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第7章 天下分け目の大決戦編
23.謁見
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数日後、祐藤は貞勝と祐宗を連れて創栄大神のいる創天御所へと向かった。
※深緑丸が創天御所
・創天御所(そうてんごしょ)
代々の大神が拠点とする場所。
創天国本島のほぼ中央に位置するこの場所に初代大神である創天大神が降り立ち、法力によって現在の御所が創建された事が創天国の始まりとされている。
また、その後に現在の創天国の地形が生成され、各地に住まう国民たちを産み出されたという。
御所の中央には天高くそびえる大きな杖がシンボルとして建設されており、これは創天国の建国時に国家の繁栄を願った創天大神が法力によって造り出されたという伝説が残されている。
やがて御所の前に到着した祐藤は真剣な表情をして言った。
祐藤
「これより我々は、畏れ多くも大神様に意見を述べねばならぬ。じゃが、太平の世を築く為には避けては通れぬ道である故に、心しておくが良い。」
貞勝
「はっ、しかと心得ております。」
祐宗
「太平の世に導くには、国全体が痛みを伴うこととなりましょう。その痛み、我ら志太家が少しでもお引き受けすることが責務にございます。」
祐藤らは、この国の創造主である神の末裔に会うという一世一代の出来事に気を引き締めていた。
すると、正装に身をまとった一人の人物が祐藤たちを迎えにやって来た。
その人物は祐藤に近付き、深々と頭を下げて言った。
「我は創栄大神様に仕えし神官の壮鳴と申します。本日はどうぞよろしくお願い申し上げます。」
・壮鳴神官(そうめいのしんかん)
創栄大神に仕える神職に就いた人物。
初代である創天大神の頃に神職に任命された壮仁を祖とする。
御所内においての内務及び外務を担当していたと言う。
・壮仁神官(そうにんのしんかん)
創天大神の神職として初めに任命された人物。
建国者である創天大神に代わって祭事など様々な催し事に携わったとされている。
また、神職任命にあたって創天大神は「創」の通字を使用する事を勧めたが、畏れ多いと感じた壮仁は同音の「壮」を用いて以後は神職の代々の通字としたと言う。
祐藤
「これはこれは、わざわざお迎えにいただき真に恐縮でございます。遅れ申しましたが、拙者 志太祐藤と申します。」
その神官の余りにも礼儀正しい様子に祐藤は畏まった様子で挨拶の言葉を述べた。
すると、壮鳴は驚いた様子で口を開く。
壮鳴
「なんと、そなたが志太祐藤殿にございますか。志太殿の噂は、御所でもかねがね伺っております。」
祐藤
「噂、にございますか…もしや、悪き噂が多いのではございませぬか。」
祐藤は、ばつが悪そうな苦い顔をしていた。
主家同然であった白河家に刃を向けてこれを滅ぼした事。
各国を策略によって貶めて併合を繰り返した事。
これらはいずれも国力を蓄えて志太家がこの乱世を生き残る為には必要な事であった。
しかし、逆の立場から見ると志太家は悪の存在として見られても仕方が無い事でもあった。
それは天下統一を成し遂げる為、という大義名分があるとは言えど、志太家による各国への侵略行為が繰り返されていた事は紛れもない事実である。
その様子を大神である創栄は、やはり良くは思っていないのであろうか。
さらには将軍家を見限ったうえで独立宣言した事もあってか、最悪のイメージを持っているに違いない。
これから創栄による非難の声が耳に入ってくるのであろうか…
祐藤はそう考えていた。
すると、壮鳴からは思いも寄らない言葉が出た。
壮鳴神官
「いえ、とんでもございません!大神様は志太殿をお慕い申されております。数ある大名家の中でも最も武家に相応しい御家であるとまで申されております。」
なんと、創栄は志太家に対して非常に友好的な姿勢であるという。
その言葉を聞いた祐藤は緊張した様子から一転し、安堵の表情を浮かべていた。
祐藤
「左様にございますか。拙者のような者が大神様からかように想っていただけるなど勿体無うございます。」
祐藤は恐縮しながらそう言った。
※深緑丸が創天御所
・創天御所(そうてんごしょ)
代々の大神が拠点とする場所。
創天国本島のほぼ中央に位置するこの場所に初代大神である創天大神が降り立ち、法力によって現在の御所が創建された事が創天国の始まりとされている。
また、その後に現在の創天国の地形が生成され、各地に住まう国民たちを産み出されたという。
御所の中央には天高くそびえる大きな杖がシンボルとして建設されており、これは創天国の建国時に国家の繁栄を願った創天大神が法力によって造り出されたという伝説が残されている。
やがて御所の前に到着した祐藤は真剣な表情をして言った。
祐藤
「これより我々は、畏れ多くも大神様に意見を述べねばならぬ。じゃが、太平の世を築く為には避けては通れぬ道である故に、心しておくが良い。」
貞勝
「はっ、しかと心得ております。」
祐宗
「太平の世に導くには、国全体が痛みを伴うこととなりましょう。その痛み、我ら志太家が少しでもお引き受けすることが責務にございます。」
祐藤らは、この国の創造主である神の末裔に会うという一世一代の出来事に気を引き締めていた。
すると、正装に身をまとった一人の人物が祐藤たちを迎えにやって来た。
その人物は祐藤に近付き、深々と頭を下げて言った。
「我は創栄大神様に仕えし神官の壮鳴と申します。本日はどうぞよろしくお願い申し上げます。」
・壮鳴神官(そうめいのしんかん)
創栄大神に仕える神職に就いた人物。
初代である創天大神の頃に神職に任命された壮仁を祖とする。
御所内においての内務及び外務を担当していたと言う。
・壮仁神官(そうにんのしんかん)
創天大神の神職として初めに任命された人物。
建国者である創天大神に代わって祭事など様々な催し事に携わったとされている。
また、神職任命にあたって創天大神は「創」の通字を使用する事を勧めたが、畏れ多いと感じた壮仁は同音の「壮」を用いて以後は神職の代々の通字としたと言う。
祐藤
「これはこれは、わざわざお迎えにいただき真に恐縮でございます。遅れ申しましたが、拙者 志太祐藤と申します。」
その神官の余りにも礼儀正しい様子に祐藤は畏まった様子で挨拶の言葉を述べた。
すると、壮鳴は驚いた様子で口を開く。
壮鳴
「なんと、そなたが志太祐藤殿にございますか。志太殿の噂は、御所でもかねがね伺っております。」
祐藤
「噂、にございますか…もしや、悪き噂が多いのではございませぬか。」
祐藤は、ばつが悪そうな苦い顔をしていた。
主家同然であった白河家に刃を向けてこれを滅ぼした事。
各国を策略によって貶めて併合を繰り返した事。
これらはいずれも国力を蓄えて志太家がこの乱世を生き残る為には必要な事であった。
しかし、逆の立場から見ると志太家は悪の存在として見られても仕方が無い事でもあった。
それは天下統一を成し遂げる為、という大義名分があるとは言えど、志太家による各国への侵略行為が繰り返されていた事は紛れもない事実である。
その様子を大神である創栄は、やはり良くは思っていないのであろうか。
さらには将軍家を見限ったうえで独立宣言した事もあってか、最悪のイメージを持っているに違いない。
これから創栄による非難の声が耳に入ってくるのであろうか…
祐藤はそう考えていた。
すると、壮鳴からは思いも寄らない言葉が出た。
壮鳴神官
「いえ、とんでもございません!大神様は志太殿をお慕い申されております。数ある大名家の中でも最も武家に相応しい御家であるとまで申されております。」
なんと、創栄は志太家に対して非常に友好的な姿勢であるという。
その言葉を聞いた祐藤は緊張した様子から一転し、安堵の表情を浮かべていた。
祐藤
「左様にございますか。拙者のような者が大神様からかように想っていただけるなど勿体無うございます。」
祐藤は恐縮しながらそう言った。
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