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迎え
しおりを挟む「暫く揉めそうだから、登下校は別にしてくれ」
「相変わらずバイオレンスだねぇ~今度は何処と揉めそうなの?」
「ああっ黒狼会とちょっとな」
「あははははっ!田向良治の行く所に暴力と血ありだね。了解」
まぁ、女を襲うほどのクズじゃねーだろうが巻き沿いが怖いから少し距離を置くことにした。
まぁ、家には家族という名の奴隷がいるからそっち方面では不自由はしない。
無事パイプカットの後の2か月も過ぎたから『もう妊娠の可能性は無い』今日から生解禁だ。
◆◆◆
やはり来たか…相変わらずだ。
人通りの少ない場所にワゴンが近くに止まっている。
馬鹿な奴ら。
なんでチームジャンバー着ているのかね。
バレバレだ。
麻袋を持って後ろから被せようとしてきた。
本当に馬鹿だ…
だって、これ考えたのは『俺だ』
そこ迄の映像は小型カメラで撮影済みだ。
今は本当に便利だ。テントウムシ位の大きさのカメラを簡単に好きな所につけられる。
ここで動画を切って…俺はしゃがみ込んでサクッとナイフを一人の男の太腿に刺した。
まぁ軽い挨拶だ。
「うがぁぁぁー――っいきなりなにすんだぁぁぁぁー-」
「痛ぇぇぇぇぇー――――っ」
「馬鹿か? 麻袋持ちながら『監禁』しようとするのは見え見えなんだよ! それじゃ続きをしようか?な?」
俺は蹲って奴にジッポのオイルを掛けて火をつけた。
「うあわぁぁぁぁぁー-っ」
転げまわってやんの…それにもう一人いるのに…何やっているんだ?
「お前、なんでここ迄すんだよ…こんなの喧嘩じゃねーよ」
何泣き言言っているんだ。
「泣き言言う位なら不良やってんじゃねーよ!これだから『黒狼会』は嫌れーなんだよ! 馬鹿じゃねーか!」
ナイフでやっても良いがカイザーナックルを使う事にした。
アッパーの要領で顎を殴る。
「うごっうががががががががー――っ」
「あはははっ、狼らしくなったじゃねーか…顎って簡単に割れるんだぜ武器を使えばな…ほら、しゃがみ込むと大変だぞ」
俺は笑いながら同じようにオイルを掛けて燃やす。
此処迄してようやく車に居た人間がこちらにやってきた。
「お前ら、何やってんだ! ガキ一人攫えないのか役たたず…えっ」
「役に立たない兵隊だな、随分黒狼会も落ちたもんだ…全国制覇はしないのか…まぁお前らじゃ無理な話だな」
「お前、殺されてのーか?」
相も変わらず、こんなクズばかりか?
「あのよ…お前の所の初代の中に俺と同じ苗字の奴が居た筈だ」
「仲間をだまし討ちして逃げたクズがどうした」
「そいつが言っていた事だ、よく覚えておけ」
「なんだ…ぎゃぁぁっぐわっぐふっ」
本当に馬鹿だ…話しに集中しすぎだ。
「『殺すとか、殴るとかいう位なら手を出せ』ってな…覚えておけよ」
「ああっあががががっ」
三人をそのままにして俺はワゴン車の方に歩いていった。
「おい」
「うわぁぁぁー――」
まだ、金森の他に一人居た…運転手か?
「怯えなくていいぞ…乗ってやるから連れて行けよ…なぁ金森先輩、つまんない話だったら…覚えておけよ、あいつ等以上に酷いことになる」
「…」
「…」
二人してだんまりかよ。
「もういいや…さっさと車を出しやがれ」
「あいつら…」
「折角、スクラップにしたんだ、死にはしねーから放っておこうぜ…ほら車出せよ」
「いや」
「…」
「いやじゃねーんだよ! 俺を連れて行かないと困るんじゃねーのかよ? 嫌ならもう俺はついていかねーぞ」
「解った…すぐに出す」
痛みで動けない三人を置き去りにして車は走り出した。
流石に両脇を固めさせる程、うぬぼれはしねーよ。
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