転生皇子の新生活 高等部編

𝐍 𝐢 𝐚🐾

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中等部4年編

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 ルーカスが中等部4年の年の1の月10の日の昼。ルーカスとリヴァイは学園に行く支度を済ませ、アルフィーとレイア、イグネイシャスが門まで見送りに来ている。


「レイアはあとひと月で1歳になるね。当日は屋敷に戻っているから、沢山お祝いをしよう」


「そうですね。レイア、お祖父様に余り迷惑をかけず待っていろ」


「う!」


 そう言いながら頭を撫でるリヴァイに、レイアは元気良く返事をする。


「また直ぐに帰ってくる。アルフィー、レイアを頼んだよ」


 そう言うとルーカスは、アルフィーに抱えられているレイアの頬に口付けをする。するとレイアは嬉しそうにはしゃいだ。


「お任せ下さい。ルーカス殿下も、どうかこの嫉妬深い我が孫をよろしくお願い致します」


 少し可笑しそうに笑うアルフィーに、ルーカスはリヴァイの方へ顔を向ける。そしてほんの少し不機嫌なリヴァイに楽しそうに笑いながら意地悪に言う。


「ふふふ、君もレイアに行ってきますのキスをしてあげたらどうだい?」


 そんなルーカスの様子に、リヴァイは嫉妬をしながらも慣れたようにレイアの頬に口付けをして行ってくると言う。
 その様子をルーカスとアルフィー、イグネイシャスが微笑ましそうに眺めていると、ルーカスがリヴァイの名を呼ぶ。


「何でしょう、か……」


 振り向いたリヴァイにルーカスは彼の唇に優しいキスをした。それに固まるリヴァイをよそに、ルーカスはレイアに挨拶をする。


「レイア、アルフィー、イグネイシャス、行ってくるね」


「と~、ば~ば~」


「うん、ばいばい」


 笑顔でそう言うとルーカスはそのまま馬車に乗り込んだ。すると呆気に取られていたリヴァイにアルフィーが言う。


「リヴ、ルーカス殿下が待っておられるぞ」


「っ……、行ってまいります、お祖父様」


「ちぃ~、ば~ば~」


「ああ、ばいばい」


 リヴァイはレイアの頭にぽんと手を置くと、馬車に乗り込み学園へと出発して行った。


「あのリヴがとはなぁ」


「ええ、そうですね。あの若様が」


 アルフィーとイグネイシャスは、普段は口調の堅いリヴァイのレイアに対する少し柔らかい口調に感心したようにそう言ったのだった。




「リヴ、まだ嫉妬しているかい?」


 馬車に揺られながら向かいに座るリヴァイにルーカスは悪戯な笑みを浮かべて問いかける。


「……いえ」


「おや、それは残念だね。息子にまで嫉妬をしてしまう君を、僕は堪らなく可愛いく思うよ」


「殿下……、揶揄わないで下さい」


 困った様子のリヴァイに、ルーカスは楽しそうに笑った後、感慨深そうな表情となった。


「レイアも直に1歳か」


「はい、伝い歩くのも上手くなりました」


「そうだね。頑張って僕達の事を呼ぼうとしているのも愛くるしい。……も嬉しそうだったねえ?」


 少し揶揄う様に、けれどとても嬉しそうに笑みを浮かべるルーカスに、リヴァイは恥ずかしそうに顔を背けた。


 ふふふ、可愛い。


「ねえリヴ、隣に行っても良いかい?」


「……はい。お気をつけ下さい」


 そう言いながらリヴァイはルーカスに手を差し伸べた。その手を取って、ルーカスはリヴァイの隣に座ると、リヴァイの肩にもたれかかった。


 リヴの優しい香りと体温は、凄く落ち着く……。


「…………リヴ、明日の夜、えっちしようか」


「っ!?」


 ルーカスの予想外の発言に、リヴァイは驚き彼の方へ振り向く。


 急で驚くよね。けれど……。


「……来年には僕も公務を任される。その頃にはレイアも、僕達がいなくても泣き叫ぶことは無いだろうから、僕は皇城に戻ることになる。全く会えなくなる訳では無いけれど、それでも屋敷では、レイアとの時間を大切にしたい……」


 そう言いながらルーカスは、リヴァイの服をぎゅっと握った。


(そうだ。この方は、我が国の殿下なのだから……)


 皇族の男性であるルーカスには、女性よりも多くの義務が課せられる。結婚後は、皇族の女性は屋敷の女主人としての責務に専念することが出来る。
 しかし男性はそうではない。結婚後も自身の仕事に加え、皇帝を支える為の公務や会議等の様々な義務があるのだ。

 そんな義務に加えてルーカスは、外交官として様々な地へ足を運び、国を離れる機会も多い。リヴァイと婚姻を上げたとしても、屋敷にいれる時間は僅かなものだ。それはつまり、レイアとの時間も僅かになるということだ。


「……勿論です、殿下。レイアは私と貴方の、大切な息子です。私もレイアの成長をとても楽しみにしております」


 リヴァイは不安そうなルーカスの頬に触れ、優しく撫でる。


「リヴ……」


「寮部屋で行う事は、私も賛成です。しかし、ご無理はなさらないで下さい……」


 リヴァイはルーカスに物凄く心配そうな視線を送った。するとルーカスは、頬に当たるリヴァイの手に、自ら擦り寄る。


「……君に触れられると、嬉しくなるんだ。けれど、それでも不安になってしまう……」


「不安、ですか……?」


 ルーカスはこくりと頷いた。


「もし、僕の体が、君に触れられても反応しなかったら、と……」


「それは……」


「けれど、きっと平気だよ。リヴが相手だから。……だから、早く僕の不安を拭って? 僕を、沢山気持ち良くしてよ」


「っ……」


 自分を、少し不安げに見上げてそう言うルーカスに、リヴァイは強く熱のこもった視線を送る。

 すると、外から馬車の扉を叩く音がする。いつの間にか学園に到着していたようだ。


「若様、皇子殿下、到着致しました」


「行こうか、リヴ」


 御者の者が呼びに来ると、ルーカスは直ぐに立ち上がって馬車の扉に近付きながらそう言った。するとリヴァイは、ルーカスの腕を優しく掴み彼を制止する。
 それを不思議そうに、ルーカスがリヴァイの方へ振り向くと、リヴァイは眉間に皺を寄せ耐えるようにルーカスの事を見つめていた。その瞳には、酷く熱い欲情が浮かんでいる。


「煽る事を仰らないでください……。今ここで、貴方をぐちゃぐちゃに犯したくなってしまいます」


 リヴァイがそう言いながらルーカスの頬に触れ、耳を優しく撫でると、ルーカスは顔から首まで全てが一瞬にして真っ赤に染った。


 すると突然、リヴァイはルーカスを横抱きにして軽々と抱えてしまう。


「え、リヴ……!?」


 驚くルーカスに、リヴァイは何も言わずにそのまま馬車の扉を開き寮棟に向かって歩き出す。

 御者の者や疎らにいる生徒達はそんなルーカスとリヴァイの姿に驚く。そして生徒達は興味津々の目を2人に向けた。


「下ろしてよ、リヴ……! 僕歩けるから……!」


「……申し訳ございません。の可愛らしい赤面を、誰にも見せたく御座いませんので」


「え………」


 今、シアンと……。それに、少し拗ねている……。うぅ~……、嬉しいのに、恥ずかしくてよく分かんないよお。


 ルーカスは顔を真っ赤にしながら、リヴァイの胸に顔を隠すように頭をぐりぐりと押し付けた。するとリヴァイは少し満足そうにしながら寮に向かって歩き続ける。


 …………えっちな時のリヴは、丁寧だけど、少し口が悪くなる。その言葉にすら嬉しくて、、僕はやはり、変態だったのかな……。




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