クラス転移したけどリセマラされる前にバックレる

シューニャ

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第102話:アリの王

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結城雪奈ゆいじょうゆきなたちと合流できた嶺山紗弓みねやまさゆみは結城の恋人であった岩屋の死を知ると啞然とした...
同時に結城たちも安琢磨さだたくまの死を知ったが肝心のさだの遺体には嶺山が既に彼の使用していたテントの布を被せてとむらってあったので結城たちが好んで安の死に顔を見る事はなかった...
さだの死ぬまでに至った経緯を聞けば尚更なおさらである...

(水谷君と坂上君を見つけて早く、この坑道から脱出しないと・・・)

嶺山が、そう考えていると結城たちが来た反対側から人影が見えたので警戒しながらも目を凝らすと・・・なんと水谷と坂上ではないか?!

「二人とも、無事だったのね?!」と嶺山たちが駆け寄ると二人が驚くべき発言をする...

「ヒドい目にあったぜ・・・たっく!」
「クソォ!真井の野郎・・・ぶっ殺してやる!」

二人から死んだハズのクラスメイトの名前が挙がったので一瞬――全員が自身の耳を疑う...

「はぁ?うん?・・・さない?真井だって?」「真井って、もしかして、あのボッチ真井か?」「どうして死んだ奴の名前なんか・・・」「大丈夫?暗い空間に長時間いたから気でも触れたの?ふたりとも・・・」

クラスメイト達は不思議がると二人は興奮した様子で苦々しげに言葉を荒げる!

「るっせぇー!俺たちは見たんだ!生きた真井を!!」
「そうだ!!奴は俺たちを襲ってきたんだ!!」

クラスメイトたち全員がふたりの発言の意味が理解できず「・・・はっ?」となる...「死んだ真井が幽霊になって出てきたってこと?」「いや、でも坂上は生きた真井だって・・・」「えっ?でも真井って勉強も出来たし運動神経ずば抜けてたけど確かハズレを引いたんじゃなかったけ?天恵なしじゃ、どうやっても俺たちに敵わないだろう?」と皆、思い思いの発言をすると水谷は興奮気味に「不意を突かれたに決まっているだろう!!」と激高した!!

坂上も水谷に追従するように「そうだ!ふざけるな!まるで、俺たちが弱いように言うな!!不意を突かれなければ真井なんて一捻ひとひねりだ!」と強がる!

「いや、ちょっと待って二人とも!話を聞いて!真井君が生きているって?どうゆう事?」

嶺山が二人に問いかけると突如――
話を遮るように地震のような大きな振動を、その場にいた全員が感じた!!

女子生徒たちは「きゃぁぁああ!!」と悲鳴をあげ――その場にうずくまる者もいれば、お互いに抱き合う形で他者にしがみつき少しでも恐怖を紛らわせようとしている様子がうかがえた...

一方、男子生徒たちは「何が起こっているんだ!」「いったい、これからどうなるんだ!」と不安を口にしながらも周囲を見渡したり転倒しないように足に力をいれ踏みとどまったりと何が起こっても対応できるように自身に起こっている異変と周囲の状況を把握しようと躍起になっている!

彼・彼女達が、それぞれ思い思いの反応をしていると広い洞窟空間の遠方の壁にヒビが入り強烈な破壊音が空間全体に響く!!

巨壁を突き破り姿現したのは全長20メートルはあろうか・・・
羽つきの強大なアリだった!!

「ちょっ!!ちょっと!聞いてないわよ・・・こんなこと...」

やっとの思いで言葉をはっした嶺山以外の全員が息を飲み沈黙している...

「?!あれは!」

続いて言葉をはっした結城が驚きの声をあげる...それもそのハズ・・・
巨大なアリの足元から群れを成してゾロゾロと現れたのは散々、自分たちを追いかけ回した――あの二足歩行のアリ型魔物ではないか?!

「親玉と一緒にご登場と言う訳ね・・・」と額に汗しながら述べる嶺山の言う通り先ほど苦しめらた魔法の杖を持った個体に加え斧型のハルバードに似たポールアームを装備した周りの二足歩行のアリ型魔物より一回り大きな図体を持つ個体も見受けられる!!

中心に陣取っていた嶺山たちは四方八方を包囲されている!逃げ場ない...

親玉と思われる羽つきの巨大アリの「ギュェェエエエーーーーー!!!」という――まるで奴らをれと言わんばかりの咆哮と共にアンツサウロイドの一斉攻撃と突撃が始まる!!

「ぐっ――やるしかない!」

嶺山は交戦を決意すると大群に戦意を喪失しそうになっていたクラスメイト達も戦意を取り戻し両者の戦いが始まる!!

強烈な初撃を敵の集団に当てるため嶺山はウエポンズスキルを使うと――刹那の銀色の閃光と共に一集団が吹き飛ばされる!

嶺山に倣い他の生徒も今まで温存していたウエポンズスキルを使い次々に敵を撃破していくが連発できる攻撃ではないので人にもよるが使用したら30秒から1分・2分3分と時間を掛かてしまうため慎重に戦う必要があるが出し惜しみもしているような状況でもない!!

「やーーーーー!!」「チィ!援護しろ!」「近づくなアリンコどもー!」「あー!なんて数なんだ!」「泣き言を言ってる場合か!目の前の敵を片付けるんだ!」

彼ら彼女らの強烈な攻撃が功をそうしたのか一点突破出来るだけの道が開けていくが敵も次々と湧いてくる‼

「くっ!キリがないわ!!・・・みんな!今度はハグレずに全員で移動して!しんがりは私がするわ!!」

消耗戦は避け嶺山は出来る限り迅速に移動する判断を下すると結城は嶺山をサポートできる配置につき「サユミちゃん!ボクも!」と述べたが嶺山は首を横に振り「雪ちゃんは遠距離攻撃できる女子のグループに付いて全員を先導して!!みんなで生きて帰るのよ!絶対!」と言ったので雪奈は「そんな!サユミちゃん!自分が犠牲になるつもりじゃ!」と青ざめながら彼女の自己犠牲を危惧するが嶺山は必死の形相で結城に否定の言葉を吐く...

「違う!違うの!!雪ちゃん!他に先導出来るだけの強い天啓を持った人が、もう――あなたしかいないの!あなたが先頭にたって露払いをしてくれないと全滅するわ!」嶺山は結城の両手を両手で包むと「行って!ユキちゃん!必ず生きて帰る!約束するわ...」と言い雪奈も涙ぐみながら「・・・ったい・・・ぜったい約束だよ!サユミちゃん!」と言い残し女子達のグループの所へと駆けていくのだった...
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