ステキな名前をもらった子猫のはなし…

はちぃ

あったかいふかふかしたものに包まれて
気持ちいい……けど

おねえさんがボクを置いて去っていこうとするの。

いっちゃイヤ！

って言いたいんだけど

悲しいかな？

ボクは「にゃあ！」としか言えないんだよ。

そんな言葉でわかってもらえるほど世の中甘くないって知ってるよ。

だからボクは実力行使！実行にうつさなきゃ、わかってもらえない。

ふかふかした場所は気持ちよかったけど……

後ろ髪を引かれつつボクはおねーさんの足元へ必死に頭をスリスリした。

「行かないで！一人にしないで！一緒がいいの！」

そう思うのに言葉にならない。

思いが伝わらない。

こんなに胸がおねーさんでいっぱいなのに

その事をおねーさんに伝えられない。

伝える術がない！

……スリスリ。

スリスリスリスリ……。

スリスリスリスリスリスリスリスリ……。

ボクができる思いの伝え方。

おねーさんはボクをじっと見つめてくれた。

お目目がウルウルして涙が出そうになっちゃうよ。

お願い。おねーさん。

ボクをひとりにしないで。

一緒にいて。

わがままな気持ちかもしれないけど、

おねーさんと一緒がいいの！

ひとりはやだよ……。

ボク……消えたくないって思っちゃったの。

おねーさん、

おねーさんのしあわせをボクと一緒に歩めたらいいな。

……かなわなくても、

夢なら見てもいいよね？

おねーさん、大好きだよ……。