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第9話 宿屋の食事
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シャリーから説明があった異世界の事を簡潔にまとめると。
貨幣は世界共通で小銅貨、銅貨、銀貨、金貨、白金貨の五種類。
小銅貨は前世でいう十円玉に相当し、十枚で銅貨一枚。
銅貨からは百枚で銀貨一枚になり、銀貨百枚で金貨一枚となるようだ。
小銅貨十円。
銅貨百円。
銀貨一万円。
金貨百万円。
白金貨一億円。
大体こんな感じだ。平民は小銅貨、銅貨、銀貨を主に扱っているみたい。
冒険者に関しては全部で五つのランクがあり、EランクからAランクまであり、冒険者のランクを示すプレートは色に分かれていて、最低ランクのEランクは黒色、Dランクは白色、Cランクは黄色、Bランクは緑色、Aランクは青色だそうだ。
今は不在らしいが、この上に赤色プレートが存在してSランクというみたいだが、その条件は非常に難しらしく、今は空席となっているそうだ。
シャリーは真ん中のCランク冒険者だけど、彼女の言い分から考えると大半の冒険者がEランクかDランクのようで、Cランクというだけで相当実績を積んだ事が分かるという。Cランク冒険者から冒険者の中では上位と呼ばれているようだ。
「と、こんなところなので、そろそろお腹も空いたし、ご飯にしない?」
「すまない。俺は金を持っていないので――――」
「知っているよ~ここは私に出させて~」
「いいのか?」
「だって、まだお金もないアルマくんを放置したくはないもの。それにこれはある意味――――投資だよ」
「投資?」
シャリーが右手の人差し指を立てる。
「神獣である朱雀様をおふたりも連れているアルマくん。それだけで君の強さはとんでもないモノだよ。そんな君と仲良くしておくことに、私にとってもメリットがあるの。ね?」
なるほど。
妹弟が神獣朱雀である事は事実であり、シャリーにとってはそれも十分な理由になるのか。
少なくとも、俺も受けた恩義は返したいと思うので、シャリーの思惑通りになっている気もするが悪い感じは全くしない。
「分かった。ここまでお世話になったんだ。よろしく頼む」
「任せておいて~!」
シャリーと共に一階に向かい、先にテーブルで待っている間に、シャリーがカウンターに行ってきた。
「ん? シャリー? どうしたんだ?」
「へ? な、な、何でもないよ!」
顔が真っ赤になって帰って来たシャリーだった。
何か言いかけては言い辞めを繰り返していると、「おまちどお~」という声と共に、女の子が飲み物や前菜を持ってきてくれた。
大きなジョッキには白い飲み物が入っていて、前菜は美味しそうな野菜盛り合わせだ。
運ばれた飲み物で乾杯をして、早速飲み込む。
味はものすごく濃い牛乳だ。
【僕、これ凄く好きかも~!】
ルークはこの牛乳みたいなのが好きなのか。覚えておこう。
「これはね。ゴブレ牛乳という飲み物なの。このセラオル王国では食事と共に飲む定番の飲み物だよ~」
「ほぉ! 覚えておこう。ルークが凄く好きみたい」
シャリーは大皿の前菜を自分の小皿に分けて俺に渡して、こちらの小皿を受け取る。
奢ってもらった上にここまで気を使わせてしまうのなんて、俺っていいとこ一つもないなと思いながらも、せっかくの食事を続ける。
野菜はレタスやニンジンにトマトなどおなじみの野菜が色とりどりで、前世で馴染んでいたのもあり、とても美味しい。
アルキバガン森では野菜は大きなセロリとか白菜とかばかりだった。
そして、一番違うところはドレッシングだ。
甘酸っぱいドレッシングがとても美味しくて、野菜本来が持つ旨味を思う存分引き出してくれて飲み物ともとても合う。
「アルマくんはこれからどうするの?」
「そうだな。世界を歩き回ろうと思ってる」
「世界を?」
「まぁ、色々事情があってな」
「ふう~ん」
今度は主食と思われるパンとステーキが運ばれてきた。
ステーキは熱い鉄板の上から肉らしさを全面的に感じられる音を鳴らす。
いつもお肉を焼いて食べていたけど、ステーキのようにして食べるのは初めてだな。
ナイフを当てるとすーっと切れる。
ゆっくりと口の中に入れると、口の中に活気溢れる美味しさが広がっていく。
特性タレがまたステーキ本来の味を存分に出してくれる。
「ん~! こんなに美味しいステーキは初めてだよ!」
「ふふふ~! 安らぎの木の名物ステーキなんだよ? 凄く美味しいでしょう?」
「ああ。こんなに美味しいステーキなら毎日食べたくなりそうだよ」
「うふふ~アルマくんも冒険者になれば、私よりもずっと稼げると思うから毎日食べられるよ?」
冒険者になれば、毎日美味しいステーキか…………悪くないな。
半神半人になって胃袋が神獣のモノとなっているから、いくらでも食べられるんだよな。
いっそのこと、世界を歩き回りながら美味しいモノを食べ回る生活も中々良いかも知れない。
「それに冒険者になると、もっと良い事があるよ?」
「もっと良い事?」
「アルマくんがもしこの先、世界を歩き回るのなら冒険者となって高ランクになれば、どこに行っても歓迎されるし、街にも自由に入れるからね。まぁ、依頼を押し付けられたりはすると思うけど」
依頼を押し付けられるか。それがあるなら少し迷う部分でもあるな。
「ふふっ。でも大丈夫だと思うよ。アルマくんならきっと」
不思議と彼女の笑顔はとても説得力があって、俺も冒険者になりたいと思えた。
「何から何までごめん……」
「う、ううん! し、し、仕方ないから!」
お金がなければ宿屋に泊る事もできない。時間はもう夜遅かったので、シャリーの厚意で宿賃まで貸して貰う事になったのだが――――まさか部屋が空いてないという事態に。
元々すべての部屋が二人で泊まれるように作られているからと、そのままシャリーの部屋に泊る事となった。
さすがに同じベッドで眠るのは厳しいと思ったのだが、シャリー曰く朱雀様の前で自分だけベッドで眠るのはできないと床で寝るから妹弟をベッドで眠らせたいとの申し出があった。
それはあまりにも理不尽すぎるという事もあり、全員でベッドで眠る事になった。
真ん中にクレアとその左右に俺とシャリー。ルークはその反対側で俺の隣で眠った。
貨幣は世界共通で小銅貨、銅貨、銀貨、金貨、白金貨の五種類。
小銅貨は前世でいう十円玉に相当し、十枚で銅貨一枚。
銅貨からは百枚で銀貨一枚になり、銀貨百枚で金貨一枚となるようだ。
小銅貨十円。
銅貨百円。
銀貨一万円。
金貨百万円。
白金貨一億円。
大体こんな感じだ。平民は小銅貨、銅貨、銀貨を主に扱っているみたい。
冒険者に関しては全部で五つのランクがあり、EランクからAランクまであり、冒険者のランクを示すプレートは色に分かれていて、最低ランクのEランクは黒色、Dランクは白色、Cランクは黄色、Bランクは緑色、Aランクは青色だそうだ。
今は不在らしいが、この上に赤色プレートが存在してSランクというみたいだが、その条件は非常に難しらしく、今は空席となっているそうだ。
シャリーは真ん中のCランク冒険者だけど、彼女の言い分から考えると大半の冒険者がEランクかDランクのようで、Cランクというだけで相当実績を積んだ事が分かるという。Cランク冒険者から冒険者の中では上位と呼ばれているようだ。
「と、こんなところなので、そろそろお腹も空いたし、ご飯にしない?」
「すまない。俺は金を持っていないので――――」
「知っているよ~ここは私に出させて~」
「いいのか?」
「だって、まだお金もないアルマくんを放置したくはないもの。それにこれはある意味――――投資だよ」
「投資?」
シャリーが右手の人差し指を立てる。
「神獣である朱雀様をおふたりも連れているアルマくん。それだけで君の強さはとんでもないモノだよ。そんな君と仲良くしておくことに、私にとってもメリットがあるの。ね?」
なるほど。
妹弟が神獣朱雀である事は事実であり、シャリーにとってはそれも十分な理由になるのか。
少なくとも、俺も受けた恩義は返したいと思うので、シャリーの思惑通りになっている気もするが悪い感じは全くしない。
「分かった。ここまでお世話になったんだ。よろしく頼む」
「任せておいて~!」
シャリーと共に一階に向かい、先にテーブルで待っている間に、シャリーがカウンターに行ってきた。
「ん? シャリー? どうしたんだ?」
「へ? な、な、何でもないよ!」
顔が真っ赤になって帰って来たシャリーだった。
何か言いかけては言い辞めを繰り返していると、「おまちどお~」という声と共に、女の子が飲み物や前菜を持ってきてくれた。
大きなジョッキには白い飲み物が入っていて、前菜は美味しそうな野菜盛り合わせだ。
運ばれた飲み物で乾杯をして、早速飲み込む。
味はものすごく濃い牛乳だ。
【僕、これ凄く好きかも~!】
ルークはこの牛乳みたいなのが好きなのか。覚えておこう。
「これはね。ゴブレ牛乳という飲み物なの。このセラオル王国では食事と共に飲む定番の飲み物だよ~」
「ほぉ! 覚えておこう。ルークが凄く好きみたい」
シャリーは大皿の前菜を自分の小皿に分けて俺に渡して、こちらの小皿を受け取る。
奢ってもらった上にここまで気を使わせてしまうのなんて、俺っていいとこ一つもないなと思いながらも、せっかくの食事を続ける。
野菜はレタスやニンジンにトマトなどおなじみの野菜が色とりどりで、前世で馴染んでいたのもあり、とても美味しい。
アルキバガン森では野菜は大きなセロリとか白菜とかばかりだった。
そして、一番違うところはドレッシングだ。
甘酸っぱいドレッシングがとても美味しくて、野菜本来が持つ旨味を思う存分引き出してくれて飲み物ともとても合う。
「アルマくんはこれからどうするの?」
「そうだな。世界を歩き回ろうと思ってる」
「世界を?」
「まぁ、色々事情があってな」
「ふう~ん」
今度は主食と思われるパンとステーキが運ばれてきた。
ステーキは熱い鉄板の上から肉らしさを全面的に感じられる音を鳴らす。
いつもお肉を焼いて食べていたけど、ステーキのようにして食べるのは初めてだな。
ナイフを当てるとすーっと切れる。
ゆっくりと口の中に入れると、口の中に活気溢れる美味しさが広がっていく。
特性タレがまたステーキ本来の味を存分に出してくれる。
「ん~! こんなに美味しいステーキは初めてだよ!」
「ふふふ~! 安らぎの木の名物ステーキなんだよ? 凄く美味しいでしょう?」
「ああ。こんなに美味しいステーキなら毎日食べたくなりそうだよ」
「うふふ~アルマくんも冒険者になれば、私よりもずっと稼げると思うから毎日食べられるよ?」
冒険者になれば、毎日美味しいステーキか…………悪くないな。
半神半人になって胃袋が神獣のモノとなっているから、いくらでも食べられるんだよな。
いっそのこと、世界を歩き回りながら美味しいモノを食べ回る生活も中々良いかも知れない。
「それに冒険者になると、もっと良い事があるよ?」
「もっと良い事?」
「アルマくんがもしこの先、世界を歩き回るのなら冒険者となって高ランクになれば、どこに行っても歓迎されるし、街にも自由に入れるからね。まぁ、依頼を押し付けられたりはすると思うけど」
依頼を押し付けられるか。それがあるなら少し迷う部分でもあるな。
「ふふっ。でも大丈夫だと思うよ。アルマくんならきっと」
不思議と彼女の笑顔はとても説得力があって、俺も冒険者になりたいと思えた。
「何から何までごめん……」
「う、ううん! し、し、仕方ないから!」
お金がなければ宿屋に泊る事もできない。時間はもう夜遅かったので、シャリーの厚意で宿賃まで貸して貰う事になったのだが――――まさか部屋が空いてないという事態に。
元々すべての部屋が二人で泊まれるように作られているからと、そのままシャリーの部屋に泊る事となった。
さすがに同じベッドで眠るのは厳しいと思ったのだが、シャリー曰く朱雀様の前で自分だけベッドで眠るのはできないと床で寝るから妹弟をベッドで眠らせたいとの申し出があった。
それはあまりにも理不尽すぎるという事もあり、全員でベッドで眠る事になった。
真ん中にクレアとその左右に俺とシャリー。ルークはその反対側で俺の隣で眠った。
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