俺を裏切り大切な人を奪った勇者達に復讐するため、俺は魔王の力を取り戻す

俺はただ浮かれていた。
妹と俺、弱々コンビな冒険者の俺達を、勇者パーティーが迎え入れてくれたことを、純粋に喜んでいたんだ。

魔王さえも倒したとされる熟練パーティーは伝説で…けれどそれは本当にただの伝説で真実とは違うと知ったのはすぐ。愛する妹の死によって、勇者パーティーはただのクズだと知ることとなる。

奴らはただ生贄を探していただけなんだ。自分達のコマとなり、踏み台となる者を探していただけだった。

妹を失い、俺自身も死にかけたその時、俺は全てを──前世を思い出す。
そうだ、俺はかつて汚い手で勇者達に倒された、純粋に魔族を大切に思い守ろうとした、善良な魔王だったのだ。

全て思い出した俺は勇者に復讐するために、かつての魔王の力を取り戻す旅に出る。


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【筆者注】ダークです、ご注意ください