ徳ちゃんみたいだ…

本当に馬鹿な所まで同じだ。

「お前は馬鹿か? バイクと車で喧嘩すれば…勝つのは車だ」

良く暴走族がバイクに乗りながら車を攻撃しているが…あれは相手が反撃しないから成り立つんだぜ。

もし、相手が幅寄せ、接触をすれば…それはバイク側の大きな事故になる。

徳ちゃんに似た顔…すげームカつく。

「おら、おらおらー――っ、さっさと降りやがれー-っ」

だから躊躇しないで『幅寄せ』をした。

「どうしたんだぃ? 徳ちゃん…ほらほら、ハンドル誤ると死んじゃうよ」

「うわぁぁぁぁー――っ」

そのまま俺はバイク事車で壁に押し付けた。

「ぎゃぁぁぁぁー――――っ」

そのまま徳丸はバイクから転がるように落ちた。


「貴様、殺してやるからなぁー-っ、お前らー-っ」

「やるのか?」

周りを見渡した。

まだ、半分くらいは無事だが…戦意は完全に喪失したようだ。

「いや…俺たちは…」

「これはタイマンだ、お前ら見ておけー-っ」

そう言いながら、俺はポケットからナイフを取り出した。

「止め、止め、止めろー――っ」

バイクで転んだ拍子に徳丸は足を折ったのか動けない。

俺は…その足を更にナイフで滅多刺しにした。

「うおぉぉぉぉー――っ」

だが、それだけで終わらす気は無い。

カイザーナックルを嵌めると両手を殴り潰した。

徳丸は足を刺した時に気絶したのか動かない。

これでもうバイクも喧嘩も真面にはできねーな。

俺はチャックを降ろして、徳丸に小便を掛けた。

此処迄やっても兵隊が動かない…此奴、徳ちゃんと違って人望が無いのか。

「あばばっ汚ねぇぇぇぇー-やめろー――っ」

「お前…もう終わったぜ…追ってこないならこれで終わりで良い…あのなぁ族をするなら『汚い奴』が居ないといけないんだぜ…お前達が『薄汚い』そう言っていた俺の身内だが…汚れ仕事を一身に引き受けていた。お前の身内が『全国制覇』なんて馬鹿な事いったから、真剣にな…だが、お前の身内の徳丸も川音も遊び半分だった…だからボコって出て行った、それだけだ」

「お前もそいつも、汚ねーだけじゃねーか?」

「ああっ、そうだ、だがそう言う奴が居ないと…こうなるんだ…お前ら…族は向いてねーよ…辞めちまえよ。辞める奴はジャンバーを捨てていけや…そうしたら追い打ちをかけないぜ」

「お前ら…今なら勝てる、やるんだ」

無理だな、約半分が車に跳ねられて重体だ。

「解った…こんな殺し合いみたいな事やってられるか」

ジャンバーを叩きつけるように投げ捨てると去っていった。

1人、1人…動ける奴は全員バイクに乗り去っていった。

「さて、残りだが…徳丸よぉー-これは内輪揉めだよな? 俺は関係ないよな!」

「貴様、何を言って」

「それ以外は言うんじゃねーよ」

「馬鹿言うな…警察」

「お前、不良の癖に警察に言う訳? そんな事したら人生終わるぞ…お前の家族…そうな母親とかある日突然、後ろから跳ねられて死んだりするかもな? 若い女のが家族に居たら、ある日突然攫われて犯された挙句死体で見つかるかもな? いやなら『身内同士の紛争』それでかたずけな..良いな…他の奴も! そうすればこれ以上の不幸は起きないぜ...」

「...」

「後、お前らが俺を拉致ろうとした動画もあるから訴えても、多分正当防衛だな」

俺は返事を待たずにそのまま倉庫を後にした。


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