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甘話 ハルとデート。
03(side春木)※
しおりを挟む──そんな夜からどれほども月日が経過した、ある夜。
「んっ……ふ……」
焼き殺されたいと願ったまま泣いた自分と同じベッドで、俺は恋人となった咲の上に乗り、咲の耳をしゃぶりながら突かれていた。
おっと。
もちろん都合のいい夢じゃねーぞ?
紛れもなく咲は俺の恋人で、俺が好きすぎて耳たぶがふやけそうになってるのに抵抗しない最高の彼氏なのだ。
ベッドヘッドに背を預けて座る咲に、密着する。ぴちゃぴちゃと水音に濡れる耳たぶ。ベロッベロ。
「ぁ……っん、ん……」
俺が腰を揺らすたび、張りついたお互いの皮膚がへばりついてはちぎれて、ベト、ベト、と粘っこいが鳴る。
ローションたっぷりのゴムを着けた咲の怒張と腸液をまとう襞がこすれ、結合部からはブチュ、と泡が溢れた。
今日は月曜日。
狂うほど愛しているのに俺以外の恋人が四人もいるクズ彼氏を、俺だけが独占できる至福の日である。
この世で俺ほど月曜日を楽しみにしている大人はそういないだろう。
確実に、俺が総理大臣になったら全曜日を月曜日にする。
でもそうすっとアイツらに会えねーってんで咲が死ぬかもだから、総理大臣にゃあならねーけど。
俺の心臓は、それほどに咲だ。
「ハル、なに考えてんの?」
「んぁ……っ」
そんなことを考えていると、俺の耳責めに付き合っていた咲が耳の穴に突っ込んでいた舌を引き抜き、軟骨を甘噛みしながらナイショ話をけしかけるように誘ってきた。
おうおう。
かわいい声出しやがって。
俺がお前のカラダだけに集中してねぇって判断したわけ?
でも嫉妬、じゃねぇんだよな。
悩み事とか魔が差したりとか、なんらか思考にノイズが混じってる場合を考えて把握しときたいだけっぽい。ほら、アンテナいっぱい俺ら固定だ。
「ハル?」
「ッゔ、ンは、起きてるって、よ」
ちゅ~っと耳たぶを吸ってニヤケていると、持ち上げたケツを落とし、奥をエグって催促された。
心配? でもねー。
聞こえてないのかもしれないと思ったんだろうよ。聞こえてないといけないから、呼びかけてる。
「けど、なに考えてんのって、俺もう聞いたじゃん」
「あっ……んふ……」
俺の返事が欲しいんだろう。
咲はそういうやつだ。俺に恋してる咲はマージでかわいいんだわ。
「なにって、咲のことしか、考えてねぇ、けど?」
「ん」
咲の匂いを肺いっぱいに吸い込んで、勢いよくフッ! と咲の耳腔に吹きかけた。
全ての感度が悪い咲は、驚くこともくすぐったがることもない。
ノーマルに会話しながら尻をすくい上げて俺の体を軽く持ち上げ、揺りかごを揺らすようにスローペースであやす。
「咲は、ん、ぁっ……なに考えてんだ、ふっ……ぁっ……」
「ん? 俺? 俺は、ハルがしゃぶってる俺の耳が美味いといいなぁ、って考えてんよ」
「ぁあ…ぁ……っ」
トン、トン、と突かれるたびに勃起したモノが震え、咲の硬い腹筋に擦れて蜜を滲ませた。
咲に抱きついて突き上げられると、俺の中はキュウキュウと自分を貫く怒張を締めつける。
ふっ。俺に耳しゃぶられて、不味かったらもう二度としゃぶってもらえねぇから?
「あっ……ぉっ……お前の、耳ぃ……舌トロケそうなくらい、たまんねぇ……あ…んぅ……」
「ん……ワーオ」
だからこそ、俺はちゃんと咲の言いたいことを理解して、思ったままを答えてやる。
嘘じゃねぇんだ。
これがミソ。忖度なし。
すると咲は感心したように息を吐いて、持ち上げた俺の身体を落とすと同時に突き上げた。
「はぁ…っん……」
パチュ、と濡れた肌がぶつかり、結合部からやらしい水音が弾ける。
「ハルの中も、たまんねぇよ」
「お前が、しつけたんだ、っろ……ぅ、っ……ンっ……ン」
「そう? 躾じゃねーけどにゃー」
そのままトントンと奥をノックするシンプルな律動に抱かれて、俺は咲の裸体にしがみついて揺られた。
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