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第101話;閑話:結城雪奈
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真井歩が嶺山紗弓を見かけた地点へと梨島日和たちを案内していた頃、結城雪奈たちは嶺山紗弓を探していた...
***
(お願い!サユミちゃん!無事で居て!)
言葉には出さないが雪奈は心から、そう思っていた...
恋人の岩屋が水中から現れたダンゴムシのような魔物に無惨にも喰い殺された光景が脳裏をよぎるたびに嶺山も魔物に喰い殺されてしまう想像と不安が彼女の中に膨らんでいく...
(やだ...いやだよ...サユミちゃん!サユミちゃんまで死んでしまったらボクは――どうすれば、いいんだい?)
雪奈の父はベラルーシ人、母はラトビア人で多国籍企業に勤めている両親の仕事関係でラトビアの中等部を卒業したのちに両親と共に日本に帰化したのだがワタシという一人称の発音が苦手で幼い男の子が使いそうなボクという言葉を周りの評判も良かった事もあり使い続けている内に矯正する事を忘れ定着してしまった頃――彼女は日本の高校で嶺山紗弓に出会った...
初めは興味本位だった――最初に雪奈が抱いた嶺山の第一印象は整った顔立ちに凛とした表情・・・艶のある黒い髪に桜色の唇を噤んだ凛とした容姿の中にも嫋やかな表情と動作も見せる魅力的な女の子...
(日本の伝統工芸品である日本人形みたいな綺麗な娘・・・)
海外の人間ならば通り過ぎたら思わず振り返ってみてしまうほどの大和撫子という印象を雪奈は嶺山に抱いた...
***
「あっ!坂下さん、また学校の制服を改造したのね!校則違反はダメって毎回言ってるでしょう!しかも、なんか以前――注意した時より改造してあるし・・・」
「えへへ!かわいいしょ?サユみん。両肩が出るように改造したんだよ!ついでにスカートのフリフリと腰に大型リボンを増設したんだよ!!」
「た、確かにカワイイけど......そ、そうじゃなくて!毎回、校則違反はイケないっているじゃない!坂下さん!あと、変なあだ名を付けるのは止めて!」
「ブー!ブー!なんだよ!なんだよ!サユみんのイケず・・・チェ!分かったよ。じゃ、チャックで開閉出来るようにして普段は肩の露出は控えるね!」
「ちょっ!坂下さん!話はまだ終わってないわよ?!」
***
嶺山の容姿から想像した印象通りは彼女は正義感が強かったが、だが同時に彼女は誰にでも優しく平等で、お茶目で抜けている所もある誰からも好かれる人物だった。
そんな正義感の強い貞節な大和撫子と同じく貞節を大切としていた正教の徒である彼女は嶺山に好感を持ち友情が芽生えるのに、そう長い時間は掛からなかった...
気づけば自然と、ふたりは友になっていた...思えばサッカー部の岩屋に告白された時に恋の相談したのも嶺山であった...
このままでは恋人に次いで親友まで失ってしまうかもしれない・・・だからこそ雪奈は必ず嶺山を生きた状態で見つけると決意している。
自然と共に中になれるのは長い人生に置いても稀有なこと・・・雪奈にとって嶺山紗弓という人物は日本で初めて出来た友人であるというだけではない!ふたりは人生を通した親友なのだ...そんな願いが通じたのだろうか?
「雪ちゃん?そこに居るにはユキちゃんなの?!」
なんと雪奈たちは奇跡的に開けた空間の中心に陣取っていた嶺山を発見することが出来た!
「サユミちゃん!」
感極まった雪奈は嶺山に駆け寄ると思わず抱き着く!
「よかった!よかったよ...サユミちゃん...」
嶺山を生きた状態で見つけた安心感と岩屋を失った喪失感からか?雪奈の胸の内に込み上げてきた...
「雪ちゃん...ごめんね?心配かけて・・・」
嶺山は優しく雪奈を抱擁すると声をかけるのだった...
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(お願い!サユミちゃん!無事で居て!)
言葉には出さないが雪奈は心から、そう思っていた...
恋人の岩屋が水中から現れたダンゴムシのような魔物に無惨にも喰い殺された光景が脳裏をよぎるたびに嶺山も魔物に喰い殺されてしまう想像と不安が彼女の中に膨らんでいく...
(やだ...いやだよ...サユミちゃん!サユミちゃんまで死んでしまったらボクは――どうすれば、いいんだい?)
雪奈の父はベラルーシ人、母はラトビア人で多国籍企業に勤めている両親の仕事関係でラトビアの中等部を卒業したのちに両親と共に日本に帰化したのだがワタシという一人称の発音が苦手で幼い男の子が使いそうなボクという言葉を周りの評判も良かった事もあり使い続けている内に矯正する事を忘れ定着してしまった頃――彼女は日本の高校で嶺山紗弓に出会った...
初めは興味本位だった――最初に雪奈が抱いた嶺山の第一印象は整った顔立ちに凛とした表情・・・艶のある黒い髪に桜色の唇を噤んだ凛とした容姿の中にも嫋やかな表情と動作も見せる魅力的な女の子...
(日本の伝統工芸品である日本人形みたいな綺麗な娘・・・)
海外の人間ならば通り過ぎたら思わず振り返ってみてしまうほどの大和撫子という印象を雪奈は嶺山に抱いた...
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「あっ!坂下さん、また学校の制服を改造したのね!校則違反はダメって毎回言ってるでしょう!しかも、なんか以前――注意した時より改造してあるし・・・」
「えへへ!かわいいしょ?サユみん。両肩が出るように改造したんだよ!ついでにスカートのフリフリと腰に大型リボンを増設したんだよ!!」
「た、確かにカワイイけど......そ、そうじゃなくて!毎回、校則違反はイケないっているじゃない!坂下さん!あと、変なあだ名を付けるのは止めて!」
「ブー!ブー!なんだよ!なんだよ!サユみんのイケず・・・チェ!分かったよ。じゃ、チャックで開閉出来るようにして普段は肩の露出は控えるね!」
「ちょっ!坂下さん!話はまだ終わってないわよ?!」
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嶺山の容姿から想像した印象通りは彼女は正義感が強かったが、だが同時に彼女は誰にでも優しく平等で、お茶目で抜けている所もある誰からも好かれる人物だった。
そんな正義感の強い貞節な大和撫子と同じく貞節を大切としていた正教の徒である彼女は嶺山に好感を持ち友情が芽生えるのに、そう長い時間は掛からなかった...
気づけば自然と、ふたりは友になっていた...思えばサッカー部の岩屋に告白された時に恋の相談したのも嶺山であった...
このままでは恋人に次いで親友まで失ってしまうかもしれない・・・だからこそ雪奈は必ず嶺山を生きた状態で見つけると決意している。
自然と共に中になれるのは長い人生に置いても稀有なこと・・・雪奈にとって嶺山紗弓という人物は日本で初めて出来た友人であるというだけではない!ふたりは人生を通した親友なのだ...そんな願いが通じたのだろうか?
「雪ちゃん?そこに居るにはユキちゃんなの?!」
なんと雪奈たちは奇跡的に開けた空間の中心に陣取っていた嶺山を発見することが出来た!
「サユミちゃん!」
感極まった雪奈は嶺山に駆け寄ると思わず抱き着く!
「よかった!よかったよ...サユミちゃん...」
嶺山を生きた状態で見つけた安心感と岩屋を失った喪失感からか?雪奈の胸の内に込み上げてきた...
「雪ちゃん...ごめんね?心配かけて・・・」
嶺山は優しく雪奈を抱擁すると声をかけるのだった...
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