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第6章 風雲志太家編
52.家春の危惧
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一方、志太家では宗重による柳家への工作が成功した事を受け、祐藤は志天城に宗重と秋庭家春を招いていた。
祐藤
「宗重殿、此度の工作は大儀であった。約束通り、そなたの配下たちを正式な志太家の家臣として迎えようぞ。」
宗重
「ははっ、真に有難きお言葉にございます。」
こうして宗重の配下であった忍衆は、志太家の家臣として取り入れられる事となった。
その実力は、竹呉島忍衆と肩を並べるほどの実力であったと言われており、志太家はこの二大忍衆を手中に収めたのである。
祐藤
「さて、これで柳家を攻める準備はどうやら整ったようじゃな。」
すると、家晴が祐藤に対して訴えかけるような目をして口を開いた。
家春
「その事ですが祐藤殿、少しよろしゅうございますか。」
祐藤
「これは家春殿、何かおありですかな。」
祐藤は家晴による突然の発言に耳を傾けていた。
家春
「幸盛亡き後に参謀であった柊晴清殿が柳家に呼び戻され、当主の座に就いたとの情報があります。晴清殿もまた幸盛と同じく極めて非道な男である故、油断は禁物にございます。」
家晴は、宗重による工作が成功した後に情報を得るために忍を派遣して様子を探っていたようである。
その中で、幸盛の後継者として柊晴清が正式に後継者として認められたという情報を手に入れていた。
祐藤
「ほう、柊晴清という男はそんなに危険と申すのか。」
家晴
「はい。それに、拙者が過去に柳家に赴いた際に感じた事なのでございますが、柳家の家臣たちは皆が幸盛のような極悪非道な思想を持たれているように思えます。」
祐藤
「ふむ、家臣たちは皆が幸盛の色に染まっておると申すか。じゃとすれば、悪の団結力ほど真に厄介なものはござらぬな…」
柳家において幸盛の影響力は凄まじいものであったという。
特に幸盛は人を洗脳させるという能力に長けており、晴清を始めとした家臣らに自身の思想を植え付けていたのだ。
そして、この洗脳は幸盛が亡くなった後でも解ける事は無かった。
それどころか、一部の家臣たちの間では亡くなった幸盛を神格化し、その名の元に悪行を重ねている者もいるという。
彼らには「同盟」や「和睦」といった言葉は通用しない。
その代わりに「威圧」や「脅迫」など物騒な言葉のみを良しとする思想が柳家を取り巻いていた。
家春
「それ故に我ら秋庭家は御家存続の為、ただただ柳家に従うしか手は無かったのでございます。」
家春は、過去の自分自身の弱さに対して非常に悔やんだ様子であった。
祐藤
「家春殿は相当な苦労を強いられたようでござるな。じゃが今後は秋庭家の繁栄に我が志太家も協力いたす故、心配なさるでない。」
祐藤は家春になだめるような様子でそう言った。
家春
「拙者、一度は志太殿に刃を向けた身。されどかような有難きお言葉をいただけた事を心より感謝いたしております。」
家春の目には今にも溢れんばかりの涙が溜まっていた。
祐藤
「宗重殿、此度の工作は大儀であった。約束通り、そなたの配下たちを正式な志太家の家臣として迎えようぞ。」
宗重
「ははっ、真に有難きお言葉にございます。」
こうして宗重の配下であった忍衆は、志太家の家臣として取り入れられる事となった。
その実力は、竹呉島忍衆と肩を並べるほどの実力であったと言われており、志太家はこの二大忍衆を手中に収めたのである。
祐藤
「さて、これで柳家を攻める準備はどうやら整ったようじゃな。」
すると、家晴が祐藤に対して訴えかけるような目をして口を開いた。
家春
「その事ですが祐藤殿、少しよろしゅうございますか。」
祐藤
「これは家春殿、何かおありですかな。」
祐藤は家晴による突然の発言に耳を傾けていた。
家春
「幸盛亡き後に参謀であった柊晴清殿が柳家に呼び戻され、当主の座に就いたとの情報があります。晴清殿もまた幸盛と同じく極めて非道な男である故、油断は禁物にございます。」
家晴は、宗重による工作が成功した後に情報を得るために忍を派遣して様子を探っていたようである。
その中で、幸盛の後継者として柊晴清が正式に後継者として認められたという情報を手に入れていた。
祐藤
「ほう、柊晴清という男はそんなに危険と申すのか。」
家晴
「はい。それに、拙者が過去に柳家に赴いた際に感じた事なのでございますが、柳家の家臣たちは皆が幸盛のような極悪非道な思想を持たれているように思えます。」
祐藤
「ふむ、家臣たちは皆が幸盛の色に染まっておると申すか。じゃとすれば、悪の団結力ほど真に厄介なものはござらぬな…」
柳家において幸盛の影響力は凄まじいものであったという。
特に幸盛は人を洗脳させるという能力に長けており、晴清を始めとした家臣らに自身の思想を植え付けていたのだ。
そして、この洗脳は幸盛が亡くなった後でも解ける事は無かった。
それどころか、一部の家臣たちの間では亡くなった幸盛を神格化し、その名の元に悪行を重ねている者もいるという。
彼らには「同盟」や「和睦」といった言葉は通用しない。
その代わりに「威圧」や「脅迫」など物騒な言葉のみを良しとする思想が柳家を取り巻いていた。
家春
「それ故に我ら秋庭家は御家存続の為、ただただ柳家に従うしか手は無かったのでございます。」
家春は、過去の自分自身の弱さに対して非常に悔やんだ様子であった。
祐藤
「家春殿は相当な苦労を強いられたようでござるな。じゃが今後は秋庭家の繁栄に我が志太家も協力いたす故、心配なさるでない。」
祐藤は家春になだめるような様子でそう言った。
家春
「拙者、一度は志太殿に刃を向けた身。されどかような有難きお言葉をいただけた事を心より感謝いたしております。」
家春の目には今にも溢れんばかりの涙が溜まっていた。
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