43 / 74
42話 決心
しおりを挟む
「よぉし。一旦休憩しようぜ」
頃合を見て俺はソファに体を預けた。
休みの日に三時間も勉強なんて……まぁ、仕方がないか。あぁあ、早くテスト終わってくれねぇかなぁ。
「そうだね。わたしも結構疲れちゃった」
「じゃあ、俺はお菓子とか持ってくるわ」
確か廊下にある物入れにお菓子の類が沢山あったはずだ。冷蔵庫の隣にあるお菓子には親からの脅迫メッセージが付いてたし……。どんだけポテチを食いたいねん。
とりあえず適当に色んなもん持ってくか。
~~~~
~姫乃視点~
「瑠魅ちゃん。一つだけ気になってることがあるんだけどさ……聞いても良いかな?」
「ん?なに?」
蓮君が廊下に出たのを確認してわたしは瑠魅ちゃんにずっと聞きたかった事を聞くことにした。
やっぱり、本人が居る前では確認しにくいもんね。
「瑠魅ちゃんはさ……蓮君の事、好き、なの?」
瑠魅ちゃんが転校してきた時から蓮君との距離感に違和感を感じていたけど、なんと言うか、最近は二人の距離が近い気がしてならない。
もし……本当にもし、私の思っているような関係だったら……。
こんなこと想像もしたくない。だって……わたしは……。
「それは……どういう意味での?」
「そ、それはもちろん……恋愛的な意味で、だよ」
不安が積もっていく。でも、今聞かないときっと後悔する。聞いたところで後悔するかもしれないけど、このままじゃダメだって思う。
この答え次第ではわたしにも勇気が出てくるかもしれない。
「………私にその資格は無いよ。でも………好きだよ、私は」
「資格がない?それってどういうこと?」
「私のせいで蓮翔が苦しむことに……私が巻き込んじゃったの」
「瑠魅、ちゃん?」
もしかしてわたし、聞いちゃいけないこと聞いちゃった……?
「ご、ごめん、瑠魅ちゃん……わたしその……無神経なこと聞いちゃったかも」
わたしはその場でできる限り頭を下げた。
もし、今の発言で瑠魅ちゃんを傷付けちゃったら……わたしは最低だ。自分の事しか考えてなくて……。
「ううん、大丈夫。全然気にしてないよ。これは私の問題だし……那乃ちゃんが気に病む必要は無いよ」
「そう……でも、ごめん。瑠魅ちゃんとしては考えたくない何かがあったんだよね?だから、最低限そのことだけは謝りたいの。本当にごめんなさい」
わたしはもう一度頭を下げる。
やっぱり瑠魅ちゃんがあんなに悲しい顔をしたのはわたしに原因があると思う。
「………うん。もう顔を上げてよ。私の方が申し訳なくなっちゃう」
「ありがと。あと、やっぱりごめん。こんな変な空気にしちゃってさ」
「じゃあ、わたしも質問して良い?」
そう言って瑠魅ちゃんはニコニコとしながら言ってきた。
瑠魅ちゃんの笑顔は同性のわたしでも惚れちゃうほどに綺麗。もし瑠魅ちゃんが蓮君を本気で狙ったら……。
「那乃ちゃんは好きなの、蓮翔のこと?」
「な、ななななんで!?」
わたしは急な事で舌が上手く回らなかった。確かに話の流れ的には聞かれそうだったけど……言葉にされると恥ずかしい……気がする。
「それで、どうなの?」
「…………好き、だよ……」
聞こえてなくても良いと思って小さい声で言った。
やっぱりこう言うのはちょっぴり恥ずかしい。
「フフッ。やっぱりね」
「えっ?」
「見てれば分かるよ」
冬華も言ってたけど、わたしってそんなに分かりやすいのかなぁ?
~~~~
~蓮翔視点~
………………入りずれぇ。なんか俺の話してるし……。てか、え?姫乃が俺を……?マジで?どゆこと?これって聞かなかったことにした方が………良いよな?
まさか、お菓子を取りに行って戻って来たらこんな事になってるとは……。
「ふぅ………」
これは姫乃の名誉のため、俺は聞かなかったことにしよう。俺にとっては確かに嬉しいことではあるが……姫乃とは良き友達でありたい。
俺はそう心に決めてドアを開けた。
頃合を見て俺はソファに体を預けた。
休みの日に三時間も勉強なんて……まぁ、仕方がないか。あぁあ、早くテスト終わってくれねぇかなぁ。
「そうだね。わたしも結構疲れちゃった」
「じゃあ、俺はお菓子とか持ってくるわ」
確か廊下にある物入れにお菓子の類が沢山あったはずだ。冷蔵庫の隣にあるお菓子には親からの脅迫メッセージが付いてたし……。どんだけポテチを食いたいねん。
とりあえず適当に色んなもん持ってくか。
~~~~
~姫乃視点~
「瑠魅ちゃん。一つだけ気になってることがあるんだけどさ……聞いても良いかな?」
「ん?なに?」
蓮君が廊下に出たのを確認してわたしは瑠魅ちゃんにずっと聞きたかった事を聞くことにした。
やっぱり、本人が居る前では確認しにくいもんね。
「瑠魅ちゃんはさ……蓮君の事、好き、なの?」
瑠魅ちゃんが転校してきた時から蓮君との距離感に違和感を感じていたけど、なんと言うか、最近は二人の距離が近い気がしてならない。
もし……本当にもし、私の思っているような関係だったら……。
こんなこと想像もしたくない。だって……わたしは……。
「それは……どういう意味での?」
「そ、それはもちろん……恋愛的な意味で、だよ」
不安が積もっていく。でも、今聞かないときっと後悔する。聞いたところで後悔するかもしれないけど、このままじゃダメだって思う。
この答え次第ではわたしにも勇気が出てくるかもしれない。
「………私にその資格は無いよ。でも………好きだよ、私は」
「資格がない?それってどういうこと?」
「私のせいで蓮翔が苦しむことに……私が巻き込んじゃったの」
「瑠魅、ちゃん?」
もしかしてわたし、聞いちゃいけないこと聞いちゃった……?
「ご、ごめん、瑠魅ちゃん……わたしその……無神経なこと聞いちゃったかも」
わたしはその場でできる限り頭を下げた。
もし、今の発言で瑠魅ちゃんを傷付けちゃったら……わたしは最低だ。自分の事しか考えてなくて……。
「ううん、大丈夫。全然気にしてないよ。これは私の問題だし……那乃ちゃんが気に病む必要は無いよ」
「そう……でも、ごめん。瑠魅ちゃんとしては考えたくない何かがあったんだよね?だから、最低限そのことだけは謝りたいの。本当にごめんなさい」
わたしはもう一度頭を下げる。
やっぱり瑠魅ちゃんがあんなに悲しい顔をしたのはわたしに原因があると思う。
「………うん。もう顔を上げてよ。私の方が申し訳なくなっちゃう」
「ありがと。あと、やっぱりごめん。こんな変な空気にしちゃってさ」
「じゃあ、わたしも質問して良い?」
そう言って瑠魅ちゃんはニコニコとしながら言ってきた。
瑠魅ちゃんの笑顔は同性のわたしでも惚れちゃうほどに綺麗。もし瑠魅ちゃんが蓮君を本気で狙ったら……。
「那乃ちゃんは好きなの、蓮翔のこと?」
「な、ななななんで!?」
わたしは急な事で舌が上手く回らなかった。確かに話の流れ的には聞かれそうだったけど……言葉にされると恥ずかしい……気がする。
「それで、どうなの?」
「…………好き、だよ……」
聞こえてなくても良いと思って小さい声で言った。
やっぱりこう言うのはちょっぴり恥ずかしい。
「フフッ。やっぱりね」
「えっ?」
「見てれば分かるよ」
冬華も言ってたけど、わたしってそんなに分かりやすいのかなぁ?
~~~~
~蓮翔視点~
………………入りずれぇ。なんか俺の話してるし……。てか、え?姫乃が俺を……?マジで?どゆこと?これって聞かなかったことにした方が………良いよな?
まさか、お菓子を取りに行って戻って来たらこんな事になってるとは……。
「ふぅ………」
これは姫乃の名誉のため、俺は聞かなかったことにしよう。俺にとっては確かに嬉しいことではあるが……姫乃とは良き友達でありたい。
俺はそう心に決めてドアを開けた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
8
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる