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僕のやるべき事
23.改善案
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「へぇ、そんな事がね。」
「僕の対応、間違ってましたか?」
「いいや、全然。とても良い対応だったと思うよ。」
邸に帰ってきてから父様の執務室で母様と父様に孤児院での出来事を報告した。
帰りの馬車で母様が 、俺にだけ先に!としつこかったがミッキィの「ソラ様の二度手間でしょう!」と何度も言われて漸く静かになった。
僕も帰りの馬車ではまだあの対応で良かったのか不安で心臓バクバクだったから、今やっと父様に「とても良い対応だった」と言われてホッとした。
でも不安な中で父様に上手く伝えられなくて、エディスにちょいちょい助け舟を出してもらっちゃったけど。
「でもソラは凄いね。普通いきなりそんな場面に出会したらそんな対応は出来ないよ。なんで出来たの?俺だったらやり返してるかも。」
「やり返すのはちょっとダメだと思います。」
母様の発言に、この場にルナが居なくて良かったと思う。まだ何でもかんでも本気で受け取っちゃうから。特に母様はルナの中でも特別だから、僕もやり返す!とか声高々に宣言しそうだ。
「ガイ、もう子爵なんだからそれなりの対応をしないとダメだよ?」
「あっはい。」
父様の母様を見る目線が厳しい。これはお仕置コースと言うやつなのだろうか。母様が途端に静かになった。
「何か、お父さんの影響かな?仕事によく連れて行って貰ってたんだっけ?」
父様が母様の疑問を再度優しく聞いてくれる。
僕はあの時思い出した父さんの言葉を伝えた。
「はい。父さんは村長の相談役という立場で、村で実質上から2番目でした。父さんは上に立つ者として、公正であること。そして皆の意見を聞くこと。出来ないことはきちんと理由を説明する事。それから、初手で舐められたら終わる、と教えて貰っていました。」
「なるほど。良いお父さんだね。」
そう言って父様は僕の頭にポンと手を乗せた。
へへへ。僕と父さんが褒められて嬉しい。
「あの、それで彼の要望は叶えられそうですか?」
僕が聞くと父様は少し考えてから答えてくれた。
「ああ、どうだろうね。直ぐには答えは出せないけれど。」
「別に自分の食い扶持くらい自分で稼いで何の問題があるんだ?って俺は思うけど。」
母様があっけからんと答えると父様の目がまた厳しくなった。
「ガイ?まずこの領内の仕事するのに年齢の制限が無かったかとか、問題なかった場合に何の仕事をやらせられるか、とか他にも確認が色々あるでしょ。」
「っはい、そうでした。あ!そうだ。ちょっと距離あるから通いは難しいかも知れないけど、温泉の方でも案内係とかさ、子供でも出来る事あるし、領内のルールでダメだったら良い方向に変えちゃえば良いし。出来る事はあるのにルールが障害でやらないのは勿体なくない?だって現に困ってるんでしょ?俺も教会の人から色々足りないって言われたし。渡すのは簡単だけど、なくなったらそれで終わりだし。人に頼らないで廻せるようになれるならそれが1番だよね?」
そういえば、母様は温泉施設の人手が足りないと事ある毎にボヤいている。
確かに、人手が足りないのなら、子供でも働きたいのなら、できる範囲で働けばいいと僕も思った。
「っ!そう出来たら僕も嬉しいです!あの、正式なお仕事じゃ無くても見習いとかでお駄賃程度でも違うと思いますし。」
「そうだよね!」
「っはい!」
「あー、はいはい。2人で意気投合してないで。ガイ、ソラと2人で企画書立案してなるべく早く出してね。ガイの行動の速さが今回の件に直結するからね?」
「分かりました!」
「僕も頑張ります!」
子爵位を賜ったのは母様のはずなのに、まるで父様が子爵位を賜ったみたいにテキパキ指示している。なんか変な感じがするけど、うちってこれが普通なんだよなぁ。
父様はうちのボス?あながち間違って無いかもしれない。
「よっしゃ、じゃあソラこの後2人で、」
「「ガイ」ウス様」
「この後別の仕事でしょ?」
「この後は溜まっている書類を捌いて貰わないといけませんよ。」
母様がこの後の仕事を逃れようとしたところを父様とミッキィが声を揃えて引き止めた。
母様は悔しそうな顔をして「うぅぅ」と唸っている。
「母様、明日はお時間ありますか?」
「えーと、」
「明日は昼食後に余裕がありますよ。」
さすがミッキィ。母様のスケジュールはバッチリ把握している。
「じゃあそれまでに僕が考えたの一覧にしてきますね!」
「うん!よろしくソラ!企画書出したら後はやってくれるみたいだし!」
あれ?父様後はやってあげるってはっきり言ってたっけ?
「何言ってんの?その後も一緒にやるんだよ?ガイ?」
「んぇ?あ、あー、そうだよね。一緒にやろうねイル!」
思った通りやっぱりこうなった。
うん、母様と父様って面白いな。
「では僕は部屋に戻りますね。」
「うん、今日はお疲れーソラ。」
「お疲れ様。」
部屋に戻ったら、早速今頭に浮かんでるのをリスト化しようっと。
「僕の対応、間違ってましたか?」
「いいや、全然。とても良い対応だったと思うよ。」
邸に帰ってきてから父様の執務室で母様と父様に孤児院での出来事を報告した。
帰りの馬車で母様が 、俺にだけ先に!としつこかったがミッキィの「ソラ様の二度手間でしょう!」と何度も言われて漸く静かになった。
僕も帰りの馬車ではまだあの対応で良かったのか不安で心臓バクバクだったから、今やっと父様に「とても良い対応だった」と言われてホッとした。
でも不安な中で父様に上手く伝えられなくて、エディスにちょいちょい助け舟を出してもらっちゃったけど。
「でもソラは凄いね。普通いきなりそんな場面に出会したらそんな対応は出来ないよ。なんで出来たの?俺だったらやり返してるかも。」
「やり返すのはちょっとダメだと思います。」
母様の発言に、この場にルナが居なくて良かったと思う。まだ何でもかんでも本気で受け取っちゃうから。特に母様はルナの中でも特別だから、僕もやり返す!とか声高々に宣言しそうだ。
「ガイ、もう子爵なんだからそれなりの対応をしないとダメだよ?」
「あっはい。」
父様の母様を見る目線が厳しい。これはお仕置コースと言うやつなのだろうか。母様が途端に静かになった。
「何か、お父さんの影響かな?仕事によく連れて行って貰ってたんだっけ?」
父様が母様の疑問を再度優しく聞いてくれる。
僕はあの時思い出した父さんの言葉を伝えた。
「はい。父さんは村長の相談役という立場で、村で実質上から2番目でした。父さんは上に立つ者として、公正であること。そして皆の意見を聞くこと。出来ないことはきちんと理由を説明する事。それから、初手で舐められたら終わる、と教えて貰っていました。」
「なるほど。良いお父さんだね。」
そう言って父様は僕の頭にポンと手を乗せた。
へへへ。僕と父さんが褒められて嬉しい。
「あの、それで彼の要望は叶えられそうですか?」
僕が聞くと父様は少し考えてから答えてくれた。
「ああ、どうだろうね。直ぐには答えは出せないけれど。」
「別に自分の食い扶持くらい自分で稼いで何の問題があるんだ?って俺は思うけど。」
母様があっけからんと答えると父様の目がまた厳しくなった。
「ガイ?まずこの領内の仕事するのに年齢の制限が無かったかとか、問題なかった場合に何の仕事をやらせられるか、とか他にも確認が色々あるでしょ。」
「っはい、そうでした。あ!そうだ。ちょっと距離あるから通いは難しいかも知れないけど、温泉の方でも案内係とかさ、子供でも出来る事あるし、領内のルールでダメだったら良い方向に変えちゃえば良いし。出来る事はあるのにルールが障害でやらないのは勿体なくない?だって現に困ってるんでしょ?俺も教会の人から色々足りないって言われたし。渡すのは簡単だけど、なくなったらそれで終わりだし。人に頼らないで廻せるようになれるならそれが1番だよね?」
そういえば、母様は温泉施設の人手が足りないと事ある毎にボヤいている。
確かに、人手が足りないのなら、子供でも働きたいのなら、できる範囲で働けばいいと僕も思った。
「っ!そう出来たら僕も嬉しいです!あの、正式なお仕事じゃ無くても見習いとかでお駄賃程度でも違うと思いますし。」
「そうだよね!」
「っはい!」
「あー、はいはい。2人で意気投合してないで。ガイ、ソラと2人で企画書立案してなるべく早く出してね。ガイの行動の速さが今回の件に直結するからね?」
「分かりました!」
「僕も頑張ります!」
子爵位を賜ったのは母様のはずなのに、まるで父様が子爵位を賜ったみたいにテキパキ指示している。なんか変な感じがするけど、うちってこれが普通なんだよなぁ。
父様はうちのボス?あながち間違って無いかもしれない。
「よっしゃ、じゃあソラこの後2人で、」
「「ガイ」ウス様」
「この後別の仕事でしょ?」
「この後は溜まっている書類を捌いて貰わないといけませんよ。」
母様がこの後の仕事を逃れようとしたところを父様とミッキィが声を揃えて引き止めた。
母様は悔しそうな顔をして「うぅぅ」と唸っている。
「母様、明日はお時間ありますか?」
「えーと、」
「明日は昼食後に余裕がありますよ。」
さすがミッキィ。母様のスケジュールはバッチリ把握している。
「じゃあそれまでに僕が考えたの一覧にしてきますね!」
「うん!よろしくソラ!企画書出したら後はやってくれるみたいだし!」
あれ?父様後はやってあげるってはっきり言ってたっけ?
「何言ってんの?その後も一緒にやるんだよ?ガイ?」
「んぇ?あ、あー、そうだよね。一緒にやろうねイル!」
思った通りやっぱりこうなった。
うん、母様と父様って面白いな。
「では僕は部屋に戻りますね。」
「うん、今日はお疲れーソラ。」
「お疲れ様。」
部屋に戻ったら、早速今頭に浮かんでるのをリスト化しようっと。
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